人が動きやすく、光も風もよく通る
「フレキシブル動線」の住まい
リノベーションのきっかけ:
U様邸があるのは、築22年を迎えたマンションの最上階。海・川を望む角部屋で日当たりや通風に恵まれた住まいです。お子様の独立後、使わなくなった個室をどうするか悩んでいた頃、マンション内でリノベーションがあり、見学したご夫婦は「マンションでここまで大きく間取りを変更できるのか!」と驚かれるとともに、ライフスタイルそのものが変わるワクワク感を持ち、リフォーム検討をスタートされました。
DATA
- 建物構造
- マンション
- 家族構成
- ご夫婦2人
- 施工面積
- 約95m2
- リフォーム部位
- フルリノベーション
- 費用
- 約2,140万円(税抜)
生活動線
複数の動線をつくり、
人も風も光も通りやすく
部屋と収納はすべて
いろいろな方向からアクセスできるように
U様のお悩みは、ご夫婦だけになった後も子供室・物置部屋・ロフトなどがそのままの状態で、ほとんど活用されていないことでした。「物置部屋は箪笥で占領されていて暗く、使わないものが溜まっている状態でした。子供室やロフトはほとんど足を踏み入れることがなく、生活で使うのは家全体の数割程度。住まいを隅々まで活用できれば、もっと生活空間が広くなるのではと思ったんです」。そんな思いから、ご夫婦は間取りを大胆に見直すリフォームをすることを希望されました。
そこでTPOに合わせて柔軟に使い方を変えられるプランを検討。各部屋と収納に複数の動線を設け、いろいろなルートで家の中を行き来できるようになりました。玄関には来客用・家族用と通路を2つ設け、お客様はそのままリビングへ、ご家族はランドリールーム・洗面室を通ってリビングやキッチンへと抜けられるようになっています。「買い物からの帰宅時は、洗面室で手洗いをしてリネン庫にストック品を収納し、そのままキッチンに食材を持ち込める。一筆書きの動線で完結するのでとてもラクです。また、リビングと寝室の間にあるウォークインクローゼットは2方向からアクセスできるようになっています。両方の扉を開けたままにすれば、通路に早変わり!わが家を隅々までフル活用できます」と奥様もにっこり。
各部屋だけではなく、収納も2方向からのアクセスを可能に。動線が短くなるだけではなく、さまざまな使い方ができるようになりました。
玄関は扉正面の来客用玄関と、内側の家族用玄関を設置。内玄関は洗面室・パントリーにつながっているので帰宅後の手洗いや片付けもスムーズになりました。
家族用通路、キッチン、リビングの3方向につながる洗面室。浴室や洗濯機スペースとも直結しているため家事動線もスムーズ。洗面ドレッシング『Lクラス ドレッシング ラシス』の本体キャビネットはオープンタイプを採用し、ホテルライクに仕上げています。
1年を通して室温が変化しづらい北側の内玄関にはご主人用のワイン収納も設置。キッチンと玄関の間にあるため、ご自宅で楽しまれる際も、手土産として外出時に持参される際もスムーズ。「以前はワインが家のあちこちに仕舞い込まれていたので見つけ出すのもひと苦労。今はTPOに合わせて目当てのワインをさっと取り出せます」とご主人。
クローゼットには収納システム『アイシェルフ』を採用。洋服パイプと、布団類も収納できる棚板を組み合わせています。2方向から出し入れできるため奥に使わないものが溜まることがなく、ワードローブがフル活用できるようになったそう。
角部屋ならではの光と風が
家じゅうで楽しめるように
収納と部屋に複数の動線をつくるプランは、もう1つ大きなメリットをもたらしました。すべての引戸を開け放っておけば、室内に入ってきた光・風が遮られず家の奥まで届くようになったのです。「以前は物置として利用していた部屋が暗く、空気もこもっていて……日々の衣類の出し入れさえ憂鬱に感じるほどでした。でも今はどの収納場所も明るい上に風通しが良く、ストレスなく気軽に出し入れができるんです」とご夫婦は口を揃えられます。収納の扉を開け放つことで光と風の通り道ができ、家じゅうが明るさと爽やかさで満ちるようになりました。
さらに、各個室に設けた引戸の開閉を組み合わせることで、部屋の使い方をアレンジできるのもご夫婦のお気に入り。通路を部屋として使ったり、リビングの一角をゲストルームとして独立させたりと、柔軟な使い方ができます。普段の生活も、来客時も、さまざまなシーンに合わせて便利に心地よく使える生活動線を実現されました。
ロフトへの上り下りは、はしごを撤去して階段に変更。両手を使わずに昇降できるため、大きなものやかさばるものの出し入れが格段にラクに。季節の家電、お子様の思い出の品などの収納に活用されています。
奥様の寝室(写真左・奥)とリビング(写真左・手前)の間にも通り抜けられるウォークインクローゼットを設けています。普段は両側にある引戸を開け放ち、人と光と風の通り道に。寝室横の洋室(写真右)はご主人の寝室。ご主人のご帰宅が夜遅いときは引戸を閉め、生活音の気兼ねを和らげています。
外からの目線を遮りながら、やさしい陽光と心地よい風を通せるように上下可動の障子をオーダーでつくられました。寝室、和室、キッチンに採用されています。