V2H購入者は20~30代が多い!調査データから見る購入者の属性と購入理由、購入時の困りごと(2023年9月時点 当社調べ)

MENU

V2H

電気自動車(EV)や太陽光発電の普及に伴い、昨今、それらを有効活用できるV2Hに注目が集まっています。一方で、「導入費が高いのでは?」「どんなメリットがあるの?」などの声が聞かれます。

そこで、10~60代を対象にV2Hに関する調査を行いました。実際、どのような人が、どのような目的で購入しているのでしょうか。また、購入を検討する際にどのようなことに困っているのでしょうか。

この記事では、調査データから見えてきた購入者の実態、導入検討の際に困ったことを紹介するとともに、V2Hの特徴やメリットについても解説します。

  • 本記事の調査データは「2023年9月時点 当社調べ」によるものです。
  • 本記事の調査データを当社の許可を得ずに再利用、複製、改変することは禁止します。

アンケート結果から見る、V2Hの購入者

V2Hの購入者はどのような人でしょうか。年代や家族構成、V2H購入を検討するきっかけなどから「V2H購入者はこんな家族」というイメージ像を紹介します。

年代

はじめにV2H購入者の年代についてチェックしてみましょう。V2H購入者でもっとも割合が高い年代は、30代の34.3%で3分の1以上を占めています。次いで40代の26.3%、20代の19.2%と続き、20~40代を合わせると約80%に上ります。

次に、V2H未購入者のうち「電気自動車(EV)の購入検討者」に目を向けてみます。理由は、V2Hを導入すると電気自動車(EV)のバッテリーを住宅用蓄電池として利用でき、災害時対策など購入メリットがあるからです。

まず、太陽光発電の保有者でもっとも割合が高いのは60代の32.6%で、次いで40代の30.3%、50代の18.2%となっており、V2H購入者に比べて年代が高い傾向が見られます。また太陽光発電の未保有者も、もっとも割合が高い年代は60代の37.6%で、次いで40代の25.5%、50代の24.2%となっており、太陽光発電の保有者と同様の傾向があります。

このことから、V2H購入者は20~30代で50%以上を占め、V2H未購入の半数を超える50~60代も電気自動車(EV)の購入は検討している傾向がうかがえます。

V2H購入者 世代状況 V2H未購入者 世代状況

家族構成

次に、家族構成をみましょう。まず、V2H購入者は、「大人2人+子どもあり」が突出しており、60.6%を占めています。次いで、「大人2人+子どもなし」が15.2%で、「2世帯以上+子どもあり(大人3人以上)」が13.1%と続きます。

また、「大人2人+子どもあり」という家族構成がもっとも高い割合なのは、V2H未購入者も同様です。V2H未購入者について詳しく見てみると、太陽光発電の有無にかかわらず、「大人2人+子どもなし」も「2世帯以上+子どもあり(大人3人以上)」も電気自動車(EV)の購入は検討している傾向にあります。

V2Hの購入者と未購入者 家族構成の状況

駐車スペース

ここで、駐車スペースについてはどうでしょうか。V2H購入者では、1台分保有がもっとも割合が高く31.3%、次いで2台分保有が30.3%となっており、2つを合わせると約62%に上ります。

また、V2H未購入のうち「電気自動車(EV)の購入検討者」を見てみましょう。太陽光発電を保有する場合は、2台分保有がもっとも割合が高く37.1%、次いで3台保有が30.3%で、2台分以上の駐車スペースを持つ人が84.8%に上っています。

一方、太陽光発電未保有の場合は1台分保有がもっとも割合が高く30.3%、次いで2台分保有が29.1%となっており、合わせて59.4%に上ります。いずれも電気自動車(EV)の購入検討者は駐車スペースを持っている傾向にあります。

V2Hの購入者と未購入者 駐車スペースの状況

V2H購入を検討するきっかけ

続いて、V2H購入を検討するきっかけをチェックしてみましょう。検討のきっかけは「戸建てを購入したこと」が全体の33.3%を占めていました。そのうち「太陽光発電の設置あり」も39.7%と断トツの1位でした。

一方、「太陽光発電の設置なし」の場合は「停電対策のため」が23.5%で1位となり、太陽光発電の設置の有無で、V2H購入検討のきっかけが異なっていることがわかります。ただ「戸建てを購入したこと」が20.6%、次いで「光熱費削減のため」が17.6%となっており、V2H購入検討のきっかけとして電気代を気にしている傾向にありそうです。

