「ガスコンロが古くなってきたけれど、IHに替えるのは大変?」「費用や工事内容がよくわからず、不安で踏み出せない」と悩みを抱える方は少なくありません。この記事では、ガスコンロからIHに交換したいと考えている方向けに費用の目安、メリット・デメリット、導入時の注意点などを解説します。
この記事を読めば「自宅にIHは設置できそうか」「どんな準備が必要か」がイメージできるようになり、スムーズで失敗のない交換計画を立てる手助けとなるはずです。IH導入を検討している方はぜひ最後までご覧ください。
ガスコンロからIHに交換はできる!
ガスコンロからIHクッキングヒーターへの交換は、基本的に可能です。ガスコンロとIHの天板サイズには60cmや75cmなどのバリエーションがありますが、本体幅は多くの場合60cmで共通しており、キッチンの仕様が対応していれば設置できます。
ただし、注意すべき点として、据え置き型のガスコンロを使用している場合は、そのままIHに交換はできません。IHクッキングヒーターはビルトイン型が主流であり、据え置き型からの交換には工事やキッチンのリフォームが必要になるケースがあります。ただし、据置用枠を使用した設置も可能なため専門業者に相談しながら進めることをおすすめします。事前に、現在の設置状況や電源容量、キッチンの寸法などを確認しておくと安心です。
ガスコンロからIHへの交換にかかる費用の目安
IHクッキングヒーターへの交換を検討する際には、本体の価格だけでなく、設置に必要な工事費用や既存設備の処理費用などが発生することを理解しておくことが大切です。
特にガスコンロからの切り替えは、ガス設備の対応や電気工事が必要になる場合が多く、住まいの状況によって費用に差が出る傾向があります。ここではIHのタイプ別にかかる費用の傾向や、工事に関する注意点について紹介します。
スムーズな導入と納得のいく選択のために、全体の流れと費用構成を把握しておきましょう。
設置工事にかかる費用
IHクッキングヒーターの設置工事費用は、購入先の販売店やご家庭の設備状況によって大きく異なります。特にガスコンロからIHへ交換する場合は、単なる入れ替えではなくいくつかの追加工事が必要になるため、事前に工事内容と費用の目安を把握しておくことが大切です。
工事には、既存のガスコンロの撤去費用、ガス管の閉栓費用、分電盤からIHまでの電源配線工事費用などが含まれます。特にビルトインタイプのIHクッキングヒーターは200Vの電源が必要となるため、専用回路の設置が必須です。
ただし、システムキッチンに設置された日本製のビルトインタイプのガスコンロとIHクッキングヒーターであれば、約20年前からサイズはほとんど変わっていないため、キッチン本体をそのまま残して機器のみの入替えが可能です。 そのため、大規模なキッチン改修工事を伴わずに導入できるケースが多く、工事の負担や費用をある程度抑えることにつながります。
事前に工事の流れや費用の内訳を把握しておくことで、スムーズな導入や予算計画、トラブルの回避に役立ちます。費用面で検討する際は、製品本体の価格だけでなく、こうした工事費用も含めて考えましょう。
ガスコンロからIHクッキングヒーターにリフォームした事例はこちら
ガスコンロからIHに交換するメリット
ガスコンロからIHクッキングヒーターへの交換は、近年ますます注目を集めています。その背景には、IHの安全性の高さや掃除のしやすさなどの利便性だけでなく、キッチン空間の快適さや衛生面の向上など、さまざまなメリットがあります。
IHクッキングヒーターのメリット
- 熱効率が高いため加熱が早くムダが少ない
- 火を使わないため、火災や火傷のリスクが低い
- 天面が凹凸なくフラットなためお手入れが簡単
- 調理中にキッチン空間が暑くなりにくく、年間を通して快適に調理できる
- 調理機能が充実している
ここでは、IHクッキングヒーターに交換することで得られる主なメリットを紹介します。ガスコンロとの違いやIHならではの魅力を知ることで、導入の判断材料としてお役立てください。
火災リスクが低く安全性が高い
IHクッキングヒーターは、直火を使わずに鍋底だけを加熱する仕組みのため衣類や可燃物がうっかり火に触れて引火するような事故が起きにくく、調理中の安全性が高いと言えます。
温度調整もボタン操作で細かくコントロールが行えるため、加熱しすぎによる鍋の空焚きのリスクも軽減されます。また、チャイルドロック機能が搭載されているIHであれば、小さなお子様のいる家庭でも安心して使用できます。
