照明の寿命に関する考え方

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照明器具の寿命に関する考え方

照明器具は使用年数に伴い、外観に影響はなくても、電気回路や配線部品などの電気絶縁物の劣化に伴い、
10年を過ぎると故障が急に増えます。

照明器具は10年が適正交換時期です。10年で故障がグンッと増える!
出典:日本照明工業会 住まいの照明 省エネBookより
蛍光灯器具内部の写真

これが蛍光灯器具の内部にある安定器が劣化した例です。
ビニル電線被覆が熱のために変形し、もろくなっています。

このまま使用続けると故障モードとして以下のような事例や発火などの危険を招くことになります。

安定器が劣化し稀に
煙が出ることがあります。

写真:製品写真と内部の電気回路
内部の電気回路(グロー式安定器)

部品が劣化し稀に煙のような
蒸気(ミスト)が出る事があります。

写真:製品写真と内部の電気回路
内部の電気回路(インバータ式)

お使いの照明器具の適正交換時期(10年)を考慮してランプの交換だけでなく新しい照明器具への交換をお奨め致します。
照明器具の銘板を見れば、製造年がわかりますので、ご確認をお願い致します。

LED照明器具の寿命

LED照明器具は、LED光源の寿命を40,000時間表記していますが、照明器具の寿命と同じではありません。
照明器具の寿命決定要因を,“光源部における光出力”だけでなく,照明器具を構成する“光源部に含まれないランプ制御装置”及び“その他の部品”等で決まるもので,照明器具の設置環境等(周囲温度、湿度,環境ガス、振動、塩害を含む)に大きく左右される為です。従いまして、LED照明器具の寿命を時間で定義する事は難しい為、LED照明器具につきましても寿命は8~10年(適正交換時期)としています。

何年経っているのかな?銘板(ラベル)を調べてみよう

ご使用の照明器具の製造された年は銘板(ラベル)に以下のように記載されています。製造年の記載のない照明器具はラベル右下の製造ロットを確認ください。製造ロットが不明の場合のほとんどは10年以上前の器具となります。

参考図:銘板(ラベル)

ペンダントの銘柄(ラベル)位置の例

参考図:ラベルの位置

メーカー・機種によって銘柄(ラベル)の位置は
異なる場合があります。

シーリングの銘柄(ラベル)位置の例

参考図:ラベルの位置
※ グローブを取り外した内部

メーカー・機種によって銘柄(ラベル)の位置は
異なる場合があります。

シャンデリアの銘柄(ラベル)位置の例

参考図:ラベルの位置

吊り下げ器具の場合は器具上部に貼られている場合があります。
メーカー・機種によって銘柄(ラベル)の位置は
異なる場合があります。

ダウンライトの銘柄(ラベル)位置の例

参考図:ラベルの位置
※銘板(ラベル)は天井への埋め込み部分にあります。

ダウンライトを天井から外すことは専門の知識が必要です。
電気工事店等に確認をお願いしてください。

ランプの寿命に関する考え方について

定格寿命

  • ●LED電球は、電圧などの使用環境や製造条件などによって光束維持率に多少のばらつきがあり、点灯回路の故障も発生します。
  • ●そのため残存率※1が50%となる時間を定格寿命としています。
    光束(明るさ)が初期の70%を維持できないランプには点灯回路故障などによる不点灯も含まれます。※2
  • ●定格寿命は試験値ではなく加速試験などから導きだした設計値です。
  • ※1 残存率とは、初期光束(明るさ)の70%を維持している割合
  • ※2 日本工業規格 JIS C 8158「一般照明用電球形LEDランプ(電源電圧50V超)」にて定義されております。
残存率と点灯時間のグラフ

LED電球の故障診断

LED電球の故障かどうかを以下の一覧表で確認できます。

現象 考えられる要因 対策
最初から全く点灯しない
  • ●正規の電源が供給されていない
  • ●正規の電源電圧で使用しているか確認して下さい。
    (破損、発煙の原因となります。)
  • ●口金とソケットの接触不良
  • ●口金のねじ込みを確実にして下さい。
    (落下の原因となります。)
  • ●ランプの肩が器具に当たり、差し込めていない
  • ●器具に適合したランプに取り替えて下さい。
    (落下の原因となります。)
  • ●ランプ不良
  • ●ランプを取り替えて下さい。
正常に点灯しない
  • ●電源電圧の間違い
  • ●正規の電源電圧で使用されているか確認して下さい。
    (破損、発煙の原因となります。)
  • ●調光器具を使用している
  • ●調光器対応形ランプに交換して下さい。
    (破損、発煙の原因となります。)
  • ●水銀灯などHID器具を使用している
  • ●HID器具には使用しないで下さい。
    (破損、発煙、落下の原因となります。)
  • ●不良ではありません
  • ●LED素子のバラツキや、ご使用時間の差により、光色・明るさが異なる場合があります。
短時間でつかなくなる
  • ●電源電圧の間違い
  • ●正規の電源電圧で使用しているか確認して下さい。
    (破損、発煙の原因となります。)
  • ●調調光器具・リモコン器具を使用している
  • ●調光器具・リモコン器具には使用しないで下さい。
  • ●調光器具には調光器対応形ランプに交換して下さい。
    (破損、発煙の原因となります。)
  • ●周囲温度が高過ぎる
  • ●周囲温度が40℃を超える場所では使用しないで下さい。
    (短寿命の原因となります。)
  • ●不適合器具で使用している
  • ●適合器具で使用して下さい。
    (破損、発煙、落下の原因となります。)
  • ●水滴浸入や高湿度による結露
  • ●ランプには水滴がかからないようにして下さい。
    (絶縁不良や破損、落下の原因となります。)
ラジオやテレビに
雑音が入る
  • ●ランプを近くで点灯している
  • ●ランプは離して使用して下さい。
調光時にはランプの
明るさがばらついたり
消えるランプがある
(調光器対応形)
  • ●不良ではありません
  • ●調光つまみを絞ると、ランプ特性により個々の消灯や明るさに違いが出ます。消灯しない範囲で調光使用して下さい。
外郭・内部構成部材の
著しい変色
  • ●ご使用中の環境(温度、湿度など)による
    使用樹脂部材の経年劣化による変色
  • ●変色した状態でのご使用はさけランプを取り替えて下さい。
    (破損、落下の原因となります。)