日々を楽しむ小さな工夫
洗濯家 洗濯ブラザーズさんvol.2
「ドライクリーニングと水洗いでは、
落ちる汚れが違います」
毎年春の衣替えのシーズンにはクリーニング店行きの衣料がてんこ盛りになりがちですが、実は、ほとんどの冬物は自宅で洗えるのだと茂木さんは言います。
「家で洗えないものをあげた方が早くて、皮革と毛皮、レーヨンやキュプラ、アセテートなどの半合成繊維、光沢やシワ加工の製品。これ以外なら基本的に洗えます」。
油性の汚れなら石油系の溶剤を使うドライクリーニングが効果的ですが、汗など水溶性の汚れは、水洗いの方がすっきり落ちるそう。
「どんな汚れを落としたいのか、アイロンがけが自分でできるものかなど、条件に合わせてクリーニング店と使い分けるといいですね」。
「洗濯表示を見て適切に洗えば
難しいことはありません」
デリケートな素材の衣料を自分で洗う前に、必ず確認しておきたいことがあります。それは洗濯表示。自宅で洗えるかどうかの判断材料になるのはもちろん、満足のいく仕上がりに導く手引きでもあります。
「表示の意味を正しく知れば、意外と自宅で洗えるものが多いと感じるでしょう。クリーニング代の節約にもなりますので、ぜひ挑戦してみてください」。
ニットを自分で洗ってみよう!
デリケート素材の衣類の洗い方をご紹介。手順や洗い方のちょっとした配慮で仕上がりがもっとよくなります。
- 洗いたいニットを、ウォッシュタブ(洗い桶。大きめの洗面器などでも代用可能)に入るサイズにきれいにたたむ。袖は中にたたみ込む。
- ウォッシュタブに水を張り、中性の液体洗剤を入れて手で泡立てる(洗剤と水の割合は洗剤の説明表示に従う)。
- ウォッシュタブにニットを入れ、水を含ませながらゆっくり沈める。「押して沈める」→「やさしく水から上げて水分を落とす」を3分ほど続ける。途中、衣類を裏返して同じように洗い、まんべんなく汚れを落とす。
- ウォッシュタブの上で軽く水気を切る。
- 洗濯ネットに5を入れ、ネットの中で動かないように余っている部分をしばる。洗濯機に入れ、デリケート衣料の洗濯モードで1分間脱水する。ネットから一度取り出し、ウォッシュタブにきれいな水を張り直して3 ~ 6をもう一度繰り返し、残った洗剤と汚れを落とす。
- ニットは干した時の状態のままで乾くので、洗濯で縮んだり伸びたりした部分は整えてから干すこと。基本は室内干しで、広げたバスタオルに平置きするほか、ハンガーを2本使って、重みを分散させたり(写真左)、市販の平干しグッズ(写真右)を使うのがおすすめ。
《注記》
本記事をご参考に洗濯される場合は、大切な衣類が傷まないよう、事前に衣類の洗濯表示やご使用になる洗濯機の取り扱い方法、洗剤の表示をご確認ください。ご判断が難しいものについてはクリーニング店をご利用になることをおすすめいたします。
next
vol.3 干し方と保管の仕方に
クローズアップ
Profile
洗濯ブラザーズ Sentaku Brothers
長男でオーガニックコスメの知識を持っていた茂木貴史さんとアパレル業界で繊維の知識を積んだ次男の茂木康之さんに、製薬会社やIT企業出身の今井良さんが三男として合流した洗濯のプロ集団。クリーニング店「LIVRER YOKOHAMA」で一般の衣類から国内外のアーティストの舞台衣装もクリーニングを担当。同時にその知識を生かして、家庭でできる洗濯ノウハウを伝える活動も行っている。オリジナルのナチュラル洗剤も販売。著書に『日本一の洗濯屋が教える 間違いだらけの洗濯術』(アスコム刊)。
すむすむはSNSでも
住まいに関する情報をお届け!
ぜひフォローください