2024/09/30
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リフォームの相場を施工内容ごとに紹介!
予算を考えるときの注意点も解説
築年数が経過した戸建てやマンションの住環境を回復させるために、しばしばリフォームが実施されることがあります。大規模な工事となると高額な費用がかかるケースも多く、どの程度の費用が相場なのか気になっている人も多いでしょう。
この記事ではリフォームの相場をさまざまな視点で紹介します。また、後半ではリフォーム費用が高額化するケースや、費用を考えるうえでの注意点なども紹介しています。これからリフォームを検討する人は読んでみてください。
リフォームの費用のポイント
リフォームとは、古くなった住宅を修繕により新築時点の状態に戻すことを目標に行うケースが多い施工です。
きわめて小規模のリフォームなら数万円で済むケースもゼロではありませんが、ほとんどのリフォームでは数十万円以上は見ておくとよいでしょう。まずは、リフォームの特徴や費用のポイントを紹介します。
リフォームの特徴やメリット
どのような住宅でも年数と共に経年劣化が進みますが、リフォームをすることによって経年劣化を改善し、一つの住宅に長く住むことが出来るようになります。
住宅を大規模に修繕する方法としては、リフォームとリノベーションがあります。リフォームではあくまでその住宅の新築当時の状態に戻すのが狙いであるのに対して、リノベーションは先進的な設備なども取り入れながら、新たな付加価値をその家に与えることをしばしば工事のゴールとします。(ただしこれはあくまで原則で、リフォームでも水廻りなどに最新設備を導入することは可能です)
リフォームはあくまで新築当時に「戻す」工事なので、リノベーションと比べて完成像がイメージしやすいという傾向があります。また、部分的な施工に留めることも可能なため、予算とニーズに合わせて柔軟に工事内容を検討できる場合が多いというのもメリットと考えられます。
最後にリノベーションと比べると相対的に工期が短く、また仮住まいなどを用意せずに済む場合があるのも特徴です。
但しこれはあくまで施工規模により、フルリフォーム・スケルトンリフォームなどになるとリノベーションと施工の規模は大差ないため、工期が長期化するとともに、一時的な仮住まいでの生活を余儀なくされる可能性もあります。
リフォームの費用相場とは?
リフォームの費用相場は、次のようなポイントによって変わってくると考えられます。
- ・戸建てかマンションか
- ・部分リフォームか全面リフォームか
- ・部分リフォームの場合、どこをリフォームするか
- ・リフォームで交換する設備のグレード
そのため、費用の規模は各工事の内容によって大きく変わりますが、まずは、戸建てとマンションのおおまかな費用相場を見ていきましょう。
パナソニックのWebサイト「リフォーム費用の相場・資金について」を見てみると、戸建てのリフォームでは501万円~1,000万円、1,001万円~1,500万円に収まるケースが多く、これらで約全体の58%を占めています。内装の全面リフォームを行う場合、大がかりなものでなければこの範囲内におさまるケースが多いと考えられます。
一方で500万円以下で済んだケースが全体の14%ほど。こちらは部分リフォームで済ませた場合が多いと思われます。逆に1,501万円以上かかった工事が約27%あり、大がかりなスケルトンリフォームや、内装・外構両方のリフォームを行ったケースなどが含まれると考えられます。
続いて、マンションのケースを見てみましょう。マンションでは、301万円~600万円、601万円~900万円で全体の63%をしめており、多くのケースがこの範囲に収まっています。比較的規模の多い部分リフォームと、全面リフォームがこの範囲内に含まれると考えられます。
マンションでもスケルトンリフォームで大規模に行う場合は更に高額化し、901万円以上かけている方が全体の30%弱です。
