日々を楽しむ小さな工夫
アンティークショップ「BROCANTE」
松田尚美さんvol.1
「家族やゲストを迎えるエントランスは
いちばんに整えておきたい場所です」
東京・自由が丘でフランスのアンティーク家具や雑貨と植物を扱い、造園や外構のプランニングも行う「BROCANTE(ブロカント)」。いい植物を使ったセンスのいい空間は、常にガーデン好きやインテリア好きの注目を集めています。
「日頃から室内や庭でも植物を楽しんでいますが、さまざまな人が訪れるエントランスこそ、パブリックスペースとして整えておきたい場所だと思っています」と店主の松田さん。お客さまからも、植物の選び方や演出方法についてアドバイスを求められることの多いスペースなのだそう。
「育てやすくて見映えするサイズの
鉢ひとつから始めるのがおすすめ」
エントランスのような限られた空間の植物演出でまず大切なのは、「植物選び」と言う松田さん。
たとえば、日当たりが悪ければ日陰でもよく育つ品種を、水やりの時間がとりづらければ乾燥気味の環境を好む品種を選ぶなど。また、大きな植物を選ぶのもポイントだそう。
「小さな植物は、いくつも置かないとボリューム感に欠け、その分コーディネイトや管理が大変。その点、大きくて強健な植物ならひとつ置くだけでさまになり、管理もラクです」。
これまでたくさんの植物を扱ってきた経験から、誰でも実践できる取り入れ方を提案しています。
松田さんおすすめ。
大き目の鉢を使ったシンプルなコーナー演出
やわらかな印象かシャープな印象か。
植物選びで好みのエントランスに
エントランスのように限られたコーナーは特に、植物の数を絞ってシンプルにまとめるのが、松田さんのおすすめ。植物のシルエットの特徴をとらえ、バランスに配慮してレイアウトしましょう。
左/やわらかな草姿の3品種でまとめたスタイル。ハンギング鉢(セイヨウシダ)を頭上に吊るして草のボリューム感を引き立てたり、ふたつの鉢(チャラン、アジアンタム)を段差をつけて置いたりと、縦空間のバランスを調整。
右/メンズライクな印象ですっきりまとめたスタイル。シャープな葉形のドラセナを直線的な鉢カバーに入れて、インパクトを出しています。
配置するだけでさまになる
比較的管理しやすい植物
- カレックス エヴァリロ
半日陰で育つ常緑の植物。草丈は50cm程度。花壇の寄せ植えでも活躍する。 - トキワマンサク黒美人
古くから生垣などに使われてきた常緑低木。銅葉と4~5月につける赤い花が魅力。 - アガベ ブルーグロー
リュウゼツランの仲間。耐寒性、耐暑性、耐陰性があり育てやすい。 - カリフォルニアライラック
常緑の低木で、5~7月に小さな花をたくさんつける。 - ビバーナム ティヌス
常緑の低木で、4~5月に花を咲かせる。耐寒性があり、冬でも外で育てられる。 - アカシアテレサ
常緑で1.0mほどまで育つ、アカシアの中ではコンパクトな品種。冬から春にかけて黄色い穂状の花をつける。
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vol.2 鉢や雑貨と植物の
組み合わせについてクローズアップ
Profile
松田尚美 Naomi Matsuda
東京都・自由が丘にてフランスのアンティーク家具や雑貨のショップと、造園や外構のプランニングを行う「BROCANTE(ブロカント)」の店主・バイヤー。ご主人が造園部門を担っている。価格やブランドにこだわらず松田さん夫妻の審美眼で選んだ品々と、植物と素敵なインテリアが融合したショップの空間づくりは根強いファンが多く、雑誌や書籍などでもそのセンスとライフスタイルが取り上げられている。
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