2025/07/04
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太陽光パネルの価格相場の目安とコスパを重視して設置費用を抑えるコツ
太陽光発電を自宅に設置することで、家庭で使う電気を自家発電でまかなうことができます。
毎月のように電気代の値上げが続いていますが、自宅で発電できるようになると気にする必要がなくなります。
しかし「太陽光発電システムの設置費用は高いから」と諦めた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
最近では太陽光パネル(ソーラーパネル)の価格が下がってきたため、太陽光発電システムの導入費用全体も大幅に下がっています。
太陽光発電の現状、価格相場の目安、導入のメリット、導入後のメンテナンス、設置費用を抑えるポイントなどについて詳しくお伝えします。
その他の省エネのリフォーム事例や費用相場などについて詳しく説明しているページはこちら太陽光発電システムの現状
太陽光発電を設置して自宅で発電ができるようになると、さまざまなメリットが得られます。
節電と売電収入が得られるといった金銭面なのメリットはもちろん、災害時に停電が起こった場合でも自家発電した電気を利用することができます。
太陽光で発電した電気を利用することで、環境にやさしいライフスタイルを実現することができます。
住宅用太陽光発電システムの詳細はこちら
新築戸建てに義務化された太陽光発電設備
2025年4月から東京都や神奈川県・川崎市で新築住宅等への太陽光発電設備の設置が義務化されました。
東京都は2030年までに、都内の温室効果ガスを50%削減する「カーボンハーフ」を目標に掲げています。そのため、大手ハウスメーカー等の新築住宅等を中心に、太陽光発電設備の設置を義務付ける制度が創設されました。
各自治体では、太陽光発電設備を含む環境関連の取り組みを進めています。今後も太陽光発電義務化が策定される自治体は増えていく可能性があります。
最新の太陽光発電システム設置の価格相場とは?
以下は、太陽光発電システムの設置にかかる価格の相場です。
| 年度 | 1kwあたりの設置費用平均 |
|---|---|
| 2021年 | 27.1万円 |
| 2022年 | 26.9万円 |
| 2023年 | 28.8万円 |
| 2024年 | 28.6万円 |
| 2025年予想 | 25.5万円※ |
- ※2025年は想定値
年々、太陽光発電システムの設置費用が下がってきています。
1kWあたりの設置費用の内訳は経済産業省のデータによると、太陽光パネルの費用分が約47%、その他工事費などが約29%を占めています。(新築の場合)
住宅用の太陽光発電設備の容量が5kWの場合、2025年度予想の設置費用平均が1kWあたり25.5万なので、設置費用は127万円。10kWの場合、設置費用は255万円になります。
太陽光発電システムを導入するメリット
この章では、太陽光発電システムをご自宅に設置するメリットについて解説します。太陽光発電を導入することで、電気代の節約だけでなく、停電時に電気が使えるなど安心にもつながります。詳しく紹介します。
以下の記事でも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
電気代の節約と売電収入で二重にお得
太陽光発電システムを自宅に設置すると、家庭で使うすべての電力を自家発電でまかなえる可能性があります。電力会社から電気を買う必要がなくなるかもしれません。さらに余った電気は買い取りしてもらえます。
太陽光発電システムを設置すると、電気代の節約と売電収入の両方のメリットが得られます。
在宅される時間が多い方ほど、節電のメリットは多くなり、電気代の節約につながります。
売電収入に関しては、2024年度のFIT固定買取価格は税込16円、2025年度は、15円です。
FIT制度とは、再生可能エネルギーで発電した電気を一定の価格で一定期間電力会社に買い取ってもらえる仕組みのことです。10kW未満の太陽光発電システムについては、発電した電力のうち家庭で使わず、余った分を電力会社へ売ることができます。
FIT固定買取期間でみると、発電量が年間3,408kWhの場合、売電価格が16円/kWhであれば、年間約5.45万円の収益になります。
発電量は地域や季節、天候、屋根や建物周辺の状況によって異なります。
自家消費による電力購入量の削減効果をみると、削減量が年間1,588kWhの場合で、購入電力価格が26.46円/kWhの場合は、年間約4.20万円の削減になります。
