日々を楽しむ小さな工夫 
北欧ジャーナリスト 森百合子さんvol.1

日々を楽しむ小さな工夫026-vol1 北欧の文化と出合って知った自分らしい住まいのつくり方

「フィンランドのデザインに
惹かれて北欧を訪ねて以来、
15年にわたり5カ国を旅しています」

現在、北欧の暮らしを伝えるジャーナリストとして活躍する森百合子さんが、北欧を訪ねたいと思ったきっかけは、フィンランドの建築家、アルヴァ・アアルトのデザインに出合ったこと。日本で開催された展覧会を見て、「いつか現地の建築を見てみたい」と感じていたそうです。加えて、趣味で続けているダンスがスウェーデンで人気があり、現地で習ってみたいと思ったことなど、いくつかの縁が重なり導かれるように北欧の国々を訪れたそう。ダンス仲間ができたおかげで、リアルな暮らしや文化にも、多く触れることができたと言います。

「現地のインテリアを見て、
自分にフィットしているって
感じたんです」

実際に足を運び、とりわけ心を掴まれたのがインテリア。実は、以前からインテリアへの興味はあったものの、自分がどんな空間で暮らしたいかはわからなかったのだそう。
「北欧の方々は皆、住まいを居心地よくすることが自然に身についていて、インテリアへの意識が高いと思います。お金をかけなくてもDIYで仕上げたり、リサイクル品を上手に取り入れたりと、豪華ではないけれど手間をかけて楽しんでいるんです。色づかいも自由。『ああ、自分はこういう部屋づくりがしたかった』って思いました」。
日照時間が短いため、光を反射する白い壁や明るい色を取り入れるなど北欧ならではの工夫を知り、そうしたバックグラウンドにも関心を持ったことや、現地の古い雑貨やテキスタイルがとても好みだったことも手伝って、北欧熱が一気に加速。各国の比較もおもしろく、北欧5カ国を繰り返し訪ねるようになりました。

「北欧流の部屋づくりに学び、
4回にわたるリノベーションで
好みを実現していきました」

ちょうど同じ頃、日本で森さんが計画していたのが、今も暮らす築87年になる古民家のリノベーション。当初は古さによる不具合を解消するのが主な目的でしたが、北欧で学んだことも生かし、日本家屋が持つ味わいを残しながら壁や天井の色を整えていきました。
その後も数年おきに、部分ごとのリノベーションを重ねて、“北欧エッセンスを取り入れた自分好み”を少しずつ実現。すでに前の居住者が手を加えていたため、古民家の良さを失っている部分には、思い切り北欧らしい色柄を取り入れて大胆にアレンジしました。また、小さな照明を重ねるように灯す北欧の家庭に倣って、照明の数や位置も吟味。ダクトレールを多めに設置することで、部屋の好きな位置で明かりを楽しめるようにしています。
リノベーションを数回に分けたため完成までに時間がかかりましたが、住みながら出てくる課題や希望をその都度反映することができたのは、大きなメリット。プロによる大がかりなリノベーションは一旦終了ですが、家具や小物をアレンジしたり、可能な部分は自分たちで補修するなど、日々工夫を重ねて暮らしに合わせた部屋づくりを楽しんでいるそうです。

壁の色や素材感など、北欧流を参考に
自分好みの空間にリノベーション

リノベーションは合計4回行い、3回目、4回目は、主に好みの実現を目的に。北欧で感銘を受けた豊かな色づかいを参考に、素材の色や質感、柄との組み合わせをかなり吟味して“自分好み”を実現しています。
「『ここでどう過ごしたいかな?』と考えて、色調を選ぶようにしています」。

  1. 落ち着いて過ごしたい寝室はブルー系でまとめて。ブルーグレーのクロスを張り、アクセントにスウェーデンのメーカーの柄つきクロスをセレクト。
  2. 北欧のサウナを思わせる板壁のバスルーム。腰壁には白いタイル、アクセントにブルーグレーのボーダータイルを採用して、素材と色のコンビネーションを楽しんでいます。
  3. トイレは落ち着いた雰囲気を求めてグリーンを基調に。壁紙は、デンマークの建築家、アルネ・ヤコブセンのデザインとニュアンスのある無地のグリーンを合わせました。デンマークつながりで、コペンハーゲンの町をテーマにした切り絵をアクセントに。
  4. 気分を上げて作業したいキッチンは、黄色とブルーを取り入れて元気の出る色合いに。真っ白なタイルも空間を明るくするポイントです。

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vol.2 色でインテリアを楽しむ
方法についてクローズアップ

Profile

森百合子 Yuriko Mori

森百合子さん 写真

北欧ジャーナリスト。旅情報や現地の暮らし、文化について、テレビや雑誌、著書などを通じて発信。著書に『日本の住まいで楽しむ 北欧インテリアのベーシック』(パイ インターナショナル刊)、『3日でまわる北欧』(トゥーヴァージンズ刊)、『北欧おみやげ手帖』(主婦の友社刊)など。北欧のヴィンテージ食器や布を扱うショップ「Sticka」も運営中。

https://hokuobook.com/

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