2024/12/26
冬の結露対策。内窓リフォームで快適な室内環境に

冬になると、気になるのが窓や壁に発生する結露。放置するとカビやダニの発生につながります。カビやダニは、アレルギーの原因になることも。さらに建物の寿命を縮めてしまうこともあります。すぐにできる対策と結露を防ぐ内窓リフォームについてご紹介します。
冬の結露は外気温と部屋の温度差が原因
結露は、冷たい外気が窓の表面温度を下げ、水蒸気を含んだ室内の空気が窓に触れることで水滴となって表れる現象です。特に冬場は、室内の温度や湿度が高く、外気との温度差が大きくなるため、結露が発生しやすくなります。
また、窓や壁の断熱性能が低い場合、外気の影響を受けやすいため、窓ガラスや壁が冷やされ、結露が発生しやすくなります。
結露を放置するとカビやダニの原因に
結露を放置するとカビやダニが発生し、健康被害を引き起こす原因にもなります。高温多湿な場所は、カビが生えやすくなります。さらに、ほこりや汚れが付着しているとカビの栄養源となり増殖し、カビを放置することで、ダニの増殖にも繋がるのです。
結露を放置すると建物寿命が縮む

結露を放置することで、建物の木材や金属部分の劣化にもつながります。湿気を含んだ木材は、カビが発生しやすくなり、腐ることもあります。梁や柱の構造材が劣化すると建物の強度も低下してしまいます。
壁紙は水分が含まれることで剥がれやすくなります。また、カビが生えて黒くなり、シミや汚れがつくことで、見栄えが悪くなることも。カーテンにもカビが発生することもあります。壁紙やカーテンのカビは取り除くのが難しく、汚れが残ったり、素材が傷んでしまったりします。
すぐにできる結露を防ぐ簡単な対策
結露は、発生させないことが一番です。そのために、結露を防ぐ普段からできる簡単な対策をご紹介します。
- ●換気をする
換気が不足すると室内の湿気がこもり結露の原因になります。冬は、窓を閉め切ることが多いため換気不足に注意が必要です。こまめな換気を心掛けましょう。家具も壁から少し離すなど、風の通り道を作っておくことがポイントです。 - ●水蒸気の発生を抑える
ストーブやファンヒーターなどの燃焼式の暖房機器は、水蒸気が発生しやすくなります。加湿機能付きの暖房機器も水蒸気の発生が多くなります。暖房機器以外にも、料理や観葉植物、人などからも水蒸気は発生しています。
エアコンや電気ストーブ、オイルヒーターは、水蒸気の発生はありませんが、空気が乾燥するので注意が必要です。空気が乾くと鼻やのどの粘膜を保護しているバリア機能が低下し、ウイルスによる感染症にかかるリスクが高まります。さらに、空気が乾燥しているとウイルスが長時間空気中に浮遊し、感染を広げることになります。
加湿器や除湿機を活用し、温湿度計を設置して40~60%程度の湿度をキープできるように温度と湿度の調整をしましょう。 - ●結露が発生したら早めに拭き取ること
大切なのは、結露が発生したらすぐに拭き取ることです。結露を放置することで、カビやダニの発生につながるため、なるべく早く水分を拭きとるようにします。
内窓リフォームで住まいの断熱性を高める


内窓を付けることで、結露の発生を抑えることができます。既存の窓と内窓の間の空気層が断熱の役目を果たし、外の冷たい空気を室内に伝えにくくします。また、アルミサッシは熱伝導率が高いため、樹脂フレームに変えることで熱が伝わりにくくなります。
さらに内窓を付けることで、断熱効果が高まり家全体の温度差が小さくなります。急激な温度変化で起こるヒートショックの対策にもなります。さらに、断熱効果以外にも遮音効果があることもメリットです。
補助金が利用できる内窓リフォーム
国は、断熱窓へのリフォームに補助金を設けています。「先進的窓リノベ2024事業」は、住宅の窓のガラス交換や内窓を設置することで、一戸当たり最大200万円を上限に補助金がもらえる制度です。
内窓のリフォームに関しては、新たに内窓を新設する場合や、既存の内窓を交換する工事が対象です。窓の性能によって、補助額が異なります。
申請には期限があり、また予算も限られているため、早めに申請をおこなうことが重要です。工事は、事業者登録をしている会社に限られるため、依頼するリフォーム会社が対象か確認する必要があります。
「先進的窓リノベ2024事業」の受付期間は、予算上限に達するまで(遅くとも2024年12月31日まで)です。
- ※2024年11月29日、住宅の省エネ化の支援強化に関する2025年度予算案が閣議決定されました。経済産業省、国土交通省および環境省は、住宅の省エネ化を支援する補助制度を2025年度も継続することを発表しています。(国会で補正予算が成立することが前提となります。)