2026/07/08
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ZEHリフォームとは?補助金やメリット、快適な住まいのポイント
「冬の寒さがつらい」「夏はエアコンが効きにくい」など、不満を感じていませんか?ZEHリフォームは断熱性能を高め、省エネ設備や太陽光発電を取り入れることで、快適で省エネな住まいを目指すリフォームです。補助金やZEHリフォームのメリットを紹介します。
注目されているZEH(ゼッチ)
近年、電気代の上昇や気候変動による猛暑などの影響から、住まいの省エネ性に対する意識が高まっています。こうした背景から、光熱費を抑えやすく、一年を通して快適に過ごしやすい住まいとして、ZEH(ゼッチ)が注目されています。
ZEHとは
ZEHとは、住まいの断熱性能を高め、省エネ設備を取り入れて使うエネルギーを減らし、太陽光発電などでエネルギーを創ることで、年間の一次エネルギー消費量が、おおむねゼロ以下になる住宅のことです。
高断熱・省エネ住宅への関心が高まっている
断熱性能の高い住まいは、冷暖房効率が上がり、光熱費を抑えやすくなるだけでなく、室温差が小さくなることで快適性の向上にもつながります。
また、台風や豪雨など自然災害が増えている中、停電になったときに電気を使える太陽光発電システムや蓄電池への関心も高まっています。
国も住宅の省エネ化を推進
国は、新築だけでなく既存住宅の省エネ化も進めています。2025年4月から新築住宅の省エネ基準適合が義務化される中、既存住宅についても断熱リフォームや省エネ設備の導入を後押しする補助金制度が拡充しています。
住んでいる家でもできるZEHリフォーム
今住んでいる家でも、リフォームで「ZEH水準※」の省エネ性能を目指すことができます。断熱性能の向上や省エネ設備の導入、太陽光発電システムの設置など、必要な工事を行い、設備を組み合わせることで、「ZEH水準※」の住まいにすることが可能です。
ZEHリフォームでは、床、壁、窓、天井などの断熱性能を高め、換気システムや給湯など、省エネ性能の高い設備を取り入れ、消費エネルギーを減らします。さらに太陽光発電システムなどの電気をつくる設備を取り入れることで、「使うエネルギー」と「つくるエネルギー」の収支をゼロ以下に近づけます。
- ※ZEH水準の住宅は、ZEHの要件を完全には満たしていないが、ZEHと同等水準の性能を持つ住宅のことです。ZEHは太陽光発電システムが必須ですが、ZEH水準の場合、太陽光発電システムは不要です。
ZEHリフォームに必要な3つの要素
ZEHリフォームでは、「使うエネルギー」と「つくるエネルギー」の収支をゼロ以下に近づけるため、「断熱」「省エネ」「創エネ」の3つの組み合わせを考える必要があります。
断熱:断熱性能の向上
熱の出入りを抑えることで、冷暖房の効率を大幅に改善します。
- ・窓の断熱改修(内窓の設置・窓交換・ドア交換)
- ・外壁、床、天井の断熱改修
省エネ:高効率な設備・システムの導入
毎日使う設備を高効率なものに替えることで、消費エネルギーを減らします。
- ・高効率エアコン
- ・高効率給湯器(エコキュートなど)
- ・LED照明
- ・換気システム
創エネ:再エネの導入
太陽光発電などで電気をつくり、使用するエネルギーを補います。
- ・太陽光発電システム
エネルギーを効率よく使う設備
つくった電気を無駄なく使うために、蓄電池やHEMSを組み合わせる場合もあります。
- ・蓄電池
- ・HEMS
ZEHリフォームのメリット
住まいをZEH水準にすることで、暮らしにさまざまなメリットが生まれます。
光熱費を抑えられる
ZEHリフォームでは、断熱性能を高めることで冷暖房効率が上がり、エアコンに頼りすぎることなく、快適な室温を保ちやすくなります。また、太陽光発電システムを導入すれば、発電した電気を自宅で使えるため、電気代の負担軽減につながります。
電気代の上昇が続く中、毎月の光熱費を抑えられることは、ZEHリフォームのメリットのひとつです。
一年中快適に過ごせる
断熱性能を高めることで、冬は外の冷気が伝わりにくくなり、夏は室内に熱がこもりにくくなります。
「暖房をつけても寒い」「夏は2階が暑い」といった悩みが減り、部屋ごとの温度差も小さくなるため、一年を通して過ごしやすい住まいになります。
健康面にもよい影響が期待できる
断熱性能が高まると、冬場のトイレや洗面所、脱衣所などの温度差を抑えやすくなります。その結果、ヒートショックのリスク軽減につながります。
