日々を楽しむ小さな工夫
ワタナベマキさんvol.2
「切って塩もみして冷蔵庫へ。
使いやすい状態にしてストックします」
「たとえば、夕食用に大根を切るときには多めに切って、残りは塩もみして冷蔵庫へ。そうすると次に使いやすいし、使い忘れも防げます」とワタナベさん。人参やキャベツ、ねぎなども同様に、使い切れずにしなびてしまわないように、塩もみしてからストックするそう。
「食材によってしょう油やオイル漬けにしたり、保存方法はさまざま。『ストックをどう使おうか』ってアイディアを練ることで、新しいレシピが生まれることもあります」。
「乾物はまとめて水に戻しておけば
使い切りやすくなります」
そのほか、使いそびれがちな食材といえば、乾物。しまい込んでしまうことも多いうえ、水で戻すことから時間的な余裕がないと使いづらいものです。ワタナベさんは、乾物は袋をあけたらすべて1度で水に戻してしまうそう。
「食べやすく切って、しょう油漬けなどにします。ひじきなら1カ月近くもつんですよ」。
これは、戻す手間を一度にまとめ、食材を劣化させずおいしくいただくために実践しているひと工夫。
効率だけを求めず、家族の「おいしい」を聞くことを最優先と考えるワタナベさん。日々キッチンに立ちながら、おいしさと調理の効率アップを両立させるアイディアを生み出しています。
食材を上手に使うワタナベさんの工夫
一度で使い切れない野菜は
まとめて切って塩もみして保存
人参や大根は千切りに、ねぎは小口切りにして塩もみに。大体2~3回で使い切れる量をおいしくいただく目安とし、ストックするのは2種類位までと決めています。「素材により塩と油であえておくこともあります」。
塩もみ野菜のアレンジアイディア
- 人参:
- マリネ、ひき肉との炒め物
- 大根:
- サラダ、鶏肉や豚肉とのさっと煮、塩もみして出た汁も加えたスープ
- ねぎ:
- チャーハン、やきそば、湯豆腐
乾物は冷凍で保管。
戻すときはひと袋分を一気に
ナッツ類、干しえび、豆、小麦粉……。湿気で劣化する食材は、冷凍保存で。塩蔵ワカメは一度に戻して食べやすい長さに切り、小分けにしてラップに包んで冷凍しています。写真右はひじき。水に戻して2分ほどゆで、食べやすく切ったら、水、酒、みりん、しょうゆ、塩を煮立たせて上からかけます。粗熱をとって冷蔵庫へ。肉と炒めたり、ごはんに混ぜたり、広く使えるそう。
使い切れなそうと思いがちな調味料も
定番メニューに取り入れて
ワタナベさんが「意外と幅広く使えます」と教えてくれたのが、魚醤やウスターソース。どちらも使う料理が限られる印象から持て余してしまいがちですが、実はとても重宝しているのだとか。
「魚醤はコクとうま味があるので、炒め物やさっと煮などに、しょう油代わりの感覚で使えます。ウスターソースもうま味が凝縮されていて優秀! カレーやトマトソースの下味、肉の匂い消しにも有効です」。
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vol.3 スムーズに調理ができる
環境づくりにクローズアップ
Profile
ワタナベマキ Maki Watanabe
グラフィックデザイナーを経て料理家へ。忙しい主婦にも難なくできる作りやすさと、家庭料理ながらスパイス使いや食材の組み合わせなどに新鮮さを加えたレシピは人気が高く、雑誌、書籍、テレビなどで幅広く活躍。近著に『料理家ワタナベマキが家族のために作るごはん』(主婦と生活社)、『ごはんにかけておいしい材料2つで炒めもの』(主婦と生活社)など。
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