日々を楽しむ小さな工夫
住まいコーディネイター
高橋記子さんvol.1
「広々した空間は気持ちがいいし、
シンプルな造りなら
必要に応じて空間の再編集が
しやすいんです」
海外のアンティークを扱うショップを15年近く営んだ後、空間のスタイリングやリフォームのアドバイザーなど、住まいをコーディネイトする活動をしながらインテリアに接してきた高橋記子さん。今まではご自身で、賃貸住宅を現状回復できるように配慮しながら壁面を好みにアレンジしたり、好きな物をディスプレイして楽しんできましたが、一昨年前に一念発起してマンションを購入。大胆なリノベーションで“自分らしく、快適に暮らせる住まい”を実現しました。
住まいの良し悪しは、生活の楽しさや居心地に影響を与え、人生にも関わってくるもの。だからこそ、このリノベーションは、高橋さんの今後の暮らし方や、本当に大切なモノ、コトを見つめ直す大きな節目にもなりました。
広々とした空間で、2匹の猫とゆったり暮らせることが、今の住まいで大切にしていること。
「50代に入り、生活を整えるタイミングだと意識しました。先々の暮らしも考えたうえで、自分にいちばん合う空間を考えたときに浮かんだのが、仕切りなく広々した間取りだったんです。暮らしの変化に合わせて再編集できるのもメリットです」。
広々とした空間で、2匹の猫とゆったり暮らせることが、今の住まいで大切にしていること。
エントランスから一歩中に入ると、抜け感が気持ちいい空間が広がります。扉がないのも解放感のポイント。
エントランスから一歩中に入ると、抜け感が気持ちいい空間が広がります。扉がないのも解放感のポイント。
「“リビングで寝起きする”
感覚は気楽で便利。
ひとり暮らしなら個室は
必要がありません」
購入した中古マンションは3LDK。玄関を入ると突き当りのLDKまで廊下が伸び、廊下の両側に個室や洗面室が配置された一般的な間取りでした。それを思い切って1LDKに。
ひと部屋は、衣類や生活用品をおさめるほか、独立した息子さんが来たときの寝室として備え、基本的な生活は全てLDKで。仕切りはありませんが、天井の高さや素材、家具を使ったゾーニング(空間を用途別にエリア分けすること)でそれぞれのコーナーが構成されています。
「ひとり暮らしなので仕切る必要がないし、広々使えた方が心地いいですよね。個室がいくつもあると、使う機会の少ない部屋が出てくるし、荷物を押し込んでしまいがち。スペースは無駄にしたくなくて……」。
その徹底ぶりは、トイレとバスルーム以外に扉が一切ないことからも伺えます。おかげで、高橋さんがどこにいても、愛猫がくつろぐ様子が視界に入るとか。お互いがストレスなく過ごしていられるのも大きなメリットと言えます。
「エントランスもあえて広くしました。
土間風にして多目的に使う予定です」
広々としたLDK以外にも、玄関ドアを開けると広がるエントランススペースも印象的です。この場所は、元々玄関スペースの脇にあった個室をつなげて広々とさせたもの。土間スペースは、体温調節が得意でない猫の夏場の居場所にもなっているそう。
ざっくり区切った広々空間は、これから先の暮らしの可能性を広げてくれる強い味方。日々心地よさや暮らしやすさを求めつつ、可変性のあるインテリアを楽しんでいます。
グレーの塗料を塗った土間空間は、夏場に猫が涼むいいスペースに。ジュートのラグは爪とぎとしても大活躍。
一部画像提供/高橋記子
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vol.2 高橋さんの2つ目のルール
「家ではストレスフリーでいたいから、
好みのインテリアをとことん追求」をご紹介
Profile
高橋記子 Noriko Takahashi
住まいコーディネイター。インテリアや雑貨、特にアンティークが好きで、約15年にわたり主にアメリカンアンティークを扱うショップを営む。自ら買いつけに出向き海外の住宅のインテリアに接する機会も多く、その経験がインテリアコーディネイトの土台の一部に。その後はリフォームのインテリアアドバイザーなどで、そのセンスを発揮している。
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