2024/09/30
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賃貸のリフォームはどこまでOK?
許可・原状回復・費用相場をプロが解説
賃貸物件のリフォームやリノベーションをする際、知っておきたいのは「原則として貸主の承諾が必要」という点です。承諾なく工事を行えば契約違反となり、退去時に高額な原状回復費用が発生する場合もあります。
国土交通省の原状回復ガイドラインでは、どこまでを借主が負担すべきか示されていますが、通常のリフォームは基本的に貸主の許可を前提とするのがルールです。
最近注目されているDIY型賃貸借では、契約範囲内であれば原状回復が免除されるケースもあります。条件次第ですが、自分好みの空間づくりを楽しみながら、退去時の負担を軽減できます。
賃貸でできること・できないこと、事前申請と必要書類、承諾取得から工事までの流れを解説します。
その他のリノベーションのリフォーム事例や費用相場などについて詳しく説明しているページはこちら賃貸でもリノベーション可能な物件はある
「リノベーションできるのは購入した物件だけ」というイメージを持っている方が多いかもしれません。実は賃貸でもリノベーションやリフォームができる物件があります。
賃貸でのリノベーションというと、古い物件のリニューアルとして貸主側が改修工事したものを借りるのが一般的でした。そういったリノベーション済みの賃貸物件も人気なのですが、内装やインテリアにこだわりがある方にとっては、理想の空間づくりができないと不満を感じることもあったようです。
内装や間取りを自分でデザインしたい場合は、物件を購入してリノベーションするというのが従来の方法でしたが、近年は、借主が自分でリノベーションできる賃貸物件が増加しています。
築年数が古い物件に多い
リノベーション可能な賃貸物件はある程度築年数が経った物件に多い傾向があります。
防音性、耐震性、インターネット環境などの状態が物件ごとに大きく異なるため、借りる前に確認が必要です。
- ・元々しっかりとした造りで改修なしでも問題なく暮らせる
- ・近年の基準に合わせて耐震・防音の設備など基礎的な部分は管理者が改修済み
- ・入居者が個々に内装や基礎部分の改修をしなければならない
など、物件の状態により必要な対処も様々です。
- ●防音性
- 防音性については、建物の構造から大まかに分類することが可能です。
- ■建物の構造と遮音性の関係性
-
遮音性 遮音性等級 構造 高い
↑
↓
低いL-50 鉄筋コンクリート造 L-60 重量鉄骨造 L-65 軽量鉄骨造 L-75 木造
出典:一般社団法人日本建築学会資料より
防音性は、壁の厚みや窓サッシの構造などによっても左右されるため、あくまで目安として考えましょう。
- ●耐震性
-
耐震性については、築年数から判断することが可能です。
現在の耐震基準は1981年6月1日から施行されたもので、震度6~7を想定して基準が定められています。旧耐震基準では震度5強ほどを想定しているため、現在の基準からすると耐震対策が不十分な場合もあります。1981年5月以前に建てられた物件への入居を希望する場合は、その時点での建物自体の耐震性能と、入居後の耐震対策の必要性等について管理会社などにご確認することをおすすめします。
耐震化のためのリノベーションを行う場合、補助金や減税制度などが利用できます。 - ●インターネット環境
- インターネット環境は物件によって異なります。各部屋まで光ケーブルが配線されている場合もあれば、建物内で回線を分配しているケースもあります。
通信速度は回線の種類や利用世帯数によって変わるため、入居前に確認しておくと安心です。
物件情報サイトなどで探す
リノベーション可能な賃貸物件は、一般的な物件情報サイトでも見つけられます。
物件を検索する際にリノベーションやリフォームに関する条件の項目があればそこにチェックを入れるか、フリーワードで「リノベーション可能」「リフォーム可能」「セルフリノベーション」などのキーワードを入れるだけで検索が可能です。
