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O様邸は、神奈川県の中央に位置する住宅街に立地。真っ白な壁と珊瑚をエクステリアにあしらった南国風のデザインです。
O様は、新しく住まいを計画するにあたって、以前から興味のあった「ゼロ・エネルギー住宅」を建てたいと考えられました。高気密高断熱住宅に太陽光発電システム、高効率な換気システム、LED照明など最先端の省エネ設備機器を揃え、快適で健康的な省エネ住宅を実現されたO様邸をご紹介します。
施主のO様は、新しく住まいを建てるにあたって、以前から興味のあった「ゼロ・エネルギー住宅」にしたいとお考えでした。
ゼロ・エネルギー住宅とは、建物を高気密・高断熱化し、その上で省エネ性の高い設備を使用、電気使用量を効率的に管理し、エネルギー消費量を削減。使用する電力は太陽光発電システムなどでまかなう住宅のことをいいます。
O様邸は、これらの「ゼロ・エネルギー住宅」に必要な条件を満たした上で、広々とした明るい空間を実現した住まいです。
建物の基本性能は、遮熱材をはさみ込んだ屋根、ウレタン発泡断熱材の断熱壁、基礎断熱などでC値(相当すき間面積)が約0.5cm2/m2、Q値(熱損失係数)は、約1.2W/m2Kと、O様邸の立地する「VI地域」の基準値※に比べると、はるかに高い値になっています。
窓ガラスは、ペアガラスとトリプルガラスを使用することで、断熱効果だけでなく遮音性も高くなっています。窓枠は通常、アルミサッシが多いのですが、木製のサッシにすると、冬場の冷気による熱伝導も低く抑さえることができます。
採光と通風を考え、リビングは広々とした吹き抜け空間で、大きな窓からは、冬は長い時間、日差しが入るので、暖房しなくても快適に過ごせる日も多いようです。
※1 「次世代省エネルギー基準」では、全国を気象条件に応じて、I〜VIの6地域に分け、それぞれに断熱や気密、日射遮蔽の基準値を決めている。最も寒いのがI地域、最も暖かいのがVI地域。 VI地域では、Q値は2.7W/m2K。C値は、現行では基準は設けられていませんが、改正前は5cm2/m2。
高気密・高断熱住宅は、気密性と断熱性が高いほど、結露や空気をきれいに保つ観点から、換気の重要性が増します。このためO様邸では、ダクト式の24時間換気システムの熱交換方式を採用されました。冬は室内の暖房された空気で外気を温めて換気をするので、例えば、0℃の外気を熱交換で約14℃に上げて換気することができます。反対に夏は、外の熱い空気をそのまま入れずに、エアコンなどで冷やされた空気と熱を交換してから換気。冬夏ともに熱の損失を抑え、冷暖房のコスト低減に役立てています。また、DCモータータイプなので、消費電力が抑えられることもメリットです。
トイレの局所換気にも、DCモータータイプの天井埋込型換気扇を設置。ルーバーや羽根が簡単に外せ、水洗いができるなど、メンテナンス性が高いことも選択の基準になりました。
また、洗面室には部屋干しファンを設置。浴室乾燥機のように温風を使わず、洗濯物を乾かすことができます。3人のお子様がおられて洗濯物が多いというO様には便利な設備です。
[熱交換気のしくみ]
排気する空気の熱が熱交換気扇の中にある熱交換素子によって、取り入れる空気にその熱が伝えられ、室内に給気される空気があたたかくなる。[DCモーターのしくみ]
DCモーターは、磁力を利用することで少ない電力で運転でき、ムダなエネルギーを押さえます。太陽光発電システムは、1時間あたりの発電量が5.52kWの高効率タイプを採用しています。購入の際は、国の補助金を活用されました。また、太陽光発電買取制度を利用し、余剰電力の売電をしています。
O様邸では、暖房機器に蓄熱式の床暖房を採用されています。床暖房は、夜間電力を使って蓄電した電力を使用するので、電気代が安く昼間の電気代はほとんどかかりません。また、通電制御ができる蓄熱式の床暖房は、電力会社のお得な電気プランの対象となるので、月々の電気使用量が通常の2〜3千円ほど安くなります。