- ※ 太陽光発電システムの発電量(自家消費分、売電分)は、以下の住宅条件に基づき建築物省エネ法エネルギー消費性能計算プログラム ver3.5.0により算出。 住宅条件:6地域/A3区分/延面積 120.08 ㎡/UA0.59/ηAC2.1/ηAH4.3/BEI0.69(PV による削減効果を除外)/ルームエアコン(い)/換気比消費電力0.3/CO2HP 風呂給湯機 JIS3.0・追焚き/台所水栓水 優先/浴室水栓手元止水・小流量/洗面水栓水優先/高断熱浴槽/ LED 調光あり/太陽光発電結晶シリコン・屋根置き・南向き・傾斜角30度
- ※ 電力の一次エネルギー換算係数 9.76GJ/千 kWh。
- ※ 自家消費分の便益、FIT 調達価格、調達期間終了後の売電価格は、いずれも「令和6年度以降(2024年度以降)の調達価格等について」(調達価格等算定委員会、2024年2月7日)に記載された2024 年度の値による。
FIT制度については資源エネルギー庁のHPをご覧ください。
災害時にも強い太陽光発電システムによる自家発電
地震や台風、大雨でも停電になることがあります。また、大きな災害が起こり停電すると、復旧するまでに数週間かかる場合もあります。
太陽光発電システムと蓄電池があれば、日中は太陽光発電システムでつくった電気を使い、夜間は蓄電池に貯めた電力を使うことができるため、災害にも強い安心の住まいになります。
二酸化炭素削減で環境配慮型の暮らしへ
二酸化炭素(CO2)排出量の増加は、地球温暖化の最大の原因となっています。
太陽光で電気を発電した分、火力による電気の発電を減らしたと仮定すると、1kWhあたり約650gのCO2を減らすことができます。また、
1kWの太陽光発電システムの年間発電量は約1,000kWhと言われています。3kWの太陽光発電の場合、年間発電量は約3000kWhです。太陽光で電気を発電すると650g×3000kWh=年間1,950kg前後のCO2を削減できます。※
ただし、約1,000kWhというのは、あくまでも目安になるので、実際には設置する地域やパネルの向き、パネルの種類、付属機器の効率、周辺環境などによって異なります。
- ※出典:クール・ネット東京より
2050 年に CO2(二酸化炭素)を実質ゼロにすることを目指し、取り組む自治体も増えています。都道府県や市区町村によって、太陽光発電システムの導入に補助金が活用できる場合もあります。太陽光発電を設置する場合は、事前に調べておくといいですね。
太陽光パネルを含めた太陽光発電設備のシステム構成
太陽光発電システムは太陽光パネル(ソーラーパネル)が主要な設備ですが、システム全体を稼働させるためには付帯の設備が必要となります。
太陽光発電1kwあたりの設置費用の内訳
太陽光発電の1kWあたりの価格は「kW単価」といった呼び方をします。
kw単価=設置費用総額÷パネルのkw数
kw単価は、上記の方法で計算できます。
kw単価を比較することで、太陽光発電システムが他社と比べて割安なのか、割高なのかの判断材料にすることができます。
| 太陽光発電設備の各内訳の価格相場 | |
|---|---|
| 太陽光発電システム各内訳 | 1kWあたりの設置費用の内訳 |
| 太陽光パネル | 14.7万円 |
| パワーコンディショナ | 4.7万円 |
| 架台 | 3万円 |
| その他の設備 | 0.3万円 |
| 工事費 | 7.6万円 |
太陽光パネル
メーカーや種類によって発電効率や耐久性が異なります。
積雪量の多い地域や、塩害リスクがある場合は、固定方法、耐荷重、素材などがお住まい地域の自然環境に対応した製品を選んでください。
パワーコンディショナ
太陽光パネルで発電した電力を直流から交流へ変換する装置です。太陽光パネルの性能の良さは変換効率の高さを意味しています。
停電時に自動で自立運転に切り替わる「連系自立自動切替」機能が搭載されていれば、操作不要で自立運転コンセントから電源を取ることができるので、安心です。
架台
太陽光パネルを支える土台です。
積雪量の多い地域なら重さに耐えられる耐久性の高いものを選んでください。
その他
発電モニタ、接続箱、ケーブルなどが必要です。
太陽光発電システムの導入価格の違いについて
太陽光発電システムを導入する場合、想定していたより設置費用が高くなる場合があります。太陽光パネルの設置数や、設置工法などによって価格が変わるため、事前に見積もりで確認しましょう。
太陽光パネルの設置面積の違い
太陽光パネルは、屋根の大きさや、向きなど、設置する場所によって必要なパネル数が大きく異なります。
当然ながら、屋根面積が広くなると、設置工事に必要な工程も増加しますし、原材料費も高くなります。
また、複数の場所に分けて設置する場合には作業工程が増えるため、費用も増加します。見積もり時にしっかり確認しましょう。
足場の有無
太陽光パネルの設置作業では、作業の効率性や安全性を重視しているため多くのケースで「足場」を設置して作業を行います。
足場の費用は、家の面積や設置する高さによって金額が異なります。また、施工会社によって足場代は変動します。足場を使わない作業は少なく、必要面数・面積が広い場合ほど、足場をよく利用することから、足場の費用をカットするのは難しいと考えるべきでしょう。
