日々を楽しむ小さな工夫
料理創作ユニット「Goma」
アラキミカさんvol.2
「ひらめきや暮らしの変化に合わせ
住まいに手を加えています」
暮らしながら、住まいに手を加えることを楽しんできたアラキさん一家。ともに職業がクリエイターのご夫婦だけに、その手腕があらゆるコーナーで発揮されています。最近の大作は1階に設けた扉の装飾。木をスライスした木目シートを好きな形にカットして貼り合わせ、寄木細工のように仕上げています。
「最近まで物置き状態だったスペースを個室に変えて、扉を設置したんです。“家の中にある家”というイメージを主人に伝えて、デザインを詰めました。木目シートは主人が貼りましたが、人型の部分は息子も作業に加わったんですよ」。
「イメージに合うものが揃わないときは、
手づくりで工夫することが多いですね」
手づくりは大物ばかりではありません。
たとえば、キッチンで使っている吊るすタイプの水切り棚は、以前建築家と事務所用に作ったもの。洗い終わったコップを乾かしてそのまま収納するほか、S字フックを使ってキッチンツールをハンギングするのにも利用しています。また、キッチンと階下への階段の境目は、手づくりカーテンを間仕切りに。カーテンフックも金色のワイヤーを自分で曲げて作ったり、絵の具で柄を描くなど、完全なオリジナルです。
「まだ未完成で、そのうち線画を描き足そうと思案中。自分のペースで少しずつ完成形に近づけていけるのも、手づくりの醍醐味ですね」。
「子の作品も住まいを飾る要素。
色や形のバランスを考えて飾っています」
リビングを始め、住まいの随所で目を引くのが、絵や造形物。作家ものもありますが、半分以上は息子さんの作品だそう。アラキさんが「おもしろい!」と思ったら、積極的にインテリアのアクセントとして取り入れます。
「ソファに置いてあるクッションの刺しゅうも、息子が手掛けたもの。ある時、誕生日プレゼントとして私がリクエストしたのがきっかけでした。以来、わが家では毎年恒例のプレゼントとなっているんです」とアラキさん。
豊かな表現力や感性は、確実に息子さんにも引き継がれているようです。
“わが家らしさ”をつくる
住まいのデコレーション
お気に入りの雑貨をパーツにして
扉を個性的に演出
- サニタリールームの扉に採用したのは、なんと積み木。「子どもとの思い出の品をインテリアに取り入れられるのがいいなと思って。素材もいいし、アイテムとしてかわいいですね」。
- カトラリーを使った取っ手はオランダの雑貨店で見つけたもの。特に目的を決めずに購入していましたが、靴収納の扉に採用することに。玄関コーナーの遊び心あるアクセントになりました。
- 日常のショッピングや旅先ののみの市でも、気に入ったアンティークパーツなどを見つけると特に目的がなくても購入しているそう。写真はイタリアに住んでいた頃に入手したもの。
- 気に入っているフランスのデザインユニットの作品を、トイレの扉に採用。中側と外側で色違いにしました。
扉に黒板塗料をペイント。
ゲストが描くイラストもディスプレイに
黒板塗料でペイントしたトイレの扉は、家族のほか遊びに来た友人にも自由に描いてもらっているそう。結果、オリジナリティたっぷりの装いが完成しました。
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vol.3 食まわりの環境づくりに
クローズアップ
Profile
アラキミカ Mika Araki
中村亮子さんとともに料理創作ユニット「Goma」として活動。料理の提案を始め食器やキッチン雑貨の企画、ワークショップ、イラスト、絵本製作など、食を軸に独創的なアイディアを発信している。著書に『へんてこパンやさん』(フレーベル館)、『Gomaのゆかいな子ども雑貨』(文化出版局刊)、『Gomaのてづくり歳時記』(講談社)など。
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