日々を楽しむ小さな工夫
インテリアスタイリスト 大谷優依さんvol.1
「家時間が長くなった今、
お茶や食事の時間が
小さな楽しみになっています」
コマーシャルや雑誌などでインテリアスタイリストとして活躍してきた大谷優依さん。これまでは、“家は休むための場所”と割り切るほど外で過ごす時間が長かったそうです。
ところが、外出の自粛や妊娠、出産が重なり、これまで経験したことがないほど自宅で過ごす時間が増えました。ゆっくりと過ごした妊娠期間、子育てで慌ただしく過ごすようになった産後。どちらにおいても、長い家時間で心の潤いとしているのが、食卓につくひととき。
「買ってきたパンやお菓子でも、
好きな器を使えば満足度が高まります」
「今は子育て中ということもあり、料理もテーブルコーディネイトも凝ったことはできないですが、パンやお菓子を買ってきて、好きな器でいただくだけで、豊かな気持ちになれます」。
無類の器好きの大谷さんにとって、好きな器を選んでおやつや料理をセッティングするひとときは、慌ただしく過ごす日々のなかで自分らしさを取り戻す大切な時間。日課になっている子どもとの散歩では、持っている器をイメージしながらパンやお菓子を購入することもあるそう。遠くまでレジャーに行けなくても、近所の食材店に立ち寄るささやかな楽しみを満喫しています。
「シンプルな料理でも、
見映えには気を遣います」
「たとえば、今気に入っている鉢皿があるのですが、野菜と肉を切ってオーブンに入れるだけの簡単な調理でも手が込んだ料理のように見えますし、器のかわいさも引き立つんです」。
忙しさにかまけて“なんとなく”の食卓を設えてしまうと、せっかくの食事の時間もトーンダウンしてしまいます。大谷さんにとっては、「食」と「心の潤い」は密接な関係にあるもの。ささやかでも小さな心がけが、家時間に小さな幸せを生み出しています。
器からインスピレーションを得て、
メニューを決めることも
「この器に盛りつけしたい」という思いつきから料理に取り掛かる日もある大谷さん。外国の焼き物から国内の伝統的な窯元、作家ものまで、種類豊富な器がインスピレーションを与えてくれます。
- 安南焼きの器に盛った揚げ春巻きに、ザルいっぱいのハーブを合わせた瑞々しい演出。料理と器で異国感を楽しんで。
- ベトナムの古いソンべ焼きの皿を受け皿にして、ベトナムの人気デザート、チェーをガラス器に盛りつけ。
スタイリングイメージがわいて、スイーツの手作りに挑戦したそう。
毎日使うお茶や道具類は、手に取りやすくまとめて
お茶が大好きで、毎日さまざまな種類を楽しむ大谷さん。茶葉やお茶の道具類は、カゴにまとめてキッチンにセッティング。頻繁に飲むお茶は、簡単にクリップで留めています。
画像提供/大谷優依、市原慶子(プロフィール写真)
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vol.2 花や香りの演出について
クローズアップ
Profile
大谷優依 Yui Otani
多摩美術大学環境デザイン学科インテリア科卒業。雑誌や書籍のエディトリアルデザイナーを経て、2012年インテリアスタイリストとして独立。ライフスタイル誌や広告などで空間演出やインテリアの提案などを手がける。
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