1階リビングの窓際には、床にスリットが設置されていて、暖められた床下の空気が自然対流でスリットを通り室内に出てきます。床暖房の輻射熱は部屋全体を暖めるので、1階で床暖房をつけると2階との温度差は冬でも約3℃と小さく、建物全体を暖める効果があります。O様は「太陽光発電システムの発電量が多いので、購入する電気よりも売電額の方が上回る可能性がある」と見込まれています。
暖房機器には念願だった薪ストーブも採用されていますが、リビングは南東の角地にあるので日当たりがよく、しっかり断熱された室内は、冬でもとても暖かいそうです。日中は床暖房だけでも十分快適に過ごされています。
照明器具も省エネに配慮し、ダウンライトに白熱灯は一切使わず、消費効率の高い最新のLED照明を採用しました。ライティング手法にもこだわり、照明の組み合わせや明るさをスイッチひとつで切り替えて室内の雰囲気を演出、不要な照明を使わないことにもつながり省エネになるシステムを採用されました。これらの、電気機器はすべて、ホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)で、一元管理。毎日の電気使用量や、太陽光発電の発電量などを知ることができるので、省エネの意識が高まります。また、お子様が省エネをわかりやすく理解できるようにと考えて設置されました。
建物は、南国風の真っ白なデザインです。エクステリアの植栽のまわりには、珊瑚をあしらいリゾート地のような雰囲気を演出しています。
室内のダイニングの壁にも、珊瑚のタイルを埋め込むことで、空間のアクセントになっています。
リビングの壁は、ホタテ貝の殻を混ぜた「ホタテ漆喰」を使っています。優れた吸放出性能があり、結露やカビが発生しづらいというメリットや、ホルムアルデヒドを分解する成分もあり、空気環境にも気を使っています。
特にこだわったという床材は、1枚もののチークのムク材を使用。リビングからひと続きになったウッドデッキは、窓を解放することで広々と使うことができます。ご友人を呼んでよくホームパーティーをされるというO様は、「夏にはバーベキューをする予定。今から楽しみです」と話しておられます。
できるだけ自然素材にこだわり建てられたO様邸は、下地や仕上げ材はすべて、F☆☆☆☆(Fフォースター:ホルムアルデヒド放散等級の最上位規格)を使用するなど、健康的で安心な住宅になっています。
キッチンの横に備え付けられたテーブルはキッチンカウンターの高さにあわせて作られているため、ダイニングからキッチンまで続く一体感が生まれています。
キッチンは「リビングステーション」を採用。キッチンの収納は、オーブンや炊飯器などの家電もすべて収納でき、使わないときは完全に隠せるように工夫されています。また、置き場所に困る根菜類用の収納庫もあるので、キッチンには何も出ていないスッキリとした状態をキープできます。
キッチンのそばには、家事スペースがあり、調べ物などもできる空間が用意されています。奥様にうれしいキッチン空間になっています。
そのほか、上下階の移動を考えホームエレベーターを設置。1階の読書スペースはご主人のこだわりです。家族みんなの満足する住まいが実現しています。
所 在 地 |
: |
神奈川県 |
設計・施工 |
: |
山下建設株式会社 |
構 造 |
: |
木造軸組工法 |
敷 地 面 積 |
: |
155.93m2 |
建 築 面 積 |
: |
93.50m2 |
延 床 面 積 |
: |
163.9m2(地下含む/駐車場除く) |
竣 工 |
: |
2011年9月 |
工 期 |
: |
240日 |
ダクト式熱交換気システム、天井埋込形換気扇DCモータータイプ、LED照明、太陽光発電システムHIT、せんたく日和、IHクッキングヒーター、エアコン、シーリングファン、蓄熱式床暖房