最近ではリノベーション可能物件だけを取り扱っているサイトもあるので、いくつか情報サイトを見て入居したい物件を見つけていくことをおすすめします。
賃貸のリノベーションは書面承諾が前提
賃貸物件の場合は、退去時に入居時の状態に戻して貸主に返す、原状回復義務があります。ただし、住んで生じた汚れ・傷・色あせは、入居者の責任ではありません。国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に、どのような内容が原状回復義務にあたるのか書かれています。
また、賃貸契約の定められた範囲で使用することも借主の義務です。契約範囲外の変更をしたり、承諾を得ないリフォームやリノベーションは契約違反にあたります。
貸主への承諾が必要な場合、承諾不要で借主側で対応してよい場合、原状回復ガイドラインの考え方をそれぞれご紹介します。
| 場所・設備 | 貸主への承諾が必要な場合 | 借主側で対応してよい場合(原状回復ができる) | 原状回復ガイドラインの考え方 |
|---|---|---|---|
| 壁紙 | 壁紙(クロス)や下地ボードの張り替え | 既存の壁紙の上に跡が残らない剥がしやすい糊で新しい壁紙を貼る | 経過年数を考慮し、6年で残存価値1円となるような負担割合を算定する |
| 床 | 下地に跡の残るようなフローリングの張り替え | 既存のフローリングの上から別のフローリングを敷く | フローリングは、補修は経過年数を考慮しない (フローリング全体にわたる毀損等があり、張り替える場合は、当該建物の耐用年数で残存価 値1円となるような負担割合を算定する) |
| 設備機器 | 給湯器の交換 | 照明器具の交換(退去時には元の器具に戻す) | 設備機器は、耐用年数経過時点で残存価値1円となるような直線(または曲線)を想定し、負担割合を算定する |
賃貸のリフォーム時は書面で承諾を取り交わす
間取りを変更する工事などを行う場合には、事前に貸主から承諾を得なければなりません。承諾を得る前に確認したいのが、賃貸借契約書に記載されている、使用方法に関する条項です。
契約書には、物件を借主がどのように使えるかが定められており、多くの場合「原状回復が必須」「改装は不可」などの条件が含まれています。契約内容によってはリフォームそのものが禁止されているケースもあるため、まずは契約書を確認しましょう。
リフォームができる場合でも、工事内容を事前に貸主に説明し、書面で承諾を取り交わすことが重要です。リフォーム範囲や、工事方法、費用負担などを具体的に取り決め、承諾書として残すと安心です。口頭だけだと後々のトラブルにつながる恐れがあるため、書面で貸主と借主の双方で確認しましょう。
無断で増改築を行ったり、リフォーム内容が文書化されておらず食い違いが生じたりすると、貸主から損害賠償を求められたり、契約を解除されて退去を命じられることもあります。貸主としっかりコミュニケーションを取りながら、文書化して進めることが大切です。
空室対策でDIY型賃貸借が注目されている
賃貸でもリフォームやリノベーションができる物件が増加しています。その背景としては「賃貸物件の空室の増加」が大きいようです。近年では全国的に築年数の古い賃貸物件の空室率が増加しており、将来的にもその傾向は続くと予想されています。
国土交通省では賃貸住宅の流通を促進するため「DIY型賃貸借」の普及に取り組んでいます。
DIY型賃貸借とは、入居者の意向を反映してDIY・リフォーム・リノベーションなどが行える賃貸物件や賃貸借契約のことを指します。
これまで賃貸物件では貸主の意向でリノベーションしたものを貸し出されることが多かったのですが、DIY型賃貸借が普及すればよりフレキシブルな賃貸契約が可能になり、リノベーションやDIYを楽しむ人達が増えることが期待されます。
DIY型賃貸借のメリット
DIY型賃貸借のメリットを3つご紹介します。
- 物件を購入しなくてもDIY・リノベーションができる
