住宅用『蓄電池』の基礎知識。導入のメリット、設置費用、補助金についてご紹介

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蓄電池

ここ数年電気代が値上がりしたため、住宅用の蓄電池が注目されています。

夜間の電気代が安い時間に電力を貯めて昼間に使ったり、日中に太陽光発電で貯めた電力を夜に使用したりするなど、工夫次第でさまざまな活用ができるのが大きな理由です。また、災害時には貯めた電力を使うことができます。

この記事では、住宅用蓄電池のこと、導入のメリットや導入費用、また工事に関する情報をわかりやすく解説します。

蓄電池とは?

蓄電池とは、その名の通り電気を蓄える機能を持った装置のことで、二次電池と呼ばれることもあります。

アルカリ電池やマンガン電池など電気を使い切ったら寿命を終える電池とは異なり、充電すると繰り返し使えるのが住宅用蓄電池の特徴です。種類はリチウムイオン電池、ニッケル水素電池、鉛蓄電池のほか、次世代型の蓄電池として期待されている全固体電池があります。

なかでも、今導入が増えているものがリチウムイオン電池タイプの住宅用蓄電池です。最近は技術の進化によりバッテリー容量が大きくなるとともに、小型化も進んでいます。さらに価格が下がっていることから、多くの家庭で見かけるようになっています。

蓄電システムについて

「蓄電池を設置したら、便利に電気を使用できるか」といえば、そうではありません。理由は蓄電池で扱える電力が直流であるのに対し、家庭で使っている電力は100Vで50~60Hzの交流だからです。要するに、交流と直流を自在に変換する仕組みが必要になります。

さらに太陽光発電の電力を蓄電池に貯め、家庭用として使うためには電力会社から送られる電力をいったん止めた上で蓄電池から流す制御機能も必要不可欠になります。

具体的には、太陽光発電の電力や割安な夜間電力を蓄電池に貯め、その電力を電気代の高い時間帯に利用できるような機能があればコストカットが可能になり、より電気を有効活用できるというわけです。

そうしたことを自動制御できる装置『パワーコンディショナ』と住宅用蓄電池を1セットにしたものを『蓄電システム』と呼んでいます。自宅に蓄電池を導入する場合、一般的には蓄電システムを導入します。

蓄電池導入のメリット

蓄電池を導入すると、さまざまなメリットがあります。電気代の節約だけでなく、地震や台風などの災害で停電した時にも電気を使えることは重要なポイントです。

また、太陽光発電による余剰電力を蓄電池に貯め、電気代が高い時間帯に利用するといった使い方もできます。家計にやさしいだけでなく、環境にもやさしいというメリットもあります。下記では、そうしたメリットを具体的に紹介します。

電気代が節約できる

蓄電池導入の最大のメリットは電気代の節約です。昨今の燃料価格高騰に伴い、電気代の値上がりも社会問題になっていますが、蓄電池があれば電気代を抑えることができます。

その事前準備として必要なポイントは、電力会社との契約を「時間帯によって電気料金が異なる」内容に切り替えておくことです。通常、電気代は夜間が安く、昼間が高いので、夜のうちに蓄電池に電力を充電しておいて昼間に使用することで電気代を節約することができます。

災害時、停電時に備えられる

最近は地震や台風などの災害によって大規模な停電が起こることもしばしばです。そうした状況でも、蓄電池を備えていれば安心して過ごすことができます。大容量バッテリーを搭載した蓄電池があれば、数日間は貯めていた電力でまかなうことが可能です。

また、太陽光発電と組み合わせたら、天気次第で電力の自給自足も不可能ではありません。蓄電池はいざという時のために大きな安心につながります。

10~15年の長期保証がある

蓄電池の購入は安い買い物ではありません。簡単に買い替えられるものではなく、生活に直結するライフラインのため、長期間利用したいところです。それを実現するため、各メーカーでは通常10~15年の長期保証をつけています。

万が一故障した場合も修理や交換ができる保証になっています。故障の内容や購買後の年数によって無償なのか、有償なのかは変わりますが、各メーカーとも安心できる保証内容を用意しています。

太陽光発電と連携できる

太陽光発電を有効に使い、電力の自家消費を目指す「環境モード」

昼間に使う電気は太陽光でまかない、余った電気は蓄電池に充電(さらに余れば売電)。蓄電池に蓄えた電気は夕方~夜に利用。朝から夜まで、電力会社からの電気をできるだけ減らし、電気の自家消費を目指します。

