住宅リフォームのヒント集

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2024/06/27

10年から15年に1度は見直したい住まいの外まわり

住まいを長持ちさせるためにもメンテナンスは必要不可欠です。特に屋根や外壁などは、外部からの影響を受けやすく、定期的なメンテナンスが求められます。メンテナンスのタイミングと方法、便利な設備についてご紹介します。

目安は10~15年。戸建てもマンションと同様、メンテナンス計画を立てる

メンテナンスとは、建物や設備の性能が継続できるよう維持、補修することをいいます。戸建ての場合、外まわりのメンテナンスは、10~15年に1度くらい行うことが多いようです

特に屋根や外壁は、紫外線や雨、風など外からの影響を受けやすく、劣化が気になる場所。屋根や外壁にヒビ割れがあると、雨水が入り込み躯体を腐らせてしまうこともあります。放っておくと範囲が広がり、大掛かりな修繕が必要になることも。早めの調査・診断が必要です。

マンションでは、修繕積立金があり、修繕計画がしっかり立てられていますが、戸建てでは、自分で計画・積立する必要があります。定期的なメンテナンスは住まいの価値を守るためにも重要です。住まいの価値を守るためにも、事前にメンテナンス計画を立てておくことが重要です。定期的なメンテナンスを行うことで、不具合を早めに見つけて対処できます。また、かならず修繕は必要になるので、修繕費用は積み立てておく方が安心です。

外壁は劣化しやすい場所。定期的なメンテナンスが必要

外壁によく使われている材料のサイディングは、ボード状になっているため、組み合わせるために継ぎ目にシーリング材を使用しています。シーリングは、紫外線によって硬くなるなど劣化しやすい部分です。シーリングは10~15年で補修をするのがおすすめです。
外壁に入ったヒビは、早期であれば補修がしやすいのですが、構造の中まで達している場合、雨水が入り込み躯体の柱を腐らせてしまうこともあるので、定期的なメンテナンスは欠かせません。

汚れやヒビなど大きな問題がない場合は、塗装や上貼りなどで対応が可能です。汚れがひどかったり、外観を変えたい場合は張り替えることもできます。
汚れが気になる場合は、紫外線で汚れを分解したり、雨水で汚れを浮かせて洗い流す外壁材など、汚れに強いものを選ぶのもキレイな状態を長く保つポイントです。

屋根の劣化は雨漏りの原因に。劣化の具合でメンテナンス方法が変わる

屋根の状態は、外から確認しにくい場所なので、定期的にメンテナンスをする必要があります。屋根が劣化していると雨漏りや風の侵入などの問題が発生します。
一般的に、10~15年前後で1回目のメンテナンスを行いますが、補修や塗装など比較的手軽な修繕ですむことが多いようです。30年前後で行う2回目のメンテナンスでは、劣化が進んでいることが多いので既存の屋根材の上からかぶせる「重ね葺き(かさねぶき)」や、下地の処理からやり直す「葺き替え(ふきかえ)」になります。
瓦屋根など、屋根材が重い場合は耐震性に影響するので、気になる場合は修繕で軽い屋根に葺き替えることもできます。瓦屋根のようなデザインで軽い屋根材など、さまざまな種類が登場しています。

雨といは、屋根、外壁と一緒にメンテナンスを

屋根や外壁と一緒にチェックしたいのが、雨といです。屋根の現況調査で、雨といに落ち葉が詰まっていないか、割れていないかなどまとめて確認することができます。落ち葉が詰まっていると、そこから雨水が漏れ、壁をつたって水が住宅内部に入ることもあります。

最近はゲリラ豪雨や台風、夏の強い日差しで雨といが変形したり、割れることもあるため、定期的にメンテナンスをしたい部分です。デザインにこだわった雨といもあり、屋根の雰囲気や外観の色にあわせて選ぶことができます。

また、雨といからの雨水を貯めて、ガーデニングや打ち水などに使える商品もあります。

窓のリフォームで快適性と断熱性、防犯性を高める

外まわりのメンテナンスに合わせて見直したいのが窓ガラスやサッシの交換です。サッシは劣化するとサビや見た目が悪くなるだけでなく、隙間風が入ったり、窓の開け閉めがスムーズにしにくくなるなど、使い勝手が悪くなってきます。
窓やサッシを断熱性の高い窓に取り替えることで、結露防止や部屋の断熱性を高める効果もあります。また、割れにくいガラスを選んだり、二重窓にすることで防犯性を高めることにもつながります。

窓枠ごと交換したり、既存のサッシ枠はそのままで、上から新しいサッシを取り付けるカバー工法という方法もあります。また、窓枠はそのままで内窓を付けて二重窓にすることもできます。内窓を付けるだけなら、比較的簡単に工事ができます。

玄関を変えて住まいの外観のイメージを一新

外まわりをリフォームするなら玄関ドアの交換もおすすめです。断熱性の高いものにすると省エネ性が向上します。家の顔といわれる玄関、ドアのデザインが変わることで家全体の雰囲気を変えることができます。
また、門まわりを一緒に交換することで印象を大きく変えることができます。ネットショッピングが一般的になり、宅配ボックスを設置する人も増えています。宅配ボックスとポストが一体となったエントランスポールなら、必要な機能が一か所にまとめられるので玄関まわりがスッキリします。
最近は、荷物の発送もできる宅配ボックスも登場しています。

配線工事が必要なものは一緒にメンテナンス

外まわりに設置している照明も劣化していないか確認を。玄関ドアは人感センサ付きのものにすると、人が近づくと点灯するので夜間の帰宅時に安心です。
また、建物の外観に照明を効果的に設置することで、外観を引き立て、防犯効果も期待できます。時間が経つと光を抑える自動で調光できるタイプの照明なら、節電になります。
照明は配線工事が必要なので、他に配線工事が必要なものと合わせて工事をすることで、費用を抑えることができます。

EV充電コンセントも外壁メンテナンスで検討

メンテナンス箇所で意外と見逃しているのが、外壁に設置されている換気扇のカバーや配線カバー。外壁をキレイにすると、古い部分の汚れや劣化が目立ってしまうので、外壁のメンテナンス時に一緒に交換したいですね。

今後、電気自動車を検討している方は、EV充電コンセントの設置も壁面のメンテナンス時に検討してもいいかもしれません。充電器はスタンドタイプのものもありますが、壁面に設置することで駐車スペースを広く使えます。

メンテナンスのタイミングを合わせてコスト削減

屋根や外壁は一緒にメンテナンスをすることがおすすめです。修繕の際、足場を設置するため、屋根と外壁を一緒にすることで足場代を節約できます。また、それぞれのスケジュールを合わせることで、次のメンテナンスのタイミングも把握しやすくなります。配線工事が必要な設備もまとめることでコストが低減できます。

監修協力

寒川 玲子さん

寒川 玲子(さむかわ れいこ)さん

一級建築士、空間デザイン心理士🄬プロ、防災士、マンションリフォームマネジャー。人生を変える住まいづくりの専門家。建築設計30年以上。戸建て住宅のリノベーション、マンションリノベーション、マンションの大規模修繕まで、区分所有から1棟丸ごとまで住まい専門に設計活動を展開。夫婦関係が危機的な状態から、空間デザイン心理学®を学んだことをきっかけに、自宅を見直し、夫婦仲が改善。住まいで人生が変わる経験をしたことで、一人でも多くの人を住まいで幸せにしたいとSNSなどで積極的に発信。

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