V2H購入のきっかけ 太陽光発電設置状況別

V2Hシステムの認知度

では、V2Hシステムの認知度はどの程度でしょうか。自動車購入を検討している人を確認すると電気自動車(EV)の購入検討者はV2Hの「内容認知」が58.1%、「名称認知」が72.1%と、ガソリン車の購入検討者やハイブリッド車の購入検討者に比べてもっとも割合が高くなっています。

太陽光発電設置の有無をチェックすると、「設置あり」は「内容認知」が44.0%、「名称認知」が56.1%あり、「設置なし」を大幅に上回っています。以上の結果より、V2Hシステムの認知率は電気自動車(EV)の購入を検討していて、太陽光発電の設置している人が高いことがわかります。

V2Hの認知状況

電気自動車(EV)の使用目的

最後に、電気自動車(EV)の使用目的を見てみましょう。電気自動車(EV)を保有している人も購入を検討している人も、平日・休日を合わせての「街乗り送迎」がもっとも割合が高く、それぞれ69.7%と58.6%に上ります。

また、保有者も購入検討者も「街乗り送迎」に次いで2番目に多いのは、平日が「通勤通学」、休日が「旅行レジャー」でした。

電気自動車(EV)の使用目的 保有者と購入検討者の状況

購入者はこんな家族

これまでの調査データをまとめてみましょう。V2H購入者でもっとも割合が高い年代は30代で、家族構成は「大人2人+子どもあり」、購入検討のきっかけは「戸建てを購入したこと」でした。

太陽光発電設置の有無に目を向けると、V2H購入者は「設置あり」が「設置なし」を大幅に上回っています。電気自動車(EV)の使用目的は「街乗り送迎」がもっとも多いのですが、平日は通学通勤、休日はレジャーに使う人も少なくありません。

たとえば、V2H購入者の家族イメージを描くと次のようになります。

購入者はこんな家族

子どもがいる30代の夫婦で、子どもが大きくなり、賃貸マンションが手狭になってきたので、戸建ての購入を検討し始めています。電気自動車(EV)を所有しており、「街乗り送迎」を中心に平日は通学通勤、休日はレジャーにも使っています。

このような生活を送るなか、V2Hを知ったのは住宅展示場で、担当販売員から太陽光発電設備を紹介されたタイミングです。電気自動車(EV)や太陽光発電の有効活用法として、V2Hの特徴やメリットの説明を受けたからV2Hの購入に興味を持ったイメージです。

購入者が語るV2Hシステムをおすすめする理由

このテーマでは、実際の購入者がV2Hを勧める理由について調査データをもとに紹介します。

V2Hシステムの推奨度

V2Hの購入者のうち、「推奨したい」という人は53.5%と半数以上を占めています。一方、「推奨したくない」という人は3%にとどまっています。実際に「推奨したい」と回答した人からは、次のような声が聞かれました。

  • 電気代の軽減と車の維持費の安さ(40代男性・太陽光設置あり)
  • 電気代の節約になりそうだから(30代女性・太陽光設置なし)
  • かなりの額の補助金が出ること、不測の事態に自分で備えるのは強みになるため(30代女性・太陽光設置あり)
  • ブラックアウトを経験したので、その備えとして(40代女性・太陽光設置なし)

V2Hを導入した目的

次に、V2Hを購入した際の目的はどのようなものでしょうか。もっとも割合が高いのは、太陽光発電の設置がある場合は「太陽光発電の余剰電力を活用するため」で34.9%あり、「家庭の電力コストを削減するため」が20.6%と続きます。

一方、太陽光設置がない場合には「家庭の電力コストを削減するため」が26.5%で1位、次いで「非常用電源として活用するため」が20.6%で2位となっています。つまり、太陽光設置の有無によって導入目的が異なっています。

V2H購入の目的 太陽光発電設置状況別

V2Hの検討で困ったら迷わず専門家に相談

V2Hの購入場所や購入の相談先についてアンケート調査をすると、購入者は「太陽光発電設置時に利用した販売店」や「電気自動車(EV)購入時の自動車ディーラー」などに相談しています。そこで、V2Hの購入場所と相談先について紹介します。

V2Hの購入場所について

まず、V2Hの購入場所は「太陽光発電設置あり」では、約半数(46%)が太陽光発電設置時に利用した販売店でV2Hを購入しています。一方、「太陽光発電設置なし」では、電気自動車(EV)購入時の自動車ディーラー(23.5%)、その自動車ディーラーから紹介された販売店(20.6%)と、電気自動車(EV)購入時の自動車ディーラー関連が多い傾向が見られます。