火を使わず高い安全機能を備えていることは、IHクッキングヒーターを選ぶメリットの一つといえるでしょう。
お手入れが簡単で清潔を保ちやすい
IHクッキングヒーターの大きな特徴の一つが掃除のしやすさです。トッププレートはフラットなガラスで設計されているため、調理中に吹きこぼれや油はねがあっても、布やキッチンペーパーでさっと拭くだけで簡単に汚れを落とせます。
また、ガスコンロのように五徳やバーナーキャップを取り外して洗う必要がないため、日々の掃除にかかる手間を大きく軽減できます。凹凸が少ないため調理後にさっとお手入れができる点は、忙しい家庭にとって嬉しいポイントです。
さらに、ガスコンロで発生しがちな炎による上昇気流もないため、周囲の壁やレンジフードへの油の付着も抑えることができます。手軽に掃除ができて清潔を維持しやすいのは、IHならではの魅力です。
キッチンが暑くなりにくく快適
IHクッキングヒーターは火を直接使わず、鍋底のみを加熱する仕組みのため、調理中でもキッチン全体の温度が上がりにくいという特徴があります。特に夏場など暑い時期でも調理時の熱気がこもりにくく、室温を快適に保ちやすいのが魅力です。
熱気により冷房の効きが悪くなることも少なく、省エネ効果も期待できます。長時間の調理でも暑さによる負担が軽減されるため、日々の料理をより快適に行うことができます。
ガス漏れや一酸化炭素中毒の心配がない
IHクッキングヒーターは電気の力で鍋を加熱するため、ガス漏れや有害な一酸化炭素の発生リスクがありません。燃焼による二酸化炭素も発生せず、室内の空気を汚す心配もありません。
安全性の高さは、IHクッキングヒーターを選ぶ大きなメリットの一つです。
ガスコンロからIHに交換するデメリット
IHクッキングヒーターには多くのメリットがある一方で、導入前に理解しておきたいデメリットも存在します。使える調理器具の制限や停電時に使えない点は日常の調理スタイルや生活環境によっては不便に感じることもあるでしょう。
IHクッキングヒーターの主なデメリット
- IH対応の鍋やフライパンを使用する必要がある
- 土鍋や銅・アルミ製の鍋などは基本的に使用できない(※オールメタル対応機種を除く)
- 停電時は使用できない
- 炎が見えないため、加熱している感覚がつかみにくく、慣れるまで時間がかかることがある
ここでは、ガスコンロからIHに交換する際に考慮すべき代表的なデメリットを解説します。IH導入の判断材料として、メリットとあわせて冷静に比較してみましょう。
使える鍋やフライパンが限られる
IHクッキングヒーターは電磁調理の仕組みを利用しているため、IHに対応した素材の鍋やフライパンでないと使用できません。そのため、これまで使っていた調理器具が使えず、新たにIH対応の調理器具を揃える必要が出てくる場合があります。
土鍋や銅製、アルミ製の鍋などは基本的にIH非対応であるため注意が必要です。導入後もスムーズに調理を行うためには、現在使用している鍋やフライパンがIH対応かどうかを事前に確認しておきましょう。
ただし、オールメタル対応のIHクッキングヒーターであれば、アルミや銅など幅広い素材の鍋を使用することができます。
停電時に使えない
IHクッキングヒーターは電気を利用して加熱するため、停電時には使用できないというデメリットがあります。地震や台風などの災害で電力が供給されない場合は使用できないため、緊急時の対応力ではガスコンロに劣る面があります。
また、IHは消費電力量を制御しているため、複数の調理口を同時に強火で使用すると、自動的に火力が抑えられることがあります。
災害時に備えてカセットコンロなどの代替調理器具を用意しておくと良いでしょう。
まとめ
ガスコンロからIHへの交換は費用・注意点を理解したうえで検討を
ガスコンロからIHクッキングヒーターへの交換は、安全性や清掃のしやすさ、快適なキッチン環境など多くのメリットをもたらします。特に、子どもや高齢者がいる家庭では、火を使わない安心感が大きな魅力となるでしょう。
一方で、設置には電気容量や配線の確認が必要で、場合によっては追加工事や調理器具の買い替えが必要になることがあります。また、停電時に使えないというデメリットもあるため、導入前にしっかりと準備しておくことが大切です。
不安がある場合は、専門業者に相談しながら進めると安心です。ライフスタイルやご家庭のニーズに合った最適な調理機器をぜひ見つけてください。







