日々を楽しむ小さな工夫 
稲垣早苗さんvol.2

日々を楽しむ小さな工夫003-vol2 自分流に過ごすティータイムは“ヒュッゲ”の一部

「自分の好きなお茶とお菓子、
テーブルウエアで食卓を彩ります」

国を問わず、くつろぎの時間にはお茶やコーヒーが傍らにあるもの。デンマークでももちろん“ヒュッゲ(家族や友人と過ごす和やかな時間、場)” に必要な要素のひとつです。「スウェーデンのコーヒーブレイク“フィーカ”は、コーヒーとシナモンロールなど伝統的なメニューがありますが、デンマークでは特になく、個人の好みや家庭で定番にしているものなどさまざまです」。撮影日に披露してくださったのは、稲垣さんのギャラリーショップの皆さんがクリスマスの定番にしているケーキ。抹茶やクランベリーでクリスマスカラーにアレンジしています。日本とデンマークのテーブルウエアを組み合わせて食卓をコーディネートするのは稲垣さん流のアレンジ。こういった演出も、ヒュッゲを心地よく彩るエッセンスでしょう。

「家以外でもお茶とともに
ゆっくりした時間を持つのが
デンマーク流です」

デンマーク人は家以外でも、たびたびお茶の時間を持つのだそう。「授業の前後、食事の後など、なにかの間には“パウゼ”と言ってゆっくりした時間を持つんです。英語で言えばポーズ(休止)ですが、ブレイクの意味合いですね。学校に行けば、ポットにコーヒーと紅茶が用意されていますし、美術館などの施設でもポットとともにクッキーが置いてあることも多いです」。ヒュッゲを大切にするデンマーク人は、どんなとき、どんな場所でもお茶をともに豊かな時間を過ごす達人のようです。

稲垣さんが実践する
和洋折衷のコーディネイト

和の手工芸と組み合わせて
テーブルコーディネイトを

  1. 黒漆の銘々皿に取り分けて。北欧製のペーパーナプキンをアクセントに。
  2. 「デンマークでは袋状のティーコゼーがあるんです。ポットに被せるだけでなく上下から包み込むスタイルは保温性が高まります」。デンマークで購入したティーコゼーを日本のこぎん刺し作家に見せて、こぎん刺しの袋型ティーコゼーを作ってもらったそう。

クリスマスカラーのマーグレーテケーキ

マーグレーテ(マーガレット)型を使った焼き菓子は、料理上手なスタッフの方のオリジナルレシピ。抹茶の香り、クランベリーの酸味、白いんげん甘納豆のやわらかな甘みが絶妙なマッチングです。製菓用の抹茶パウダーではなく、抹茶を選ぶのが香り高く仕上げるポイント。

マーグレーテケーキの作り方

材料
(市販のマーガレット型1個分。パウンドケーキ1本分と概ね同じ量です)
・無塩バター……80g
・強力粉……85g
・ベーキングパウダー……小さじ1
・卵……2個
・グラニュー糖……75g
・クランベリー……50g
・白いんげん甘納豆……50g
・抹茶……大さじ1/2
・粉砂糖、飾り用のクランベリーやハーブ……適宜

作り方

  1. マーガレット型に溶かしバター(分量外)を塗り、冷蔵庫で冷やしておく。
    無塩バターは室温に戻しておく。強力粉とベーキングパウダーは合わせてふるっておく。
    卵は室温に戻し、卵黄と卵白に分けておく。
  2. 無塩バターをボウルに入れ、ハンドミキサーで混ぜてクリーム状にする。さらに混ぜながら、グラニュー糖50gを3~4回に分けて加える。
  3. ②の全体が白っぽくなるまで混ぜたら、卵黄を1個ずつ加えながらさらに全体を混ぜる。大さじ1の湯(分量外)で抹茶をよく溶かして入れ、ムラがなくなるまでよく混ぜる。(抹茶は茶こしでこしてから使うと、よりまぜやすくなる)。
  4. ③にクランベリー、白いんげん甘納豆を加えて混ぜる。
  5. 別のボウルに卵白2個分を入れて泡立てる。全体が白い泡状になったら残りのグラニュー糖を加え、ハンドミキサーで角がピンと立つまで泡立てる(メレンゲを作る)。
  6. ④に⑤の1/3を加えてゴムべらでさっくり混ぜる。
  7. ①の強力粉と薄力粉を⑥に加え、ゴムべらでボウルの底の方から全体を返すように混ぜる。
  8. ⑦の粉が混ざりきらないうちに、⑥で残ったメレンゲを加え、全体を混ぜる。
  9. ①の型に⑧を入れて表面をならす。
  10. あらかじめ150℃に熱しておいたオーブンで45分焼く。竹串で刺して、きれいに抜ければ焼き上がり。
  11. ⑩が冷めたら型から出して器に盛り、お好みで粉砂糖をふり、クランベリーやハーブで飾る。

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vol.3 キャンドルや窓辺の演出で
つくるインテリアについてクローズアップ

Profile

稲垣早苗 Sanae Inagaki

稲垣早苗さん 写真

ギャラリー&ショップ「ヒナタノオト」にて、染織、金工品、木工品、陶磁器、ガラス製品、革製品など、日本の手仕事による品々を紹介。そのほか、日本毛織株式会社在籍中に立ち上げたニッケコルトンプラザ(千葉県市川市にある複合施設)にて行われる屋外展示会「工房からの風」のディレクターとしても、手仕事を紹介している。著書に『手しごとを結ぶ庭』『北欧の和み・デンマークの扉を開けて』(アノニマ・スタジオ刊)など。

https://hinata-note.jp/

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