また、窓の断熱性能が向上すると結露が発生しにくくなり、カビやダニが発生しにくい環境づくりにもつながります。
災害時の安心につながる
太陽光発電システムと蓄電池を組み合わせることで、停電時でも電気を使えるようになります。冷蔵庫や照明、スマートフォンの充電など、常時使用したい機器を使えるため、在宅避難の備えとしても注目されています。
自然災害が増える中、日常だけでなく、万が一のときの安心につながる点もZEHリフォームの魅力です。
ZEHリフォームに使える補助金
ZEHリフォームでは、断熱改修や省エネ設備、太陽光発電システムなどの工事に応じて、複数の補助金制度を利用できる場合があります。組み合わせることで、ZEHリフォームの費用を抑えることができます。
国の補助金制度
① 先進的窓リノベ2026事業
窓の断熱改修(内窓設置・窓交換・ドア交換)に使える補助金です。
対象工事:窓・ドアの断熱改修
補助額:工事内容に応じて1戸あたり最大100万円
対象住宅:戸建て・集合住宅
期限:交付申請は、予算上限に達するまで(遅くとも2026年12月31日まで)
② みらいエコ住宅2026事業
断熱改修や省エネ設備など、省エネリフォーム全般を対象とした補助金です。バリアフリーなど、ほかのリフォーム工事と組み合わせられる場合もあります。
対象工事:断熱改修、省エネ設備、バリアフリー改修など
補助額:一戸あたりの補助額は、リフォーム工事内容に応じて定める額の合計。一戸あたり40~100万円が上限
対象住宅:平成28年12月31日以前に新築された住宅※
期限:交付申請は、予算上限に達するまで(遅くとも2026年12月31日まで)
- ※平成29年以降に新築された住宅においても、平成11年基準を満たさない住宅であることが証明できる場合は対象とする。
③ ZEH支援事業「ZEH+改修」「ZEHリノベ」
「ZEH+改修」は、既存住宅を「ZEH+」水準に、「ZEHリノベ」は、「ZEH」水準へリフォームする工事を支援する制度です。断熱改修や省エネ設備などを組み合わせ、一定の基準を満たす必要があります。
活用するには、住宅が一定の耐震性を満たしていることが求められます。1981年(昭和56年)6月以降の「新耐震基準」に適合している住宅、またはリフォーム完了時までに基準を満たす改修を行うことが条件となっています。
・ZEH+改修
対象工事:断熱改修、内窓設置、ガラス交換、玄関ドアの交換のほか、空調、給湯、換気などの省エネ設備の導入など
補助額:1~4地域: 一戸あたり400万円が上限 5~8地域:一戸あたり300万円が上限
対象住宅:既存戸建て住宅
期限:公募期間は一次公募と二次公募があります。予算上限に達した時点で公募が終了になるので、注意が必要です。
ZEH+改修では、環境共創イニシアチブに登録された「既存改修」の区分を持っているZEHビルダー・プランナーが住宅の建築、設計をしていることが要件になります。
・ZEHリノベ
対象工事:断熱改修、内窓設置、玄関ドアの交換のほか、空調、給湯、換気などの省エネ設備の導入など
補助額: 工事内容に応じた定額単価の合計額。一戸あたり250万円が上限(10万円未満の場合は対象外)
対象住宅:既存住宅(戸建て・集合住宅)
期限:2026年11月11日まで(スケジュールは変更になることがあります)。予算上限に達した時点で公募が終了になるので、注意が必要です。
補助金を活用して負担を減らす
ZEHリフォームでは、複数の補助金制度を組み合わせられる場合があります。
たとえば、内窓の設置(先進的窓リノベ2026事業)と、高効率給湯器の交換(みらいエコ住宅2026事業またはZEH支援事業)を同時に行う場合、それぞれの制度を併用できる可能性があります。
ただし、利用できる制度や補助額は工事内容によって異なるため、どの組み合わせが適しているか、リフォーム会社と相談しながら確認すると安心です。
また、補助金は予算上限に達すると受付終了となる場合があります。早めの情報収集がおすすめです。
自治体の補助金は国の補助金と併用できるものがある
都道府県や市区町村が、太陽光発電システムや蓄電池の設置に独自の補助金を設けていることがあります。国の補助金と併用できる場合もあるため、お住まいの自治体のホームページなどで確認しておきましょう。
住宅ローン減税や固定資産税の軽減制度を利用できる場合も
ZEHリフォームでは、補助金だけでなく、減税が受けられる場合があります。