ただし、マンションの場合は躯体全体や他の区画に影響を与える施工ができないことや、区画単位でみると外構がほとんど存在しないため、高額な費用をかける方は戸建てと比べると少ないと想定されます。逆に18%の人は300万円以下で留めており、気になる箇所を集中的に部分リフォームしたケースが多く該当します。
リフォーム内容別の費用相場
リフォームは内容によって費用相場が大きく異なります。今回は予算別にどのようなリフォームが可能となるのか、おおまかな相場を紹介します。自分の予算の中からリフォーム内容を検討していこうとしている方は、ぜひ参考にしてください。
トイレ・洗面所のリフォームは50万円以下
水廻りのリフォームでは、トイレや洗面所などの設備や内装壁・床の一部を交換する場合が多いです。これらの部分的なリフォームでは費用相場は約50万円以下で済むケースもみられます。
なお、キッチンについてはシステムキッチンの交換で高額な費用がかかるため、50万円では済まない可能性も想定しておいた方がよいでしょう。また浴室もユニットバスの交換を伴えばもう少し高額化する場合が多いと考えられます。
例えばパナソニックの事例では「トイレのリフォーム費用の相場・目安」によるとトイレの部分リフォームは21~40万円の事例が48%、20万円以内の事例が19.9%となっています。ただし、具体的なリフォーム範囲や素材の選択によって費用は変動します。
洗面所については「洗面所のリフォーム費用の相場・目安」によるとトイレの部分リフォームは21~40万円の事例が35%、41~60万円が15%となっており、約半数の事例がこの価格帯に収まっています。
一方で、二面の洗面台の導入や、洗面所の内装の大規模な変更などを伴うと相対的に高額化する場合もあり、61万円以上かかった事例も40%程度あります。
水廻りのリフォームでは、古くなった設備の更新やデザインの改善が検討される傾向にあります。例えば、節水効果の高いトイレや、使いやすい洗面台の導入、新しいタイルや床材の使用などが含まれます。
100万円程度で多くの部分リフォームが可能
100万円程度の予算を設定すると、部分リフォームであれば選択肢がさらに広がります。例えば、キッチンやリビング・ダイニングの一部を改修する場合や、床や壁、照明のリフォームなどが含まれる場合があります。
部分リフォームでいえば、各個室のリフォームは100万円以内で済ませることが充分に可能です。例えば、「個室・和室のリフォーム費用の相場・目安」によると和室や個室のリフォームは全体の61%の事例が100万円以内で収まっています。
床材や壁、天井の修繕・交換のほか、収納スペースの拡大などを行うケースが多いといえます。また、リビングと部屋の仕切りを間仕切りにして、必要な際にはリビングと部屋を1つの空間として広く使用することのできる構造にした事例もみられます。
そのほか玄関や廊下、階段の部分リフォームなどもこの予算の範囲に収まる場合が多いです。また、設備の交換や大規模な工事を伴わない壁紙交換などの内装変更の工事なら、戸建て全体でも100万円以内で済む可能性が高いでしょう。
一方でキッチンやリビング、ダイニング、浴室などは、100万円を超える工事となるケースが多いといえます。100万円以内で収める場合は壁や照明、収納など部分的な施工に留めざるをえない場合もあります。
水廻りのリフォームについては、「水まわりを一新して、快適で便利、自分好みの暮らしに」でも詳しく紹介しています。水廻りのリフォームを検討する際には、合わせて読んでみてください。
キッチンやリビング・ダイニング、浴室の部分リフォームは数百万円かかる
キッチンやリビング・ダイニング、浴室などは相対的に施工が大規模になったり、導入する設備が高額になるため、部分リフォームでも数百万円かかる工事がしばしばみられます。