夜間電力を活用し、ピーク電力の抑制や電気代を削減をする「経済モード」※1

昼間に使う電気は太陽光でまかなえておトク。余った電気は売電できて、さらにおトク。電気をよく使う朝方や夕方~夜は、蓄電池に蓄えた電気を利用し、買電量が減らせておトク。蓄電池への充電は安価な夜間電力を利用します。

  • 1 ご契約の電気料金メニューや、運転モード設定によっては、深夜の使用電力が上昇することで基本料金が上がる可能性があります。

住宅用蓄電池は太陽光発電と連携して活用ができるのもメリットの1つです。昼間に蓄電した電力を夜間に使ったりするなど活用法が広がります。

また、大容量バッテリーを搭載した蓄電池を導入すると、電力会社から購入する電気を減らすことが可能です。ほかにも、災害時や停電時にも太陽光発電を通して蓄電池に貯めておいた電力を使用することができるようになります。

電気自動車は蓄電池としても利用可

ややイレギュラーですが、住宅用蓄電池の代わりに電気自動車(EV)を利用するのも1つの方法です。電気自動車(EV)は20~60kWhの電力があり、住宅用蓄電池と比較しても容量が大きいので、電気自動車(EV)から家庭へと電気を給電することが十分にできます。ただし、電気自動車(EV)を蓄電池として使うには『V2H』を設置する必要があります。

蓄電システムの導入費用

蓄電池導入の費用は数十万~数百万円が必要になります。内訳としては蓄電池本体の費用とそれを制御するパワーコンディショナの機器費用、また設置するための工事費用です。

機器費用がかかる

住宅用蓄電池は容量によって価格が変わります。基本、蓄電システムとしての導入が必要となるため、蓄電池とともにそれを制御するパワーコンディショナ自体の機器の費用もかかります。

工事費用がかかる

蓄電システムは「お店で購入して持ち帰ったらすぐに使える」というわけではありません。電気工事の資格を持った人による工事が必須となり、その工事費用もかかります。

蓄電システムを設置するための初期工事

蓄電池を設置するには、いくつかの工程を踏む流れになります。

事前の現場調査

まずは工事に入る前に現場調査が必要です。業者によっては見積りの時点で現場調査を行うことがありますが、実際の工事の前に調査します。導入する蓄電池を設置するのに十分なスペースが確保できるか、設置基準を満たしているかなどを確認していきます。

基礎工事

屋内に設置するか、屋外に設置するかによって工事の内容と日数は変わります。その上で、屋外に設置する場合はコンクリートで基礎を作り、蓄電池の安定した設置場所の確保をします。

その際、浸水といった水没が起こらないように十分な高さを設けることも重要な条件です。結果として、コンクリートの基礎が固まるのに数日を要します。最近では簡易基礎で取りつけ可能な蓄電池もあり、1日で工事が終了する場合もあります。

配線工事

機器の取り付け工事が終了した後、蓄電池、パワーコンディショナ、住宅分電盤、特定負荷分電盤をそれぞれつなげていく配線を進めます。また、太陽光発電と連携させる場合は太陽光発電用のパワーコンディショナと、蓄電池用のパワーコンディショナをつなぐ配線工事が必要になります。最近では、それぞれを一体化させたハイブリッド型のパワーコンディショナも登場しています。

蓄電池導入時に検討したい補助金

蓄電池はテクノロジーの進化に伴い、少しずつ値段が下がってきているとはいえ、高額な製品です。ただ電気代を抑えられること、災害に備えられること、そして環境にやさしいことと魅力的なメリットがあります。そこで、国や自治体が補助金を出していますので、蓄電池の導入時には活用したいところです。

国から交付される補助金(例)

蓄電池を設置する場合、国から交付される補助金は複数あります。また、予算が決まっているため、短期間で受付が終了する可能性があるので、事前に情報収集して計画的な申請をする必要があります。

  • こどもエコすまい支援事業 ※ZEH(=ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)補助金
  • 電力需給ひっ迫等に活用可能な家庭・業務産業用蓄電システム導入支援事業 
  • 蓄電池等の分散型エネルギーリソースを活用した次世代技術構築実証事業

自治体から交付される補助金

自治体によっては蓄電池の導入に補助金を出しているところがあります。都道府県や市町村が助成するものなど、地域や種類によってそれぞれ事情は異なります。こちらも国からの補助金と同様、早期に申請受付を終了してしまう可能性があるので、早い段階から情報収集をした上で、申し込む必要があります。

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