教育評論家 親野 智可等 (おやの ちから) 先生
長年の教師経験をもとにメルマガで勉強法や子育て法を提案し各メディアで絶賛される。『「楽勉」で子どもは伸びる!』など著書多数。全国各地の小・中学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会でも大人気。
自分の部屋ではなくリビングで勉強する子どもが増えています。そんな「リビング学習」を提唱しつつ、「子どもの将来は『親力』で決まる」をモットーに活動されている親野智可等先生に、上手なリビングでの学習の仕方や親の関わり方、片付け法など、どのように子どもの学習環境を整えていけばいいのか、お話を伺いました。
子育てに悩む親達へ心強いアドバイスをしている親野先生が「親力」をテーマに掲げたのには、教師時代のある“思い”からだそう。「子どもを学校でほめても、家では親からガンガン叱られているので、子どもは自己肯定感がなくなり、あえて悪いことをして親に愛情確認行動を起こします。子どもにとって親は環境そのもの。まずは親の力を総合的に上げていく必要性を感じました」。
リビング学習でも親の子どもへの接し方は重要です。「『勉強しなきゃダメでしょ』と親が否定すると、子どもは勉強が嫌いになります。叱るのではなく、親はまず子どもをほめること。そして見守ること。上手なリビング学習は『親力』にかかっています」。
親野先生のプロフィール
教育評論家 親野 智可等 (おやの ちから) 先生
長年の教師経験をもとにメルマガで勉強法や子育て法を提案し各メディアで絶賛される。『「楽勉」で子どもは伸びる!』など著書多数。全国各地の小・中学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会でも大人気。
※親野智可等先生の専門家としての見識をお伺いしております。親野先生がパナソニック商品を推奨しているわけではございません。
POINT.1親が見守ることで安心して勉強に集中!
リビング学習がいいのは、勉強していてわからないところがあると、すぐ親に聞けること。「ずっと横にいなくても、何か聞いたら答えられる場所にいると子どもは安心します。安心できるから集中できるという利点がリビング学習にはある」と親野先生は言います。
「教育心理学には『即時確認の原理』というのがあります。自分が勉強した成果をすぐ親に見せて「よく頑張ったね」と褒められると子どもはうれしいし、勉強が楽しくなる。逆に間違った場合も、すぐ確認して直せるので理解も早いし、記憶にも残りやすい。リビング学習はそういった点からも良いことづくめですね」。
POINT.2楽しみながら学べる「楽勉」のススメ
親の関わり方でやる気が芽生えた子どもの素質を開花させるために、親野先生がおすすめするのが「楽勉」です。生活や遊びの中でラクラクと楽しみながらできる勉強で、学習まんがや図鑑、かるたなどもそのひとつ。遊んでいるうちに、歴史や地理、星座などを覚えてしまうのがいいところ。楽しい、楽というのが最優先だとか。「リビングにはすぐ手に届く場所にこうした『楽勉』グッズや、知りたいと思ったときにすぐ調べられる図鑑や辞書を置いておくと良いですね」。子どもの知的好奇心をぐいぐいと引き出してくれそうです。
POINT.3進んで勉強するとっておきの方法
子どもが自主的に勉強を始めるコツを教えてもらいました。「帰宅したらすぐランドセルの中身をすべて広くて浅い箱に出しておくと、宿題をやるときに取りかかりやすくなります。できればプリント類をテーブルの上に出しておくと、子どもが遊びから帰ったらあとすぐに取りかかれる準備が整っているので、勉強へのハードルはグッと下がります」。
集中して勉強した後は、楽しい夕食の時間。リビング学習ではダイニングに勉強道具などが散らかりがちですが、「そこで叱るのではなく『よく頑張ったね』と褒めたあと、『お母さんも一緒に片付けてあげる。どっちが早いか、よーいドン!』とゲーム感覚にすると、子どもは率先して片付けるようになりますよ」。リビング学習では、学習道具の収納場所を住まいの計画時から予定しておくこともポイントです。
POINT.4勉強のスイッチが入る魔法のアイテム
リビング学習を成功させるために、いくつかオススメのアイテムを親野先生から教えていただきました。「アナログ時計の横に、紙で作った『模擬時計』を置き、その時計は勉強のスタート時間を指しておきます。すると自然と時間を意識するので、子どもが勉強モードに入りやすくなります。また、ホワイトボードには平日や休日など何パターンか時間割を作っておきます。これがあると『勉強はこの時間帯しかできない』と認識できるので、勉強のスイッチが入りやすくなります」。勉強している子どものりりしい写真をリビングに飾っておくのも、勉強のモチベーションが上がるそう。
また、快適な環境を整えるのも大切。子どもは大人と比べて意志が強くないので、快適でないと集中力が続かないからです。「手元が暗くならないあかりは必要。また、部屋が温まりすぎたり、空気が悪かったりすると頭がボーッとして集中できません。環境面を整えてはじめて子どもは勉強に集中できるのです」。親のちょっとした誘導やサポートが、子どものヤル気をアップさせるのですね!
※親野智可等先生の専門家としての見識をお伺いしております。親野先生がパナソニック商品を推奨しているわけではございません。