例えば浴室の場合は「浴室・お風呂のリフォーム費用の相場・目安」をみると、101~150万円と151~200万円で52%と過半数を占めます。一方で100万円以内に収まっているケースも21%見られるため、ユニットバスの交換を伴わないリフォームや、ユニットバスのグレード次第では費用を抑えられます。
キッチンでは「キッチンのリフォーム費用の相場・目安(LDK、DK含む)」によると過半数の53%が151~300万円に収まっています。キッチンのリフォームではシステムキッチンを交換する事例がしばしばみられますが、システムキッチン自体の相場が100万円~なので、必然的に総工費では数百万円に至る事例も多いです。
スペースごとに個別の要件・目的を考慮しながら施工計画を立てるのがよいでしょう。たとえば、キッチンのリフォームでは、料理のしやすさや収納の効率性を重視したデザインが求められます。
リビング・ダイニングのリフォームでは、快適なくつろぎの空間を作り出すために、照明や窓の改善、壁のクロスの張り替えなどが行われる場合があります。
キッチンやリビング・ダイニング、浴室はいずれも居住環境に大きな影響を及ぼす可能性のある箇所です。リフォーム費用も高額化しがちなため、予算をもとにリフォームの効果を最大限実感できる施工内容を検討していくのがよいでしょう。
キッチンのリフォームについては、こちらの「シンプルで高級感のあるキッチンにリフォーム」でも詳しく紹介されています。キッチンのリフォームアイデアに悩んでいる人は、こちらも読んでみてください。
内装の全面リフォームは少なくとも500万円以上
内装の全面リフォームでは、床や壁、天井などの内装の一新と各所の設備交換をまとめて行います。500万円以上の費用が必要となるケースもしばしばみられます。たとえば「リフォーム事例」におけるフルリフォームのもっともリーズナブルな例は、800万円となっています。
なお、施工の範囲や内容、導入する設備のクオリティなどによって費用は大きく変わる可能性があります。
特に、躯体以外の要素を一度撤去して一から作り変えるスケルトンリフォームでは、費用が2,000万円に達するなど 高額化するケースもみられます。また、壁紙やフローリングなどは施工面積にも比例するため、戸建てで大型の住宅では高額化する場合もあります。
内装の全面リフォームは、住宅全体のイメージを大きく変えることができます。例えば、床の素材や色合いを変えることで、部屋の雰囲気を一新できる場合も。また、壁や天井の塗装やクロスの張り替えによって、室内を明るく広々とした空間にすることも可能です。
全面リフォームでは内装全体を作り変えることで、統一感のあるデザインの内装に仕上がる場合もあります。キッチンやトイレ、浴室など水廻りのすべての設備を便利で省エネなものに更新することもできます。自宅の居住性や付加価値を向上できるでしょう。
外構・内装の全面リフォームは1,000万円以上
戸建ての場合で外構・内装の全面リフォームでは少なくとも1,000万円以上の費用が必要な場合が多いと考えられます。
外構の有無によるリフォームの価格の違いに関する統計は存在しませんが、先ほど紹介した通り、内装の全面リフォームにおいて1,000万円以上かかるケースがしばしばみられます。外構リフォームに追加で費用がかかるとすると、外構と内装を全面リフォームした場合には、少なくとも1,000万円超の費用がかかる可能性が高いと推測されます。
外構・内装の全面リフォームを行えば、住宅の外観や内部空間を一新することができます。内装については先ほど紹介したとおりですが、外構についても玄関部分や車庫・駐車スペースの造成、庭のデザインの一新、塀などのエクステリアの施工など、さまざまな箇所で施工を検討できます。
全面的な外構工事では住宅の外観を一新できるため、見た目にこだわる方の中には外構リフォームを実施する方もみられます。ただし、内装リフォームに加えて追加的な費用がかかるため、全体の費用は高額になる場合があります。
さらに費用が高額になるケースとは?
