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特集Vol.14 「換気とハウスダストの対策」

特集Vol.14「換気とハウスダストの対策」特集Vol.14「換気とハウスダストの対策」

室内の空気中には目に見えない汚れが存在しています。汚れの正体とは、タバコの煙、調理のニオイ・水蒸気、ハウスダスト、人間が出す二酸化炭素や体臭などがあげられます。室内で快適に過ごすためには換気は欠かせません。

今回は、換気とハウスダスト対策をテーマに生活に役立つ情報をご紹介します。

換気は部屋の呼吸!

換気とは、室内の汚れた空気を排出して、新鮮な外気を取り入れることです。言い換えれば、換気は部屋の呼吸と言えます。高温多湿な日本の住宅は、その昔、夏は暑くて冬は寒い、すきま風だらけの構造でした。しかし、このすきま風が換気としての役割を果たし、通気性の良い環境にありました。

現代の住宅は気密性や断熱性が向上し、1年を通して快適に過ごせます。その反面、窓を開けないなど生活環境の変化によって空気が入れ替わりづらくなってきました。住宅建材等を原因とするシックハウス症候群に悩む人が増え社会問題にもなりました。

正しい換気の方法とは

換気方式には、24時間換気システムのように絶えず室内の空気を入れ替える「常時換気」と、キッチンのレンジフードや、トイレ・浴室の換気扇から汚れた空気や湿気を集中的に追い出す「局所換気」があります。正しい換気方法は、この2つを状況に応じて組み合わせることです。また、24時間換気システムが設置されていない場合は、窓を開けた状態でキッチンのレンジフードを常時使用することで空気の流れができ、常時換気も可能になります。ただし、換気扇のフィルターにゴミやホコリがたまると本来の機能が発揮できず、汚れた空気は部屋に残ったままになります。フィルターの清掃と交換は定期的に行いましょう。

ハイ・パーツショップでは、フィルターの清掃・交換時期をメールでお知らせする「換気扇フィルター会員」を募集しています。

ハウスダストとは目に見えにくい1mm以下のチリやホコリの総称で、衣類などの繊維クズ、ダニの死骸やフン、カビ、細菌、花粉、土や砂ぼこり、人のフケや皮膚、ペットの毛など様々なものがあります。

ハウスダストにはアレルゲンが含まれていて、体内に入るとアレルギー症状等の原因となります。なかでも近年問題となっているのが花粉です。日本で最初に花粉症が発見されたのは1961年のことで、国民の約25%が花粉症といわれます。日本で最も発症例が多いのはスギによるもので、スギ林は国土の12%を占めています。日本で花粉症が増えた要因のひとつに、戦後失われた森林資源を回復するため、植林されたスギやヒノキが伐採されずに成長したことがあげられます。

花粉の季節といえば春。地域によって違いはありますが、実は1年を通して様々な花粉※1が飛散しているのです。花粉から身を守るには、花粉を家の中に持ち込まないこと。外出先から帰って来たら、玄関前で衣服をはたくと花粉が舞うので厳禁です。ウェットティッシュなどの面を変えながら衣服や髪についた花粉を取り、扉はできるだけ狭く開けて家の中に入ります。メイクにも注意が必要です。花粉はマスカラやつけまつ毛に付着しやすいので、帰宅したらメイクを落とし顔を洗いましょう。また、静電HEPAフィルター※2搭載の空気清浄機や空間除菌脱臭機を利用することもおすすめです。花粉は空気の流れとともに外から入ってくることが多いので、玄関先や扉を開けた先の部屋に設置すると効果的です。

  • ※1スギのほか、ヒノキ、イネ、ブタクサ、ヨモギ、カナムグラ
  • ※2JIS Z 8122:2000による規定
    定格流量で粒径が0.3µmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能をもつエアフィルタ

ハウスダストの溜まりやすい場所とは、部屋の隅、床、カーペット、布製ソファやクッション周辺、布団やベッド周辺、家具や電化製品の周辺など。ハウスダストはとても軽く、人が活動する日中は宙に舞い上がり、人が寝ている間は自然と床に落ちます。ハウスダストの1日の動きを知ることで掃除のタイミングを把握できます。

<床>

床はハウスダストが積もった状態の朝一番の掃除がおすすめです。空気の通り道を作らないよう窓は閉め、フローリングワイパーなどで乾拭きします。いきなり掃除機をかけるとハウスダストを舞い上げてしまいます。また、水拭きをしてしまうと水分が蒸発して床が乾いた時、一面にアレルゲンやハウスダストが塗られていることに。乾いた汚れには乾拭きが鉄則です。その後、掃除機をかけ、汚れのひどい部分を水拭きしましょう。

<カーペット・畳>

カーペットや畳は、繊維やい草の中に花粉やホコリが入り込み、カビやダニの温床になる場合があります。ダニは夜行性のため、夜に掃除機を使えばホコリと一緒に集じんできます。カーペットの繊維の流れや畳の目に沿って、ゆっくりと掃除機のヘッドをあてていきます。掃除機は、押す時よりも引く時の方が吸引力が強くなります。押す時にヘッドの中のブラシがゴミをかき集め、引く時にゴミを吸引する仕組みなので、掃除機をかける際は往復がけがおすすめです。

<参考文献>
南 雄三 著 「断熱・気密のすべて」 日本実業出版社
菊池 至 著 「最新 空調設備の基本と仕組み」 秀和システム
「花粉症 アレルギー性鼻炎 撃退BOOK」 枻出版社 ※絶版
山西敏朗 監修/ブルー・オレンジ・スタジアム 編 「花粉症ぶっとばし完全カタログ」 幻冬舎
松本忠男 著 「病気にならない掃除術」 幻冬舎
今回の「換気とハウスダストの対策」はいかがでしたでしょうか。
換気を正しく使用することで快適な空気環境を得ることができます。
ご家庭でのハウスダスト対策にぜひご活用ください!
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