設置工法の違い
太陽光パネルを設置する場合、いくつかの設置工法があり、工法の違いによって価格が上がることがあります。瓦屋根に設置する場合の設置工法は、屋根材によって異なります。
他社との相見積もりで価格が大きく異なる場合は、太陽光パネルの設置工法もチェックするポイントです。
費用対効果をしっかりと考えた太陽光発電システムの導入
太陽光発電システムの導入には初期費用がかかります。また、余剰電力を売電しても、思っていた発電量にならないことがあります。実際の発電量は、設置する地域や天候、方角、周囲の状況によって異なります。設置前に、専門家に実際の発電量を見積もりしてもらいましょう。
1kwを設置するために必要な費用の目安
太陽光パネルを含めた太陽光発電システム全体の設置導入にはそれなりの費用がかかります。初期費用が高額なのはもちろん、その価格には大きな幅があります。
また、設置面数や設置面積の違いがあるため、発電量での比較は難しくなります。
そこで着目したいのが、「太陽光発電システム1kWを設置するために必要な価格」です。この価格を比較するとわかりやすくなります。
この価格は「最新の太陽光発電システム設置の価格相場とは?」の項目でもご説明したように、2025年度の予想では、1kWあたりの設置費用平均は25.5万円がとなっています。
戸建ての太陽光発電システムの平均設置容量が4.5kWの場合、約114万円前後であれば、平均的な設置費用に収まっています。
太陽光パネルの種類の違いによる価格差
住宅で使われる太陽光パネルは、大きく分けるとシリコン系と化合物系の2種類があります。住宅用には、発電効率に優れたシリコン系がよく採用されています。
シリコン系の特徴
シリコン系は発電効率が高い製品から低い製品まで幅広くラインナップされています。
シリコン系の中で結晶シリコンは、住宅用・産業用ともに最も普及しています。
化合物系の特徴
化合物系はシリコンの代わりに複数の元素を混ぜ合わせた化合物を用いて太陽光パネルの材料にしたものです。
シリコン系では太陽光による温度上昇で変換効率が悪くなるというデメリットがありますが、化合物系は、高温環境下でも出力効率が落ちにくいという特徴があります。
費用対効果を考え賢く太陽光発電システムを選ぶ
太陽光発電システム設置のメリットの一つに、「余った電力を売って売電収入が得られること」を挙げました。ただし、懸念点として、電力の売電価格が年々下がってきていることがあります。
売電価格は下がっていますが、太陽光発電システムの設置費用も下がっていますので、使用期間なども考えて最適な太陽光発電システムを選びましょう。
太陽光発電システムの設置費用を抑えるコツ
この章では、太陽光発電システムの設置費用をできる限り抑えるコツについて解説します。
太陽光パネルは新築時に設置する
太陽光発電システムを設置するなら新築時が最も安く設置できるタイミングです。
新築時なら、太陽光発電の設置にかかる費用も住宅ローンでカバーでき、配線工事や足場のための工事費などもまとめて対応できます。
自治体の補助金をしっかりと活用する
太陽光発電システムは国や自治体の補助金制度の活用もおすすめです。
太陽光発電だけで補助金制度がない場合でも、蓄電池と一緒に設置するなど、住まいをZEHにすることで、ZEH支援事業の補助金が利用できる場合もあります。
国の補助金制度なら、経済産業省の資源エネルギー庁、環境省などのサイトを見て最新情報を参考にするようにしましょう。
お住まいの自治体の補助金制度は、各自治体のサイトや窓口などで確認できます。各自治体によって補助金制度の内容が異なるので、実際に窓口に問い合わせてみることをおすすめします。
詳しくは以下の記事をご覧ください
蓄電池を併用する
太陽光発電システムを導入する際に、蓄電池を一緒に導入するとさらに電気代が節約できます。蓄電池があると、太陽光発電でつくった電気を貯め、発電できない時間に貯めた電気を使うことができます。
詳しくは以下をご覧ください。
太陽光発電の費用対効果をシミュレーションすること
太陽光発電の費用対効果を計算したい方はシミュレーションツールを活用するといいでしょう。
事前に太陽光パネル設置のコストパフォーマンスをシミュレーションしておくことで、安心して設置することができます。
費用対効果を高めるためのポイント
費用対効果を高めるためのポイントは、初期費用をできる限り抑えることです。
メーカーによっては、初期費用が無料で月々定額のリースで太陽光発電システムを導入できるサービスを提供しているところがあります。
リースであっても、余った電気は売電することができます。リースの場合、保守整備点検の費用負担は利用者が負担するケースが多いので、事前に確認しておきましょう。