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DIY型賃貸借対応の物件は、通常の賃貸物件と同じく毎月賃料を支払う契約内容です。
物件購入の必要がなく、物件取得のためにまとまった金額を用意したり、住宅ローンを組まなくても自宅のDIYやリノベーションが楽しめます。
DIYやリノベーションにかかる費用は必要ですが、それでも負担する金額は物件を購入する場合と比べて大幅に抑えることが可能です。物件購入や固定資産税などが不要な分、資金をリノベーション費用に回せるので、細部までこだわりたい方にもおすすめです。いきなり物件を購入するのはハードルが高いとあきらめていた方でも、リノベーションが楽しめるのではないでしょうか。
- 相場よりも家賃が安いことが多い
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物件や立地によっても異なりますが、DIY型賃貸借対応の物件は築年数が古かったり、改修が必要なものも多く、同じエリアの相場と比較すると家賃が安い物件も多いようです。
- ・都心に近くて便利な立地
- ・通勤・通学先へのアクセスが良い
など、条件の良い物件を通常よりもリーズナブルな家賃で借りられるかもしれません。
- 事前の取り決めで原状回復不要になることがある
-
国土交通省の「DIY型賃貸借のすすめ」では、DIY型賃貸借でできることや取り決め事項のポイントについて記載されています。DIYをする場合は、工事内容や明渡し時の原状回復の有無など、あらかじめ双方で合意することで、撤去時に原状回復の義務をなしにできます。
原状回復とは、退去時に物件の状態を入居前の状態に戻すことで、ほとんどの賃貸物件で借主(入居者)は原状回復義務を負います。
ただ、生活をしていく上である程度汚れたり劣化することは避けられません。壁に釘を打つなど故意性のある行為に原状回復義務が適用されることが多いです。そのため、一般的な賃貸物件では原状回復が難しいDIYやリノベーションは認められていませんでした。
DIY型賃貸借では本来貸主側が負担すべき物件のリフォームを借主が行う代わりに原状回復が不要なケースも多いので、その物件のルール内であれば基本的には原状回復を気にせず自分の好みに合わせて空間を変えることも可能になります。
DIY型賃貸借のデメリット
DIY型賃貸借は賃貸でもリノベーションが楽しめる画期的な制度ですが、事前に知っておきたいデメリットもあります。
- 建物全体の設備が古いことが多い
-
DIY型賃貸借は、中古物件の空き家を活用しながら入居者の自由度を高める制度として活用されています。築年数が経過した物件で導入されるケースも多いため、設備が古い場合や、電気容量が現在の生活スタイルに合わないこともあります。
契約前に設備や仕様を確認しておくと安心です。内見する際は部屋の中だけでなく、エントランス・エレベーター・ゴミ捨て場・廊下などの共有部分の管理が行き届いているかもチェックすることをおすすめします。
DIY型賃貸借対応物件を借りたいと思ったら、物件に関する説明を詳細にしてもらい、気になる点があったら担当者に細かく確認して疑問点を無くしておくとトラブルのリスクが抑えられるでしょう。
- 通常よりも契約が煩雑になる
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DIY型賃貸借は一般的な賃貸物件よりも、契約が煩雑になります。
通常の賃貸物件は賃貸借契約のみですが、DIY型賃貸借物件に入居する場合は改修をするごとに申請書を提出し、合意書を締結しなければなりません。ある程度の規模のリノベーションを行う際は、入居する前に工事をする方がほとんどなのでDIY工事申請と賃貸借契約は同時に取り交わすなど、入居前に準備・確認することが増えてしまいます。
もしも、貸主の許可を得ずに物件の改修やリノベーションをしてしまうと、トラブルの原因になる可能性があります。入居後にDIYする場合も、その都度申請して承諾を得た上で工事を行うことをおすすめします。
