「作る」と「食べる」を根本から変える、新しいキッチン
スープを通じて「毎日のごはんを楽しく簡単に」作ることを伝えてきた有賀さん。
でも活動を続けるうちに、「レシピだけでは、なかなか人の意識は変わらない。たとえば電子レンジが料理をラクにしたように、キッチンの『かたち』から見直してみたらどうだろうと思うようになりました」。
約20年前に新築で購入した有賀さんのマンションにも、ダイニングの奥にリフォーム前から備わったキッチンがあります。
「ごく一般的なキッチンで、大きなシンクや何口もあるコンロ、換気扇もついて便利なもの。でも2人で入れるほど、広くはありません。収納もたくさんあるのはいいけれど、複雑すぎて、たまに手伝うだけの家族には、どこに何があるか分かりにくかったと思います」。
世の中を見渡せば、夫婦ともに仕事を持ち、家事も家族でシェアするのが当たり前の時代。
「家族で入れないのなら、家族のいる場所にキッチンが出ていったらどうだろう。そんな発想から、リビングに料理のできる場所を作るというアイデアが浮かびました」。