一部のリフォームでは2,000万円以上の高額費用がかかっているケースもみられます。例えば「戸建のリフォーム費用の相場・目安」を見ると約13%は2,001万円以上の費用がかかっています。
まず、マンションと戸建てですと、増改築や外構の造成など、戸建ての方が大規模な工事を行う余地がある分、施工内容によっては費用が高額になる可能性があるでしょう。
マンションでも専有面積が百平米を超えるような高級物件では、同様に高額になる場合もあります。こうした物件に住む層は、導入する設備もハイグレードなものになりがちなことも、費用の上振れ要因となりえます。
さらに、キッチンや水廻りが二つずつあるような完全二世帯住宅への作り替え、古民家再生などは、より大規模な施工が必要となるため、しばしば施工費用が高額になる場合があります。
その他のケースでは、そもそも住宅のサイズが大きいために数千万円の施工費用に達する場合もあるでしょう。例えば「大切な人と楽しむ家 玄関直結のおもてなし空間」では、5階建て(主たる施工は3フロア)の自宅のリフォームに2,200万円かかった事例が紹介されています。
価格帯別のリフォーム事例
新築の家や建物は美しく快適ですが、時間の経過とともに劣化や変化が現れる場合もあります。ここからは価格帯別に事例をいくつか紹介します。自身の予算でどこまでのリフォームができそうか考えるときの参考にしてみてください。なお、こちらで紹介する事例は「リフォーム事例」にて紹介しています。
500万円以下|キッチンやバスなどの部分リフォーム
500万円以内に収まる事例では、マンションにおいては複数個所の部分リフォームを500万円以内で抑えた事例も。「趣のある大好きな空間をそのままに永く快適に暮らし続けられる住まいへ」で紹介しているケースでは、総額260万円でバスルーム、洗面台、トイレの水廻りのリフォームをセットで行っています。
汚れが付きにくい設備を導入して、清掃の手間を減らすなど、使い勝手の良い居室を実現しています。
戸建てにおいては、キッチンのリフォームの事例が見られます。「キッチン幅は3m45cm作業効率アップのキッチンリフォーム」では330万円の費用をかけて、キッチン幅を広くすることで使い勝手の良さにこだわった部分リフォームを行っています。
収納スペースも多く確保して、食器類などをすっきり整理できるデザインを実現しました。
501~1,000万円|全面リフォームが可能に
この価格帯になると、戸建て・マンション共に全面リフォームを実現させている事例も見られます。例えばマンションでは「家族のつながりを深める車椅子生活に合わせたLDK」など、1,000万円以内の全面リフォーム事例が見られます。同事例では車いす生活になる家族が快適に過ごせるよう、リビングの壁を撤去して広々とさせるなど、室内の各所をリフォームしています。
一方で戸建てでは「居心地のよいリビングを中心にした二世帯住宅」にて紹介しているように、戸建てを二世帯住宅にするために、全面リフォームした事例がみられます。高めに設計して洗いものがしやすいよう工夫したキッチンや、家具と照明の調和まで考慮して、長居したくなるリビングなど、家の各所において工夫がみられます。こちらの事例の費用は総額800万円です。
1,000万円以上|間取りを大胆に変更したリフォームも
1,000万円以上となると間取りの変更を含めた大胆なリフォームも可能になる場合があります。
例えば「グリーンと光が感じられるお住まいへフルリフォーム」で紹介されているマンションの全面リフォームでは、ウォークインクローゼットの新設や、和室の縮小によるリビングの拡大など、より使い勝手が良い形で各所の間取りを変更しています。こちらの費用が約1,100万円となっています。
バスルームをインテリアに合わせて木目調とするなど、内装全体のデザインにもこだわったリフォームです。
ただし、戸建ての場合は、さらに費用が上振れする場合もあります。例えば「これからも快適に過ごせる住まいに」で紹介された事例では、約2,030万円の費用がかかっています。
こちらの事例では1階部分の食堂・居間・和室を大胆に変更して一つの大きなリビングを設けています。また、水廻りやキッチンなど多くの設備を一新して住環境を改善させています。
パナソニックの「ショウルーム」では実物のパナソニック製品を見学しながら、リフォームのプランニングや最適なリフォーム会社などの相談・検討ができます。自宅の状況やニーズに適した施工内容を決めかねている人も、ぜひ一度足を運んで相談してみてください。
リフォーム相場を考える上での注意点
リフォームを計画する際には費用相場を把握した方がよいでしょう。しかし、リフォーム費用は様々な要素によって変動するため、合わせて注意しておくのがよいと考えられます。
また、施工費用以外にかかる付帯的な費用について、見積もりに含まれる範囲を理解したうえで、追加で準備しなければならない費用も念頭に置いたうえで予算を組むとよいでしょう。ここからリフォーム費用における注意点を紹介します。
リフォーム費用の変動要因とは?
