日々を楽しむ小さな工夫
ライフスタイルデザイナー
内山ミエさんvol.1
「家族と共有できない収納ルールは
自分にも家族にも負担がかかります」
内山さんが“家族みんなが暮らしやすい住環境”を意識したのは、体調を崩してしまった約10年前。今振り返ってみると、当時は自分だけが把握する収納場所やしまい方が多く、家族に家事を協力してもらいづらかったと言います。
以来、整理収納の理論などを学びながら、家族全員にわかりやすい物の配置と収納法を模索して“ストレスフリー”な住まいづくりを実践。現在はライフスタイルデザイナーとして、そのノウハウを伝えています。
「家族の性格に合う収納法を探し
生活の変化とともに
アップデートさせます」
収納環境を改善したいと思うとき、最初にすべきことは、「家族の性質や行動パターンなどをよく観察して、片づけられない原因と可能な方法を探すこと」と内山さん。
たとえば、片づけが得意でないご主人が使用する物は、使う場所の近くにスペースを確保し、“入れるだけ”など、ワンアクションで済む収納にして、しまい漏れが出ないように工夫しています。
みんなで共有する物は、わかりやすさも大切。LDKの引き出しにしまった文具や体温計などは、仕切りをつけて物同士が重ならないように配置し、ひと目でわかるようにしています。
また、収納を使い勝手よく維持するために、不便さを感じたら見直すようにしています。その都度、必ず家族への相談を経たうえで決めるそう。棚板の高さや量を調整できるなど、可変性のある家具を選ぶようにしているのも、そんな経験から得たノウハウのひとつ。子どもの成長や生活スタイルの変化にも対応でき、リモートワークなど、自宅で過ごすことが多くなった今も、“ストレスフリー”な環境づくりに役立てています。
内山さんが実践する
収納と家具アレンジの工夫
家族の性質に合わせて考える
片づけやすい物のしまい方
- お嬢さんがダイニングテーブルで作業することが多いPCや携帯電話、タブレットの定位置をシェルフに一括。電源もあるので、使い終わったら充電をするために自然にここに戻せます。
- 片づけが得意でないご主人の薬は、キッチンカウンター下に定位置をつくり、ワンアクションで出し入れできるように布製ボックスに直接収納。秩序なくざっくり薬を入れていても、見た目よく保てます。
フレキシブルに家具をアレンジして
リモートワーク時のストレスを軽減
リモートワークをするようになったご主人は、当初LDKのダイニングテーブルで仕事をしていたそうですが、より集中できるようにと、寝室に仕事スペースを創出。本棚兼ディスプレイ台として使っていた棚(写真左)の小物を移動させ、棚板の高さを調整してデスクにアレンジしました(写真右)。
収納家具を可動式にすると
場所を選ばず作業ができる
美術系の学校に通うお嬢さんが絵を描く道具を収納した家具。キッチンワゴンとして使っていた物に小引き出しを入れるなどしてアレンジしました。キャスターつきなので、LDKで作業する際に自室と簡単に行き来できて便利。趣味の道具や小さなお子さんのおもちゃ収納など、幅広く応用できるアイディア。
写真協力/内山ミエ
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vol.2 暮らしが一層快適になる、
自分仕様の家具にクローズアップ
Profile
内山ミエ Mie Uchiyama
2014年に整理収納アドバイザー1級を取得、ヒバリ舎を立ち上げ、片づけが苦手でも簡単に片づく部屋をつくる方法をレクチャーしている。前職のウェブデザイナーの経験や自身のセンスを生かし、見た目が美しい&楽しい収納の提案が人気。それを受け、2017年よりライフスタイル全般をデザインする目的で、ライフスタイルデザイナーとして活動開始。著書に『モノを探さない部屋づくり 無理して捨てないお片づけ』(池田書店刊)、『「めんどくさい」がなくなる部屋づくり』(SBクリエイティブ刊)。
ライフオーガナイザー1級、ホームエレクターアドバイザー。
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