- 「専有使用権」のある共用部分以外は工事できない
-
多くの物件でDIYの対象となるのは「専有使用権」のある共用部分のみです。
「専有使用権」のある共用部分とは、そのエリアを契約している特定の人のみが使える場所のことです。
室内・給湯設備・電気・電気配線・壁、天井、床等の内装などが「専有使用権」のある共用部分にあたります。DIYの対象とならない共用部分には以下のようなものがあります。
- ・バルコニー
- ・室外機置き場
- ・インターホン
- ・玄関ドア/ポーチ
- ・住宅用火災警報器
- ・給水配管
- ・窓ガラス/網戸
リノベ可能な賃貸物件であっても、上記の部分は改修できないことも多いので注意しましょう。
バリアフリーが目的でリノベーション可能な賃貸物件を借りる時は、玄関まわりやバルコニーの改修ができないことがネックになるかもしれません。戸建ての賃貸物件の場合は、他の世帯と共用する部分はありませんが、DIY可能な範囲があらかじめ決められている所も多いようです。
DIY型賃貸借契約に必要な「申請書・承諾書・合意書」と特約
賃貸物件では、本来原状回復が賃貸の原則です。しかしDIY型賃貸借では、原状回復義務なしとする場合もあります。
契約段階で書類を取り交わし、トラブルを未然に防ぐ
借主がリフォームやリノベーションを行えるDIY型賃貸借では、契約当事者間であらかじめ合意すべき内容を確認して、賃貸借契約書の特約事項・申請書兼承諾書・合意書として取り交わし、トラブルを未然に防ぎましょう。
- ●賃貸借契約書の特約条項:通常の賃貸借契約に加え、DIY工事に関する特別な取り決め(特約)を設けます。
- ●申請書兼承諾書:借主がDIY工事をしたい旨を貸主に申し出る際、工事の内容を明らかにし、貸主の承諾を得るための書面です。工事の内容、施工方法・使用資材等、所有権の帰属、原状回復義務などを具体的に記載します。
- ●合意書:増改築等の実施にあたり、契約期間中の管理や修繕の責任、退去時の精算などについて、貸主と借主が合意した内容を確認する書面です。
退去時に原状回復不要にする条件
DIY型賃貸借では、原状回復義務なしとする場合は、以下のポイントを契約時に取り決めておく必要があります。
- ●工事項目・範囲を明確にする
- ●工事後に設置されたものの所有権を決めておく
- ●退去時に撤去か残すかを取り決める
工事したものを残すなら機能が保たれているかも確認し、補修が必要かも話し合います。 さらに工事費用を借主が負担した場合、明渡し時に残存価値があれば貸主が借主に支払うかどうかも含めて、事前に確認しておきましょう。
サブリース物件の場合に気をつけたいこと
サブリース物件とは、物件所有者が保有する物件をサブリース会社が一括で借り上げ、入居者へ貸し出す物件のことです。DIY型賃貸借がサブリース物件の場合は、サブリース会社が貸主(転貸人)、入居者が借主(転借人)となります。
DIY型賃貸借では所有者・貸主・借主の三者で合意を取り、申請書兼承諾書・合意書などは全員の同意・署名押印があることが基本です。また、貸主と建物の所有者との「原賃貸借契約書」は、転貸借をDIY型賃貸借で行うことを前提としたものとして作成します。
賃貸マンションでリノベーションする手順
リノベーションできる物件でも、戸建てよりマンションの方が、計画から入居までやることが多くなります。手順を確認して、期間に余裕を持ちながら準備を進めていきましょう。
まずはリノベーション内容のイメージを固める
リノベーションをして、どのような住まいにしたいか、内装のイメージを固めましょう。まずは「どんな部屋に住みたいか」「どんなデザインが好きか」「どんな設備が欲しいか」などざっくりとした内容から形にしていきましょう。
インテリア雑誌やSNSの写真などで好みのものを集めて徐々にイメージを具体的にしていくのがおすすめです。
パナソニックの「リノベーション特集」のページでは、実際のリノベーション事例と、デザインアイデアを分かりやすい画像で紹介しています。
