日々を楽しむ小さな工夫
料理創作ユニット「Goma」
アラキミカさんvol.1
「インテリアでいちばん大切に
したかったのは、色でした」
10年ほど前にご主人と長男の3人で暮らす家を建てたアラキミカさん。自分たちで手を加えながら住まいづくりを楽しみたいと思い、仕切りを設けないざっくりとした間取りや自分たちで壁を塗ることなどを、あらかじめ建築家に伝えていました。
「私が暮らしを彩る要素として最も大切にしているのが『色合わせ』なんです。だから、壁はすべて色壁に。リビングや寝室、水まわりなど、空間ごとのテーマを決める過程が本当に楽しくて! 飽きたらまた塗り替えればいいと思っていましたが、気に入ってそのままにしています」。
「庭がない分、空や植物の色を
インテリアに取り込みました」
人気の高い都心の街に構えた住まいは小さいものの、色づかいでそのハンデまでも補っています。
「庭をつくる余裕がない面積だったので、家のなかで自然を感じられる色を取り入れました」。
光が入りづらい1階の個室は黄色、2階のLDKは空をイメージした青、3階のユーティリティは木々を連想させる緑を採用。彩度を少し抑えたくすんだ色味で統一したのが、アラキさんのこだわりです。
「うちはインテリア小物もカラフルなものが多いので、壁の色の彩度を落とした方がメリハリもつけやすく、好みのカラーコーディネイトにしやすいと思ったんです」。
そのため、新しい雑貨をディスプレイに加えるときは、壁や隣合う雑貨との色のバランスを重視して飾る場所を検討するそうです。
「ビビッドな色は水まわりなど
小さな空間で楽しみます」
一方、トイレはピンク、洗面室は赤など、家の中でも特に小さな空間はインパクトのある明るい色に。
「トイレの壁は特にお気に入り。飾る物はかなり慎重に色や形のバランスを見て選んでいます。実は雑貨のディスプレイで壁一面を埋め尽くそうと企んでいるんですよ」。
色を楽しむインテリア計画は、常に進行中です。
ペイントで壁を個性的に演出する
アラキさんのアイディア
黒板塗料で描いた大きな木が
シンボルツリーに
壁の色を塗るだけでなく、イラストを描いてインテリアのアクセントにしている箇所も。LDKでは、空の色をイメージした水色に映える木のシルエットを。壁の色とのコントラストを強調するために、茶色ではなく黒板塗料で描いて、空間をキリッと引き締めています。天井まで枝を伸ばし、広々と見せているのもポイントです。
木は幹と枝のみのシンプルなシルエットにして、付箋を枝まわりに貼って実に見立てたり、幹にチョークでメモを書いたり、その時々の発想でアレンジしています。
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vol.2 アラキさん流ディスプレイの
メソッドにクローズアップ
Profile
アラキミカ Mika Araki
中村亮子さんとともに料理創作ユニット「Goma」として活動。料理の提案を始め食器やキッチン雑貨の企画、ワークショップ、イラスト、絵本製作など、食を軸に独創的なアイディアを発信している。著書に『へんてこパンやさん』(フレーベル館)、『Gomaのゆかいな子ども雑貨』(文化出版局刊)、『Gomaのてづくり歳時記』(講談社)など。
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