日々を楽しむ小さな工夫
ワタナベマキさんvol.1
「自分にフィットする道具の
条件を考えるのが第一歩」
料理家としてレシピ本やテレビなどで広く活躍中のワタナベさん。仕事で、家庭で、とにかくたくさんの料理を毎日作り続けています。その相棒となる料理道具は、長年試行錯誤しながら見出したルールで選んだもの。
「何より日々の使用に耐える頑丈さ。特に鍋など長く使うものは、素材、強度などが確実なものを選びます」。
日進月歩で次々と魅力的な商品が登場しても、使いこなせなければ意味がありません。ワタナベさんの場合、「性能のよい三徳包丁よりも、手が小さい私にはぺティナイフくらいが持ちやすい。野菜も切りやすいんですよ」と、自分にフィットするかどうかも大切にしています。
「ライフスタイルに合った
サイズの選択も大切です」
ワタナベさんの手持ちのフライパンや鍋は20~24cmが中心。
「わが家は3人家族なので、これで十分です。必要以上に大きければ調理効率は落ちるので、サイズにムダがない方がいいですね」。
大きさがだいたい揃っていれば、収納スペースの見当がつけやすく、収納後もすっきり見えるという利点も。
「色にも配慮すると、一層すっきり見えます。特に長く使うものなら飽きがこない定番色を選ぶのがおすすめ」。
ライフスタイルに合わせた道具選びのルールを見出すことが、調理作業をスムーズに、楽しくする第一歩のようです。
ワタナベさんの道具選びと使いこなし
“一生もの”と消耗品を線引きすると
こだわりどころが見えてくる
1・2
「鍋やフライパン、蒸籠(せいろ)は丈夫で質の いい素材を選べばずっとつき合えます。長持ちする分、多少値が張ることは覚悟して購入しています」。
3・4
「保存容器やバットなどはある程度消耗品と考え、買い直しや買い足しがしやすい定番メーカーの商品を選びます」。
同じ道具でも、
用途に合わせて使い分けを楽しむ
- すり鉢はいくつあってもつい手が出る、ワタナベさんのお気に入り。たくさん持っています。「小さいものはすぐ手が届く場所に置いて、すり ゴマなどに日々使っています。中、大サイズはあえものなどに使いますが、使いやすい形を生かしてサラダなどを盛ったりなど、日常の器として活用します」。
- 食感を大切にするワタナベさんにとって、料理によっておろし器を使い分けるのは鉄則。「焼き魚にはなめらかな食感に仕上がるおろし金が合いますし、鬼おろしはザクザクとした食感を生かせる鍋のほか、人参と大根を一緒にすりおろしてあえ物にもします」。
多様に使える蒸籠でおいしく便利に
ワタナベさん流の蒸籠づかいには、新鮮な使い方のヒントがいっぱい! 冷ごはんやうなぎの温め直し、豆や卵を蒸す、味を浸透させるなど、毎日さまざまに活用しています。檜製の中華蒸籠をサイズ別に数個愛用中。なかには15年以上使っているものもあるそう。
蒸籠で作る切り干し大根煮
切り干し大根を煮込むのにも蒸籠を使っているワタナベさん。蒸気であたためたやさしい味わいと食感のよさは、鍋での調理とはひと味違います。
蒸籠で作る切り干し大根煮の作り方
- 水に戻して食べやすく切った切り干し大根、千切りの人参、水に戻して千切りした干ししいたけ、千切りのしょうがを器に入れて混ぜ、煮汁(干ししいたけの戻し汁、酒、しょう油、みりん)を注ぐ。
- 塩を加え、器ごと蒸籠に入れてふたをし、中火で蒸す。器を取り出して、そのまま食卓に。
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vol.2 食材をムダなく上手に
使い切るひと工夫にクローズアップ
Profile
ワタナベマキ Maki Watanabe
グラフィックデザイナーを経て料理家へ。忙しい主婦にも難なくできる作りやすさと、家庭料理ながらスパイス使いや食材の組み合わせなどに新鮮さを加えたレシピは人気が高く、雑誌、書籍、テレビなどで幅広く活躍。近著に『料理家ワタナベマキが家族のために作るごはん』(主婦と生活社)、『ごはんにかけておいしい材料2つで炒めもの』(主婦と生活社)など。
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