物件のルールを確認する
入居したいリノベーション可能物件を見つけたら、自分がしたい工事が可能か物件のルールを不動産会社や管理会社に確認しましょう。
リノベーション可能であっても、マンションによっては物件独自の特殊な規則を設けていることがあります。
たとえば、
- ・内装に使えない素材がある
- ・床材の遮音性能に規制がある
- ・配管や設備の場所は動かせない
- ・導入できない設備がある
- ・電気容量に制限がある
- ・土日は工事ができない
などが例として挙げられます。
リノベーションの内容が具体的に決まっている場合は、「内装をフルリノベできる物件」「間取りの変更ができる部屋」など条件から物件を探すのも良いかもしれません。
使用する内装材の種類によっては建築基準法や消防法などの法令違反となってしまうこともあるので、事前に専門家に確認しておくと安心です。
リフォーム会社の選定
賃貸物件でリノベーションを検討する場合、まず貸主の承諾を得ることが前提になります。マンションでは工事できる範囲や施工時間などが管理規約で定められているため、戸建てとは進め方が異なる点にも注意が必要です。
リノベーションを行う場合は、リフォーム会社との契約が必要になります。賃貸マンションの施工実績がある会社であれば、管理規約への対応や近隣への配慮についても相談しやすく安心です。
設備の入れ替えなどを検討している場合は、実物をショウルームで確認しておくと、サイズ感や仕様のイメージがつかみやすくなります。
マンション管理者と工事内容について事前協議する
入居したいマンションが決まったら、管理側と契約前に事前協議を行います。
- ・リノベーションをする範囲
- ・物件のルール
- ・リノベーション内容の所有権
- ・原状回復についての取り決め
などの点において借主・貸主で協議していきます。
両者とも同意できたら賃貸借契約書を取り交わします。契約書に事前協議の内容がきちんと記載されているか、細部まで確認してから契約をすることをおすすめします。
マンションに申請し合意する
賃貸借契約が済んだら、リノベーションの申請を行います。所定の申請書に必要事項を入力して管理会社や大家さんに提出。承認を得て合意書を取り交わしたら具体的にリノベーションを進めていきます。
必要であれば、物件の図面や修繕履歴に関する書類も貸主から提供してもらいましょう。
現地調査・見積り
リフォーム会社に依頼する場合は事前に見積り作成を依頼しましょう。適正な内容と価格でリノベーションするためにも、3~5社程度で相見積もりを取るのがおすすめです。
リフォーム会社の見積りは、採寸や物件の状態確認、希望する工事内容や設備によって算出されます。
現況調査から見積書の発行までは1週間程度かかり、見積書の有効期限は1か月程度のことが多いので、相見積もりを取る場合は、スケジュールに余裕をもって進めましょう。
見積書が出たら、金額・工事内容・費用の内訳などを細かくチェックします。不明な点があればその都度リフォーム会社に確認を取り、工事の内容や金額について不明な点を残さないようにします。
DIY型賃貸借などで自ら改修を行う場合は、契約で認められた範囲を確認します。工事前の状態が分かるよう写真を撮影し、データとして保管しておくと安心です。騒音が出る作業を行う場合は、事前に管理者へ確認し、近隣への配慮も忘れないようにしましょう。
リフォーム会社と契約を結ぶ
見積り内容や工事範囲に納得できたら、リフォーム会社と契約を結びます。
補助金の対象となる改修を行う場合は、原則として工事着工前に申請が必要です。登録事業者による施工が条件となる場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
工事期間が決まったら、貸主や管理会社へ日程を共有します。マンションの場合は、工事申請や近隣への告知が必要となることもあります。
また、リフォームローンを利用する場合は、契約書や工事計画書の写しを金融機関へ提出する必要があります。必要書類や提出期限を確認し、手続きを進めましょう。
