ラグは、インテリアの模様替えにおすすめのアイテム。素材感や色づかいで季節の演出をすることもできます。さらに床材までこだわれば、インテリア上級者に。モロッコラグで人気を集める「オルネ ド フォイユ」店主の谷あきらさんに、相性のよいラグと床材の組み合わせをご提案いただきました。
床材は、上に置く家具や雑貨が引き立つことが大切。
場所に合わせて変えてみるのも面白い
じつは現在、一戸建てのリフォームを計画中という谷さん。床材についてもこだわりがあるそうで、ああでもないこうでもないと悩みながら設計士さんと相談しているそうです。
「当初、気になったのは、フローリングではなくて、じつはモルタルの床なんです。素朴で、素材感が際立つからいいかなと思ったのですが、その上で過ごす毎日の暮らしを想像してみると少し味気ないのかな、と。やっぱり木目のあるフローリングが一番落ち着くのかもと思い直して、いまはモルタルに似たグレイッシュなフローリングもいいかなと思っています。床材選びは、ラグはもちろん、床の上に置く家具や雑貨が引き立つことが大事だと思います。床材も家中ぜんぶ一緒にする必要はなくて、一日のうちで長い時間を過ごすリビングなどは極力シンプルなフローリングにしたり、洗面所は鮮やかなタイルにしてみるとか、シーンや場所に合わせて選ぶことも大切なのかもしれませんね」。
麻生さんのリノベーションのこだわりがいちばん出ているのが、ご自身が「ウォータールーム」と呼んでいる水まわりの部屋。「元が会社の保養所だったので、浴室もトイレ、洗面所も広かったんです。それを1室にまとめたのはイギリスで泊まったホテルがヒントになりました。部屋のなかに浴室があるようなインテリアで、床は絨毯張り、バスタブもトイレも、備え付けではなく、ひとつの家具のように置かれていました。ただ日本だとやはり湿気が心配なので、浴室乾燥機を取り付けました。でも窓が3面、デッキへの外扉もあるので、今のところ大丈夫です。観葉植物を置いたり、タオル掛けや化粧品、収納もアンティークの家具を選んだり。絵も飾って、部屋のように楽しんでいます」と、麻生さんは語りました。
谷さんと一緒に、モロッコラグと床材の組み合わせを考えてみました
玄関先などのちょっとしたスペースに似合う、もこもことしたウールが可愛いモロッコラグの定番「ベニワレン」。幅広のグレイッシュなフローリングにベニワレンの特長でもある菱形の柄が引き立ちます。
ヴィンテージでありながら古臭さを感じさせない一点もののモロッコラグは、一生物のラグとして愛用できるはず。ヴィンテージの革張りのソファやチェリー柄の床材と組み合わせれば重厚感のあるインテリアづくりができます。
「ザナフィ」は、毛足の短いキリムタイプのラグで、程よい厚みがありながらフラットな織地。ダイニングなどでも通年でお使いいただけます。部屋のアクセントカラーにもなるグリーンの「ザナフィ」は落ち着いたウォールナットにも映え、従来のエスニックのイメージにとらわれないモダンな雰囲気に仕上がります。
ラグならぬ、モロッコのタペストリーも最近注目されているアイテム。大量生産では出せない温かみを感じさせます。絵や写真の代わりに飾ってウォールデコレーションを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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vol.4
引き続き、アートピースのような素敵なモロッコラグが続々と登場。
ラグと床材のベストマッチを、谷あきらさんにご提案いただきます。
Profile
谷あきら AkiraTani
オルネ ド フォイユ店主。1994年に渡仏し、14年間のパリで暮らしを通して、DIYやインテリアを学ぶ。著書に『パリ流谷さんの週末DIY』がある。現在は、ご自宅リフォームの真っ最中。