V2Hの購入場所 太陽光発電設置状況別

V2H購入時の相談先について

次に、購入時の相談先はどうでしょうか。「太陽光発電設置あり」では、太陽光発電設置時に利用した販売店が多く(34.9%)、それに対して「太陽光発電設置なし」では、電気自動車(EV)購入時の自動車ディーラー(20.6%)が一番、割合が高くなっています。

V2H購入時の相談先 太陽光発電設置状況別

V2H購入者は検討時に困ったとき、太陽光発電設置時に利用した販売店や自動車ディーラーなど専門知識を持った人に相談していることがわかります。

購入者の多くは戸建てや電気自動車(EV)の購入時にV2Hを検討

このテーマでは、V2H導入を検討したきっかけと導入のメリットを見ていきます。

V2H検討のきっかけは戸建て、太陽光発電、電気自動車(EV)の購入時

まず、V2H検討のきっかけは何でしょうか。アンケート結果から、1~8位までのランキングを確認してみます。

1位 戸建てを購入したこと(33.3%)
2位 停電対策のため(17.2%)
3位 自宅に太陽光発電を設置したこと(15.2%)
4位 電気自動車(EV)を購入したこと(11.1%)
4位 光熱費削減のため(11.1%)
6位 太陽光の固定買取期間満了(6.1%)
7位 友人・知人がV2Hシステムを購入したこと(4.0%)
8位 その他(2.0%)

結果を確認すると「戸建てを購入したこと」が検討のきっかけになった人が約3分の1を占めています。2位が「停電対策のため」の17.2%、3位が「自宅に太陽光発電を設置したこと」の15.2%、同率4位が「電気自動車(EV)を購入したこと」「光熱費削減のため」の11.1%と続きます。

特に2~4位の結果については、V2H導入のメリットと結びついています。そこで、V2H導入のメリットを紹介します。

V2Hを導入するメリット

V2Hを導入する主なメリットとして、次の4つが挙げられます。

1.充電スピードが速い

一般的な普通充電は200Vコンセントの充電電力が3kWであるのに対して、V2Hは充電電力が最大6kWと2倍あります。

2.電気代が節約できる

V2Hを活用すると夜の時間帯に充電した割安な電力を、電気代が高い昼の時間帯に回すことでき、電気代を節約することが可能です。

3.災害・停電時に蓄電池として利用可能

V2Hを導入すれば、電気自動車(EV)のバッテリーを蓄電池として利用できるため、災害時に停電になった場合も安心です。電気自動車(EV)のバッテリーは住宅用蓄電池より容量が大きいこともメリットです。

4.太陽光発電と相性がいい

当社V2H(太陽光蓄電池連系型)は、太陽光電池モジュールで発電した直流電流をそのまま電気自動車(EV)に充電できます。また、太陽光発電とV2Hを連携すれば電力変換のロスを少なく、電気自動車(EV)を効率よく充電できます。

V2H購入検討時の困りごと

このテーマでは、V2Hの購入を検討する際に考えられる困りごとについてアドバイスとともに紹介します。

1.導入費用について

V2Hを導入する際の初期費用について不安に思う人もいるかもしれません。まず、導入初期費用は大きく分けて設備費用と工事費用の2つです。

設備費用はメーカーやモデルによって異なりますが、50万円~300万円前後が一般的です。また、工事費用についてはエリアやタイミング、依頼する工事会社によってさまざまなため、一概にはいえません。

ただし、V2H導入については国や自治体の補助金を利用できます。

【アドバイス】国や自治体の補助金を利用
V2Hの補助金には、大きく2つの種類があります。経済産業省から交付される補助金と、都道府県や市区町村などの地方自治体から交付される補助金です。

経済産業省の補助金は、EV充電設備を対象としたもので、「クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てんインフラ等導入促進補助金」(通称「CEV普及インフラ補助金」)と呼ばれています。

補助金の申請先は電気自動車(EV)車両の「CEV普及インフラ補助金」を管轄している次世代自動車振興センターです。ここ数年は毎年度交付されており、V2Hも補助の対象設備に含まれています。

ちなみに、2023年度の「CEV普及インフラ補助金」は「設備費」と「工事費」で助成が受けられました。購入するV2Hによって助成額は異なりますが、以下のようになっており、最大115万円の補助金が受けられました。