工事期間中の生活計画を立てる
日数がかかるリノベーションの場合は、工事期間中の生活について考える必要があります。
賃貸物件からの引越しの場合は、
- ・今住んでいる物件の退去日を工事完成後に調整する
- ・家具や家電、荷物の整理をする
- ・定期的に現場の様子を見に行く
- ・引越し業者の選定
などの作業が発生します。
すでにリノベーション可能物件に住んでいる場合は、
- ・仮住まいの確保
- ・家具家電等の保管
- ・仮住まい期間中の郵便物の転送手続き
などが必要です。
工事中に現場を確認する際は、工事の進み具合や今後の予定を確認しておくと、その後のスケジュールが立てやすくなります。
引き渡し時には物件管理者も立ち会う
リノベーションが完了して、リフォーム会社から引き渡される時は物件管理者にも立ち会ってもらいましょう。
事前に申請した工事内容と一致しているか確認する必要があるためです。
当日は、リフォーム会社の担当から工事内容について詳しく説明してもらいましょう。
引き渡し後に入居することになります。近隣住民に引っ越しの挨拶をする場合は、このタイミングで行います。
工事した部分や導入した設備に不備があったら、すぐに担当者に連絡し、アフターフォローをしてもらいましょう。
使えない設備をそのままにしておくと、退去時にトラブルに発展する可能性があります。
賃貸物件でリノベーションする際のポイント6選
賃貸物件でリノベーションする際に、気をつけたい6つのポイントを紹介します。
①工事の範囲を確認
DIY型賃貸借に対応していたり、リノベーションやリフォームOKと表記されていても、物件によって許容する工事の範囲は異なることがあります。
内装を変えたり、設備交換はできても、間取りを変えるなど大掛かりなリノベーションは認めていない物件もあるので、賃貸借契約を結ぶ前に確認をしましょう。
マンションの場合、構造によっても可能な工事の範囲が異なります。間取り自体を変えるスケルトンリノベーションを行う際、部屋を仕切る壁を取り壊さなければなりません。
マンションにはラーメン構造と壁式構造があります。ラーメン構造は低層から高層マンションまで広く用いられており、壁式構造は主に5階以下の低層マンションで採用されています。
ラーメン構造とはドイツ語の「Rahmen(枠)」が由来で、柱と梁で建物を支える構造です。部屋の中の壁を取り払っても問題なく暮らせます。
しかし、壁式構造の場合は壁で建物を支える構造なので、必要な壁を撤去したり壁に大きな穴を開ける工事はできません。
壁式構造は、リノベーションの自由が少なくなりますが、耐震性が高い構造なので、古い物件であっても安心して過ごせるという利点もあります。
②リノベーション部分の所有権を確認
リノベーションをした部分の所有権も工事前に管理者側と決めておくべきポイントです。
壁にペンキを塗ったり、フローリングを張り替えたりと住宅と一体となって分離が難しい部分は、貸主が所有権を持ちますが、設備の交換や新規導入した設備など分離できる部分は所有権の確認が必要です。
工事をした借主に所有権がある場合は、退去時には改修部分を撤去するのかなどを工事前に確認しておきましょう。
③原状回復の範囲を確認
DIY型賃貸借やリノベーション可能な物件は、基本的に原状回復の義務はないところが多いようですが、通常損耗や経年変化以外の理由で、退去後の補修や新たな設備導入が必要な場合は、原状回復のための費用を請求されるかもしれません。
- ・リノベーションで設置した設備が故障した(調理器具や給湯設備など)
- ・DIYした部分の所有権が借主にあり、撤去する際に物件を破損してしまった
- ・DIYが認められている以外の箇所を同意なしに改修した
- ・共有部分を改修していた
などの場合は退去後であっても、補修が必要なケースがあります。
リノベーションをする際は必ず工事前に管理者側と同意を取り、決められたルールを守りましょう。
④修繕費用の帰属を確認
