日々を楽しむ小さな工夫
窪田俊さん・Harunaさんvol.1
インテリアスタイリストの窪田俊さんと、奥さまでフローリストのHarunaさんがこのほど住み替えたアトリエ兼自宅は、古いアパートの構造を生かしながらリノベーションされた味わいのある物件。
木の家具や雑貨類、そして随所に飾った植物がしっくりなじみ、窓から注ぐ日差しにやさしく映えるナチュラルな空間です。
住み替えて1カ月弱で仕上がった完成度の高いインテリアは、さすがプロの技。
日常の暮らしの空間を装うために心がけていることについて伺ってみました。
「気分や季節に合わせて
日々インテリアを更新します」
ハウスメーカーや家具店の勤務を経て、現職に就いたという窪田さん。とにかくインテリアが好きで「毎日インテリアを変えています。同じ日はありません」と、自宅でもさまざまな空間演出を楽しんでいます。
といっても、大物家具の入れ替えなど大々的な模様替えではなく、ファブリックや小物の足し引きで雰囲気を変えているのだそう。
この方が気軽に変化をつけられるので、常に暮らしに新鮮さを取り込むことができるのだそうです。
「小物づかいを楽しんでこそ、
インテリアに彩りが加わります」
そのために大切なのは、住まいの条件に合わせたインテリアのベースづくりなのだとか。
「たとえば、床は面積が大きい分印象が強いので、同色の家具を選ぶと成功しやすいです。床の色や質感が気に入らなければラグでカバーするのもひとつの手ですね」。
賃貸住宅など自分の思い通りの内装ではなくても、床と家具の色をコントロールしたうえで、小物やファブリック、植物で個性を足したり、季節を演出したり。それが、インテリアを上手にまとめるコツのよう。
ベースがしっかりしているからこそ、窪田さんの日々の模様替えも効果的に映えるというわけです。
窪田さんが実践する部屋づくりの工夫
空間にゆとりをもたせる家具選び
床と家具の色合わせと同時に大切なのが、空間にゆとりが出るサイズ感。植物や椅子を加えたり、ときには配置替えをしたりと、アレンジを楽しみやすいからです。
「家具は、いざ家に置いてみると店舗などで見た印象よりも大きく感じることが多いため、緻密な採寸を」。
また、「サイズだけでなく、素材やデザインでもボリューム感が違うので、実物を確認するのがおすすめです。ネット状のものやざっくり編まれたラタンなど、抜け感の生まれるデザインは圧迫感が少ないので、狭い部屋にも取り入れやすいです」。
椅子はアクセントにおすすめのアイテム
ソファなど大物家具を床の色と合わせてまとめる一方、小家具の形や色、素材感でインテリアにアクセントを添えている窪田さん。
特に椅子はお気に入りのアイテムで、そのまま置いたり、ディスプレイ台にしたりと、多目的に使うことで空間に変化をつけています。
「価格が幅広く、配置替えも簡単なのでちょっとした模様替えに便利です」。
アートで壁面をセンスアップ
壁面の演出は、インテリアのおしゃれ度に差がつく要素。窪田さんは、アートを多く取り入れています。
「フレームにおさめた絵も素敵ですが、カッティングボードをフレーム代わりにポストカードを貼るなど、低コストでできるアレンジも楽しいですよ」。フォルムや素材感がおもしろい古民具をアートに見立ててハンギングするなど、壁面に見せ場をつくるアイディアもみごとです。
next
vol.2 インテリアスタイルや素材の
魅力についてクローズアップ
Profile
窪田俊・Haruna
Shun Kubota・Haruna
インテリアスタイリスト(窪田俊)とフローリスト(Haruna)によるデザインユニット「F.I.N.D UNIT」として、花や植物を積極的に取り入れた空間を提案。雑誌や広告、カタログなどの撮影用のインテリアスタイリング、ボタニカルスタイリングのほか、モデルルームや店舗のコーディネイト、コラム執筆、講師など、インテリアと花に関連する分野で広く活動する。
すむすむはSNSでも
住まいに関する情報をお届け!
ぜひフォローください