設備費:上限を75万円として機器購入費の2分の1
工事費:上限40万円で全額補助

次に、地方自治体からのV2H補助金は、都道府県や市区町村が交付するもので、いずれも補助金を設定している場合があり、助成額は各自治体によって異なります。

また、「CEV普及インフラ補助金」と併用できるケースもあります。「CEV普及インフラ補助金」と自治体のV2H補助金を併用できれば、初期費用の負担を抑えることができますので、事前に、住んでいるエリアの自治体にV2H補助金があるか確認しましょう。

2.V2Hの設置スペースについて

次に、V2Hの設置スペースについてです。ケーブルの長さや電気自動車(EV)の充電口の位置によっては、ケーブルの取り回しに苦慮したり、通行の邪魔になったりしかねません。また、設置スペースが十分でないとV2H機器のメンテナンスができない場合もあります。そのため、V2H設置にはスペースが必要です。

【アドバイス】事前に工事会社などに相談
V2Hの設置には、駐車する電気自動車(EV)との位置関係や使い勝手を考慮しておくことが重要です。設置場所については、依頼する工事会社などに事前に相談し、購入の条件に加えることをおすすめします。

3.V2Hの仕組みや効果について

最後に、V2Vの仕組みや効果に関する困りごとです。

【アドバイス】V2Hの仕組みを紹介
V2Hとは「Vehicle to Home」の略称で、日本語に訳すと「クルマから家へ」という意味です。V2Hを利用すれば、家庭内と電気自動車(EV)の間で双方向の電気のやりとりが可能になり、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)のバッテリーに貯めている電力を、自宅で使えるようになります。

V2hあり:電力が「家とクルマとの間を双方向」で流れる V2Hなし:電力が「家からクルマへ」と一方通行でしか流れない

つまり、V2Hとは、電気自動車(EV)を蓄電池として利用できる機能を備えたEV充電設備です。快適な電気自動車(EV)ライフを過ごすには、EV充電設備が不可欠です。今後は電気自動車(EV)が主流になるため、充電設備を整えることは生活コストや利便性を考慮すると重要です。

V2Hには、太陽光蓄電池連系タイプと単機能タイプの2つのタイプがあります。まず、太陽光蓄電池連系タイプは、太陽光発電、蓄電池、電気自動車(EV)を連携できるのが特徴です。

太陽光蓄電池連携タイプ 電気の流れ

たとえば、太陽光発電による余剰電力がある場合、蓄電池や電気自動車(EV)に充電でき、さらに余った電力を売電することができます。太陽光蓄電池連系タイプは太陽光発電による余剰電力をより有効に活用することを可能にします。

太陽光蓄電池連携タイプ 電気の流れ

ほかにも、昼間に電気自動車(EV)が家にない場合、太陽光発電の余剰電力を蓄電池に貯めておけば、夜にその電力を電気自動車(EV)に充電することができます。

単機能タイプ 電気の流れ

一方、単機能タイプは電気自動車(EV)と家庭内をつなぎます。太陽電池と連携できるものもありますが、太陽光で発電した直流の電気を一度パワーコンディショナで交流に変換してからV2Hで直流に変換し、電気自動車(EV)に充電するため、太陽光蓄電池連系タイプより変換ロスが多く発生します。

V2Hの購入を検討する場合、太陽光蓄電池連系タイプがおすすめです。

【アドバイス】V2Hの効果を紹介
V2Hの効果について、まず燃料費のコストを比べてみましょう。年々、ガソリン代が高騰しており、10,000km走行の場合を比べてみるとガソリン車より電気自動車(EV)の方がコストを抑えられます。

ガソリン代と電気代の比較

たとえば、ガソリンが1L183.7円、1Lあたりの走行距離が15kmの場合、電気自動車(EV)の方が75,030円もコスト削減できます。

次に、電気代に関してはどうでしょうか。V2Hがあれば電気自動車(EV)を蓄電池として利用できるので電力会社から購入した電力だけでなく、太陽光発電でつくった電力を電気自動車(EV)のバッテリーに蓄電しておき、自宅で使うことも可能です。

たとえば、太陽光発電による電力を昼間に貯めておいて夜間に使ったり、逆に電力会社から夜間に安く購入した電力を昼間に使ったりすることが可能なので、長いスパンで見れば節電効果が見込めます。

おすすめ記事一覧

閉じる

今すぐリフォームを始めたい方

リフォーム会社探しを相談したい

近くのリフォーム店を探したい

実物を見ながら検討したい

Panasonicの住まい・くらし SNSアカウント

  • すむすむ公式 Facebook
  • すむすむ公式 X
  • すむすむ公式 Instagram
  • すむすむ公式 LINE
  • すむすむ公式 Youtube