リノベーションやDIYにかかる費用は借主が負担することがほとんどです。その代わり家賃が安く設定されたり、原状回復の義務を免除されています。
しかし、物件や改修工事の内容によっては、貸主が費用の一部を負担してくれることがあります。
修繕・改修費用の負担については事前に説明があるはずです。もし説明がなかったら、不動産会社や管理会社に確認しましょう。
⑤大規模な工事をする時は周囲の部屋への配慮も忘れずに
工具を使うDIYや、リフォーム会社が入るようなリノベーションの場合は工事中の配慮が必要です。
マンションの場合、リフォーム会社の出入り時間を夕方までと定めている物件が多いですが、仕事の都合上、日中家にいる人、赤ちゃんや高齢者がいるご家庭の生活には少なからず影響を及ぼします。
- ・工事中の作業音
- ・作業時に発生する粉塵やゴミ
- ・塗料や有機溶剤等の臭い
などの苦情がリノベーション時に、近隣から寄せられることが多いようです。
リノベーション可能な物件であれば周囲の方も理解があるかもしれませんが、数か月続くような大規模な工事をする場合はストレスも溜まりやすいので事前に十分な告知をしておくことをおすすめします。
- ・工事の期間(開始と終了の日時)
- ・工事の時間帯と内容
- ・緊急連絡先
- ・リフォーム会社の駐車場所
などを記載して、マンション共用部の掲示板やエレベーター内に、お知らせを貼っておくのが一般的です。
工事中は騒音が発生する可能性があります。上下階や隣接する住戸への配慮を忘れず、必要に応じて事前に挨拶しておくと安心です。
手土産を持参する場合はタオルや洗剤、ちょっとした菓子折りなど1,000円前後のものが一般的です。
挨拶は自分(借主)が行うのがベストですが、仕事で挨拶まわりの時間が取れないなど事情がある場合は無理する必要はありません。リフォーム会社が周辺住宅への挨拶を代行してくれることもあるので、依頼できるか聞いてみましょう。
特に若い女性の1人暮らしなどの場合は防犯的な観点からも、無理せずできる範囲で行うことをおすすめします。
戸建て物件の場合も、住宅街であれば最低限両隣に住んでいる方への挨拶はしておきましょう。
⑥工事の際は大家さんや管理人に立ち会ってもらう
リノベーションの工事前後は大家さんや管理会社の担当に立ち会ってもらいましょう。
立ち合い確認で工事内容が事前に申請した内容と相違ないことを確認してもらうことで、後でトラブルが発生する可能性を抑えられます。
もしも工事中になんらかの不備で、元々の設備を破損してしまった場合は、迅速に連絡してその部分の処遇について借主と貸主で話し合って決めましょう。
まとめ
リノベーション可能な賃貸物件を利用すれば、物件を購入しなくてもお部屋を自分の好みにDIYできます。
リノベーションやDIY可能な賃貸物件は家賃が安く設定されているので、タイミングとニーズが合えば好条件の物件に住むことも夢ではありません。
ただ、リノベーションが可能な賃貸物件は、物件ごとにルールが異なる可能性もあり、入念な事前確認が必要となることが多いようです。
リノベーションやDIY可能な賃貸物件には貸主、借主共にさまざまなメリットがありますが、耐震性能や雨漏れなど建物の基本性能に問題がある場合などにはその修繕費用を借主自らが負担しなければならない場合があります。
こうした物件は築年数が古い物件が多いため、必要によっては契約する前に専門家に建物診断を依頼するなどの事前調査をしっかりと行うことが大切です。
賃貸物件のリノベーションに興味がある方は、今回ご紹介したポイントを活かして住まいを素敵に生まれ変わらせてみてはいかがでしょうか?
監修協力

亀田 融(かめだ とおる)さん
匠住宅診断サービス
1級建築施工管理技士/宅地建物取引士/マンション管理士/JSHI公認ホームインスペクター
東証一部上場企業グループの住宅会社に現場監督及び住宅リフォーム事業の責任者として約33年間勤務。その後2015年10月よりホームインスペクション(住宅診断)の専門会社を立ち上げて運営すると共に、小規模リフォーム会社の顧問としても活動中。