ここまでリフォーム費用の相場について詳しく紹介してきましたが、リフォーム費用は以下の要素によって変動する場合があります。
- ●施工内容や設備、規模
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施工内容についてはここまで紹介した通りですが、導入・交換する設備の質や数によっても費用がかわる可能性があります。特にトイレ、キッチンやユニットバスといった部分などは、パナソニックやインテリア各社から様々な製品が販売されている場合があります。リーズナブルなものからハイグレードなものまであるため、どのグレードを選択するかによってもリフォーム工事全体の費用が変わるでしょう。
また、規模による変動にも留意が必要です。全面リフォームでは施工面積に比例して費用も高額化する場合があります。また、リビングなど広い箇所の部分リフォームでは、面積によってフローリングや壁紙交換の費用が変わります。面積が広ければ一般的な相場よりも費用が高くつく可能性もあるでしょう。
- ●リフォーム会社の選択
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リフォーム会社によって、料金体系や工事費用の見積もり方法が異なり、同じ施工内容でも見積もりに差が出るケースが考えられます。
複数のリフォーム会社から見積もりを取ることで費用の比較ができますが、費用だけで比較すると、本来大切にするべきリフォームの施工内容や導入する建材の品質が低下してしまう場合もありますので、見積りに含まれる内容を把握し、無理に施工内容を詰め込まず予算に見合う範囲でリフォームを依頼するのがよいでしょう。
- ●時期
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リフォーム業界には繁忙期と閑散期があり、需要と供給のバランスによって費用が変動する可能性があります。需要が高まると、リフォーム会社は一時的に別会社から人材や機材を融通したり、新たに人を雇う、資材を調達するなどの対応が必要になることも。その結果、施工費用も高額化する場合があります。
リフォーム業界は年末~年度末が忙しくなる傾向にありますが、リフォーム会社の事業環境とキャパシティによっても繁忙期・閑散期は変わるので、リフォーム会社と相談しながら、柔軟に施工に対応できる先を選ぶのがよいでしょう。
また、外壁やエクステリアなど外回りのリフォームは天候に左右されることがあるため、梅雨の時期や台風が多い時期などは必然的に避ける傾向があるため、天候の良い時期に集中しやすくなります。早めに計画をしておくことが大切です。
見積もりに含まれている内容を理解する
リフォームの見積もりを受ける際には、見積もりに含まれている内容をしっかりと理解するのがおすすめです。見積もりに含まれていない追加費用を負担しなければならないケースも多く、見積もりを正しく理解していないと、後になって思わぬ出費が発生する可能性が考えられます。
- ●施工費以外の費用の取り扱い
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見積もりには、施工費だけでなく、その他の費用も含まれている場合があります。例えば、設計費、許可申請費用、廃棄物処理費用などが含まれているかをみておきましょう。ここまで厳格に記載することがルール化されているわけではないので、見積書の機細粒度はある程度リフォーム会社に裁量がある場合もあります。
含まれている費用がわからない場合にはリフォーム会社の見積提示の際に確認し、また追加で発生しうる費用についても合わせて聞いておくと安心です。
- ●諸費用の内容や相場に注意
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リフォームには、諸費用と呼ばれる様々な費用が発生する場合があります。先に挙げた設計費や許可申請費用などが諸費用に含まれていたり、そのほかにも駐車場代、雑費などが含まれることがあります。
ただし、諸費用についても、内訳を見積書に明記する義務がないため、見積書上は「諸費用」と記載があるのみの場合もあります。何が含まれているかわからない場合には、必ず契約を結ぶ前に確認しておくことをおすすめします。
まずは、諸費用の金額に留意してください。一般的には総費用に占める諸費用の割合は小さく、極端に高額な場合は不必要な費用を計上して金額を高くしている可能性も考えられます。気になる場合は諸費用の内容を確認するのも一案です。ほとんどの良心的なリフォーム会社であれば、詳しく教えてくれるでしょう。
自分で負担する追加費用に注意