たとえば、10年以上の住宅ローンを利用して一定の省エネ性能を満たすリフォームを行った場合、住宅ローン減税の対象になります。年末時点の住宅ローン残高の0.7%が、所得税や住民税から控除されます。
また、省エネ改修やバリアフリー改修、耐震改修などを同時に行った場合には、「リフォーム促進税制」の対象になり、翌年度の固定資産税が軽減されるケースもあります。
ただし、減税制度は工事内容や住宅の条件、借入期間などによって対象要件が異なります。利用を検討する際は、事前にリフォーム会社などに確認すると安心です。
満足度の高いZEHリフォームのポイント
ZEHリフォームで導入する設備は、住まいの条件や暮らし方に合わせて選ぶことが大切です。
電気をつくる太陽光発電システムや、停電時の安心につながる蓄電池、エネルギーを効率よく管理するHEMSは、暮らしやすさや使い勝手にも関わります。
ZEHに欠かせない太陽光発電システム
ZEHでは、太陽光発電などでエネルギーを「つくる」ことが基本となります。断熱改修や省エネ設備と合わせて、太陽光発電システムを導入することで、年間のエネルギー収支を実質ゼロ以下に近づけることを目指します。
また、太陽光発電システムは、発電した電気を自宅で使えるため、電気代の負担軽減につながります。ただし、発電量は住まいの条件によって変わります。屋根の形状や向き、日当たりなどによって設置できる容量や発電効率が異なるため、事前に確認しておくことが大切です。
蓄電池やHEMSを組み合わせるとさらに安心
太陽光発電システムと合わせて検討したいのが、蓄電池やHEMS((ホーム エネルギー マネジメント システム))です。
太陽光発電システムと蓄電池があれば、万一の災害で停電したときもためた電気が使えます。また、太陽光が発電しない雨の日や夜でも蓄電池にためた電気で不足分を補い、買う電気を減らし家計を助けてくれます。
蓄電池と太陽光発電システムと連携したパナソニックの「創蓄連携システムT」なら、太陽光発電でつくった電気をムダなく活用できます。
HEMSは、太陽光の発電量や電気の使用量を把握しながら、効率的に電気を使えるようサポートするシステムです。
ZEHリフォームでは、太陽光発電システムだけでなく、蓄電池やHEMSを組み合わせることで、より快適で安心できる住まいにつながります。パナソニックの「AiSEG3」は、さまざまな設備と連携し、制御することでエネルギーをかしこく使うだけでなく、快適に過ごせるサポートもします。
ZEHリフォームの注意点
ZEHリフォームは、住まいの状態によっては希望する工事が難しい場合もあります。また、状態によって工事内容や費用が変わることがあります。
たとえば、築年数が古い住宅では、断熱改修を進める前に下地や構造部分の補修が必要になる場合があります。また、木造・鉄骨造など、構造によって、工事方法や断熱材の入れ方が異なることもあります。さらに、劣化状況によっては、外壁や屋根などの補修をあわせて検討しなくてはならない場合もあります。
補助金を利用する際は、住宅の条件にも注意が必要です。たとえば、「ZEH支援事業」では、住宅が一定の耐震性を満たしていることが求められます。1981年(昭和56年)6月以降の「新耐震基準」に適合している住宅、またはリフォーム完了時までに基準を満たす改修を行うことが条件となっています。
そのため、ZEHリフォームでは、まず住宅診断や現地調査を行い、「どこまで改修できるか」「補助金対象になるか」を確認しながら進めると安心です。
まとめ
ZEHリフォームは、断熱性能や省エネ設備、太陽光発電などを組み合わせ、快適で省エネな住まいを目指すリフォームです。一般的なリフォームより費用がかかる場合がありますが、光熱費の削減や住み心地の向上、災害時の安心など、暮らし始めてからのメリットが期待できます。
ZEHリフォームを検討する際は、初期費用だけで判断しないことが大切。補助金制度の活用や光熱費の削減だけでなく、家の中の温度差が少なくなり、一年を通して過ごしやすくなることも、ZEHリフォームの魅力です。
監修協力

熊谷 一志 さん
家づくりコンサルティング株式会社
CFP®(日本FP協会認定)・1級FP技能士・宅地建物取引士
不動産・建築業界を経てきた経験を活かし、住宅購入専門のファイナンシャルプランナーとして2006年に家づくりコンサルティング株式会社を設立。延べ5000件を超える住宅購入時のお金に関する悩みのコンサルティングを行っている。フジテレビ「笑っていいとも!」、日経CNBC「マーケット経済専門チャンネル」などメディア出演の他、企業での講演やセミナー講師など幅広く活躍中。