購入する際は、長く使うために、メーカーの保証期間が長いものを選ぶといいですね。太陽光モジュールは保証期間だけでなく、周辺機器も保証期間が長いのものが安心です。
また、自然災害に関する保証や任意で加入する保険などもチェックしましょう。
ソーラーローンの利用
ソーラーローンの利用も可能です。
現金一括で支払うケースは逆に少なく、半数近くがソーラーローンを組んで太陽光発電システムを導入しています。
ソーラーローンを利用したとしても、電気代の削減と売電収入で、月々の返済の負担を大幅に減らすことができます。ローン完済後は、売電収入が全て利益となります。
相見積もりで価格を比較する
太陽光発電システム設置の工事会社はたくさんあります。複数の会社に見積もりを依頼して、内容や価格を比較しましょう。
太陽光パネル設置費用が価格相場が大幅に安くなることはありません。また、価格の高すぎる提案内容や詐欺業者にはご注意ください。
直接施工を行う太陽光発電の工事会社を探すこと
太陽光発電システムを自社施工できる会社は、施主が直接工事を依頼することになるため、販売店経由の工事依頼よりも安くなることが一般的です。
太陽光発電システム設置後のメンテナンス費用
太陽光発電システムは、初めて設置する場合、さまざまな手続きや工事が必要ですが、設置後もきちんとしたメンテナンスが必要です。
設置後に故障すれば、無償で修理してもらえるのか、保証期間の内容や期間、メンテナンス方法など、太陽光発電設置後のメンテナンスやその費用等について解説します。
太陽光発電システムの定期点検の必要性と適切な時期
太陽光発電システムは、長期間安定して稼働させるために定期メンテナンスをする必要があります。
さらに「FIT認定」を受けた太陽光発電は、2017年に改正された「FIT法」に基づいて、定期メンテナンスが義務化されています。
太陽光発電に関するメンテナンスは、専門の施工会社でなければ対応できないケースがあります。メンテナンス費用も全て無料というわけではありません。
経年劣化すれば、保証対象外の補修や消耗品交換も増えますので、売電収入から将来のメンテナンス費用を予算として確保しておきましょう。
メンテナンスの頻度は、設置後1年目に初期不良の確認を行い、その後は4年に1回点検を行うようにします。
また、太陽光発電の部品の保証(10年)、出力保証(20年や25年など)の保証が切れる前のタイミングで劣化具合を確認し、補修すべき故障箇所がないかどうか確認してもらうようにしましょう。
沿岸部などの潮風で塩害が起きやすい地域、落雷や積雪が多い地域など自然環境が厳しい地域ではメンテナンスの頻度を高めると安心です。
総合メンテナンス費用
メンテナンス費用は、設備や取り付け方法などによっても異なるので、詳細は見積もりを取ることをおすすめします。
保険料
落雷での故障や、豪雨の土砂崩れなど、自然災害が原因の故障は、メーカー保証の対象外となる場合があります。そのため、住宅火災保険など保険に入っておくと安心でしょう。
解体撤去費用
太陽光パネルや発電システム全体を処分したい場合は、撤去・解体の専門の会社に依頼する必要があります。
将来は解体撤去費用が高額になることが予想されるため、出力10kW以上の太陽光発電システムに関しては、廃棄費用の積立が義務化されています。
解体撤去費用の積立は、FIT期間終了年の10年前からとなっています。売電収入から廃棄費用が差し引かれることになっています。なお、積立金額は設置した年により異なります。
太陽光発電システムは、取り入れやすくなりつつある
この記事では、太陽光発電の現状、価格相場、導入のメリット、導入後のメンテナンス、設置費用を抑えるコツなどについてご紹介しました。
太陽光発電システムは、売電収入と自家発電による節電効果が見込まれます。
毎月のように物価や電気代の高騰が続いている状況下で、本格的な節電に取り組むなら太陽光発電システムを導入することは節電対策の一つの方法です。
太陽光発電システムは、高額で簡単には設置できないとこれまでは断念されてきた方も多いかもしれません。最近は太陽光パネルの価格が下がり、導入初期費用全体が下がってきています。
また、新築住宅を検討しているなら、設計段階から太陽光発電システムを組み込んだほうが結果としてお得になるので、早めの計画がおすすめです。
太陽光発電パネルの一般的な寿命は25~30年とされています。
この間に得られる電気代の削減や売電収入を考慮すると、長期的には大きなメリットがあるといえるでしょう。
監修協力

亀田 融(かめだ とおる)さん
匠住宅診断サービス
1級建築施工管理技士/宅地建物取引士/マンション管理士/JSHI公認ホームインスペクター
東証一部上場企業グループの住宅会社に現場監督及び住宅リフォーム事業の責任者として約33年間勤務。その後2015年10月よりホームインスペクション(住宅診断)の専門会社を立ち上げて運営すると共に、小規模リフォーム会社の顧問としても活動中。