リフォームを行う際には、施工費以外にも自分で負担する追加費用が発生することがあります。施工が大規模化して工期が長くなると、追加費用が意外に高くつく場合もあるので、あらかじめ予算に組み入れておくとよいでしょう。
- ●仮住まいの費用・トランクルーム費用
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増改築やリノベーション、スケルトンリフォームの場合は、一時的に別の場所で暮らさなければならない場合があります。もし自分が別の場所に住む場合は仮住まいとなる賃貸やホテルの手配が必要になりますし、まとまった量の荷物を移すならトランクルームなどを活用しなければならないケースもあるでしょう。
これらの費用は施工業者とは一切関係がないため、見積書に含まれていない場合が多いです。また、仮住まいやトランクルームへの荷物の引っ越し費用が掛かることもおさえておきましょう。使用期間によっては、まとまった金額が追加でかかることもあるので、留意しておきましょう。
- ●駐車場代
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リフォーム中に作業車両や材料の搬入に使用するため、駐車場を借りる必要がある場合があります。リフォーム会社の車両置き場に使用する場合には見積もりに含まれているケースも多いので、あらかじめ確認しておきましょう。
一方で、施工内容や箇所によっては、自分の車を一定期間のあいだ近隣の駐車場に止めておかなければならない場合も。その場合には、月極駐車場もしくはコインパーキングの駐車料金が発生する可能性があります。
- ●設計費
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全面リフォームやスケルトンリフォームでデザインにこだわってリフォームを行う場合には、設計士などの専門家にリフォームプランニングを依頼する場合もあります。自分で設計士に依頼しなくとも、リフォーム会社や施工業者が提携もしくは自社で雇用している専門家を活用してプランニングを進めるケースもあるので設計費が発生するかどうかは事前に確認しておくとよいでしょう。
設計士を利用すれば、通常は設計費が別途かかります。自分で設計士に依頼した場合には、施工費用と別途で設計費がかかるのは明確ですが、それ以外の場合は見積書に含まれているかどうかを判断する必要がある場合もあります。もし、含まれておらず、設計費が発生する場合には、追加で費用がかかる可能性があります。
- ●許可申請費用
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増改築を伴うような大規模な工事の場合は、自治体に許可申請を出す必要があります。実際の作業自体はリフォーム会社や施工業者にて対応してくれますが、許可申請に費用が数万円ほどかかるため、これは依頼者が負担しなければならない場合があります。
リフォーム会社が対応することから、見積書の諸費用などに含まれているケースも考えられます。含まれていない場合には追加出費の要因となるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
リフォームの相場を参考に予算や施工内容の検討を
今回の記事ではマンションや戸建てのリフォームの相場をさまざまな角度から紹介しました。実際の費用は詳細な施工内容や規模によって変動しうる点には留意が必要ですが、おおよその費用感を掴んで予算や施工内容を検討する際の参考にしてみてください。
また、提示された見積もりに含まれていない費用が、想定外のコスト負担になることもあります。見積書に記載された費用で完結しない場合も多いので、事前にリフォーム会社に見積書に含まれている費用の詳細を確認しておくのがおすすめです。
パナソニックでは「リフォーム・リノベーションのヒント集」にて、リフォームに関するさまざまな情報を紹介しております。今後のリフォーム計画を建てるとき、リフォームの注意点などを確認する際に、ぜひ参考にしてください。
また、実際の設備を見ながら検討を進めていきたいという人にはパナソニックの「ショウルーム」を利用してみるのも一案です。Webサイトからお近くのショウルームを予約して、ぜひ足を運んでみてください。
監修協力
野村 正樹(のむら まさき)さん
一級建築士/インテリアコーディネーター/宅地建物取引士/古民家鑑定士一級
同志社大学法学部を卒業後、京都工芸繊維大学造形工学科へ編入学。(株)NEO建築事務所を経て、00年「ローバー都市建築事務所」設立。後に、京都工芸繊維大学大学院建築設計学 前期博士課程修了。2006~2018年 毎日新聞京都版 朝刊「きょうと空間創生術」第1回~第274回執筆掲載。