日々を楽しむ小さな工夫 
洗濯家 洗濯ブラザーズさんvol.1

日々を楽しむ小さな工夫005-vol1 衣類をキレイに洗うために、洗濯前にやるべきこと

「生地の風合いを保つ洗濯で
“衣類のアンチエイジング”を」

もともと服が好きで、アパレル業界で働きながら繊維の知識を蓄えた茂木康之さん。次に飛び込んだのがクリーニング業界でした。「一般的には汚れ落としがメイン。風合いは重要視されないことが不満で……」と自らクリーニング店をオープン。兄の貴史さんと今井良さんも加わり、オリジナル洗剤の開発から家庭でできる洗濯法の普及まで幅広く活動しています。常に頭にあるのは、服のアンチエイジング。プロに頼らず、家庭の洗濯機を上手に生かし、大切な衣類を長くきれいに保つ方法を提案しています。

「まずは洗濯槽の洗濯が大切!
余計な汚れや菌を衣類に付着させないで」

衣類の汚れを落とすのにまず大切なのは、洗濯槽を定期的に掃除して清潔に保つことだとか。
「洗濯槽に、洗濯せっけんカスや柔軟剤、繊維くずが残っていると、臭いの原因菌が繁殖します。つまり、洗濯しても逆に汚れや菌が付着してしまうんです」。
きれいにするには、市販の洗濯槽クリーナー(酸素系漂白剤を使ったもの)を使用。
「40~50℃の湯で洗うと高い洗浄効果が得られます。5時間以上かけて洗浄し、春夏は1カ月、秋冬は3カ月おきにやっておくのがおすすめです」。

「簡単な下準備で
仕上がりに差がつきます」

ほかにも、衣類に合った洗剤選びや水の量、予洗いなど、洗濯機を回す前に準備しておきたいことがあるのだそう。
「億劫に感じても、この工夫で後の手間が減ります。料理と違って、洗濯のノウハウは教わる機会がないですよね。知識を持って洗ってきれいに仕上がれば、洗濯も楽しくなってくるはず。それを実感してもらいたいですね」。

洗濯ブラザーズさんおすすめ! 
日々の洗濯のひと工夫

水と洗剤を混ぜてから
衣類を入れるのがベスト

真水は洗浄力が高く衣類にダメージを与えるので、あらかじめ洗剤を混ぜておくのがベスト。縦型洗濯機なら水を貯めてから洗剤を投入し、しばらく回して洗剤と水が混ざったところで衣類を入れます。水が入ると蓋を開けるのが難しいドラム式は、洗剤を同量の水と混ぜて投入口に入れます。また、洗濯機は指定よりも水を多めに、衣類は少なめに入れるのがおすすめ。

適切な洗剤を選んで
衣類にやさしい洗濯を

汚れ具合や生地によって洗剤を使い分けることも大切。混紡材の場合は、そのなかでもいちばんデリケートな素材に合わせて選びます。洗浄力、生地へのダメージ、コスパなど、総合的に見ておすすめするのが4種類。

●ふだん着
→弱アルカリ性液体洗剤
洗浄力、生地へのやさしさ、コスパがちょうどいい
●デリケートな素材、色もの
→中性液体洗剤
生地へのやさしさが優れ、洗浄力はアルカリ性よりやや落ちる
→洗濯用せっけん
生地へのやさしさが優れる。洗浄力は洗剤よりやや落ちる
●しっかり汚れを落としたいもの
→粉末洗剤
洗浄力に優れる分、液体洗剤よりも生地に影響が強い。漂白剤や蛍光増白剤が入っていないものがおすすめ

予洗いで洗い上がりがキレイに!

襟元や袖口など、汚れやすい部分は予洗い(=プレウォッシュ)するのがおすすめ。洗剤と水を混ぜたプレウォッシュ液をスプレーしておくことで繊維に入り込んだ汚れを浮き上がらせ、本洗いですっきり汚れを落とします。

  1. 市販のスプレーボトルを用意する。洗濯用液体洗剤(弱アルカリ性)を入れ、その後同量の水を入れてボトルを振って混ぜ合わせ、プレウォッシュ液を作る。プレウォッシュ液は一週間で使い切るのが目安。
  2. 衣類全体にまんべんなくスプレーする。汚れが気になる部分には3回ほどスプレーする。15分ほど置いてから、通常通り洗濯機洗いする。
  3. 襟元の黄ばみなど、しつこい汚れがある場合はのスプレーの後、洗濯用ブラシにもをスプレー。ブラシで汚れた部分をトントン叩き、汚れをしっかり浮き上がらせてから洗濯機へ。ブラシでこすると生地が傷むので、叩くのがおすすめ。

《注記》
本記事をご参考に洗濯される場合は、大切な衣類が傷まないよう、事前に衣類の洗濯表示やご使用になる洗濯機の取り扱い方法、洗剤の表示をご確認ください。ご判断が難しいものについてはクリーニング店をご利用になることをおすすめいたします。

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自分で洗える冬の衣類にクローズアップ

Profile

洗濯ブラザーズ Sentaku Brothers

洗濯ブラザーズさん 写真

長男でオーガニックコスメの知識を持っていた茂木貴史さんとアパレル業界で繊維の知識を積んだ次男の茂木康之さんに、製薬会社やIT企業出身の今井良さんが三男として合流した洗濯のプロ集団。クリーニング店「LIVRER YOKOHAMA」で一般の衣類から国内外のアーティストの舞台衣装もクリーニングを担当。同時にその知識を生かして、家庭でできる洗濯ノウハウを伝える活動も行っている。オリジナルのナチュラル洗剤も販売。著書に『日本一の洗濯屋が教える 間違いだらけの洗濯術』(アスコム刊)。

https://sentakulife.com/

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