日々を楽しむ小さな工夫
北欧ジャーナリスト 森百合子さんvol.2
「北欧の人は色づかいが本当に上手。
色数があってもうまくまとめています」
森さんが何度も北欧に足を運ぶなか、住まいで刺激を受けたのが色の使い方。カラフルなインテリアを好む家庭が多く、ワクワクするような色の演出に心惹かれたそう。
「マリメッコに代表されるポップなテキスタイルや、大胆な柄のヴィンテージ食器など、北欧の生活アイテムには色のメリハリが効いたデザインが多いですね。そしてごく自然に、暮らしに色を取り入れています。色合わせやディスプレイにも個性があらわれていて魅力的です」。
「テキスタイルには、
北欧デザインの魅力が詰まっています。
手軽に色を足し引きできるので
おすすめです」
北欧で出合ったインテリアの影響で、ご自身でも色づかいを意識した部屋づくりを楽しむようになった森さん。コーディネイトする時に最も活用しているのがテキスタイルだそう。
大判のものやクッションカバー、テーブルクロス、端切れなど、現地ののみの市などで手に入れたさまざまなテキスタイルをコレクションしていて、季節や気分、イベントに合わせてセレクトしています。
「北欧の色彩は明るく目を引くものが多い一方で、ペールトーンだったり、どこか心落ち着かせる色づかいなんですよね。だからなのか、和の空間にも合わせやすいと思います」。
「家具や建具の色に合わせて、
小物の色のトーンを決めています」
テキスタイルのほかにも、食器や花器、オブジェ、ポスターなど、北欧のアイテムは随所にディスプレイされています。
コーディネイトする際に意識しているのは、部屋の雰囲気に合わせて飾る雑貨類の色を決めること。例えば、古い柱や長押など建具の趣が映えるリビングでは、深い木の色になじむあたたかな雰囲気に。
リノベーションで壁色や家具を明るい白に整えたアトリエでは、フィンランドの部屋のイメージで、鮮やかな色合いのテキスタイルを中心に色で遊ぶ空間にしました。
「自分にとって居心地がいいのはどんな空間だろうと考えて、私にとっては色が大きな要素なんだな、と。自分の好きな色に気づいて、それを活かした部屋にしていきたいですね」
コーナーごとに
テーマカラーを決めて楽しむ
ひと部屋のなかで色を多用するときには、コーナーごとに色をまとめていくという森さん。トーンを揃えたり、相性の良い色を組み合わせたりしていくと、部屋全体を見たときにも散漫な印象になりません。
- 窓辺のソファコーナーでは、季節や気分に合わせて模様替えを楽しんでいます。ポイントは占める面積の広いカーテンを中心にクッションなど小物の色を選んでいくこと。壁に飾ったフレームにもお気に入りのテキスタイルを入れています。
- クッションを多く配置する際にも、色のグループをつくって。黒やグレーを挟むことで全体がなじみ、キリリと締まった印象にまとまっています。
- アトリエのデスク前は、旅先で見つけたたくさんのポストカードをテープで貼って彩っています。繰り返し見ているうちに「この色合わせもいいな」と好みの色づかいや組み合わせが見つかることも。
- 茶色のテーブルクロスに合わせたのは、ピンク色のキャンドルホルダーとフラワーベース、キャンディポットに使ったガラス器。花の色も花瓶やクロスと相性のよい色を選んで。
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vol.3 暮らし方の工夫について
メソッドにクローズアップ
Profile
森百合子 Yuriko Mori
北欧ジャーナリスト。旅情報や現地の暮らし、文化について、テレビや雑誌、著書などを通じて発信。著書に『日本の住まいで楽しむ 北欧インテリアのベーシック』(パイ インターナショナル刊)、『3日でまわる北欧』(トゥーヴァージンズ刊)、『北欧おみやげ手帖』(主婦の友社刊)など。北欧のヴィンテージ食器や布を扱うショップ「Sticka」も運営中。
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