住宅用雨といの「熱対策」には、「熱伸縮率が小さい雨とい素材の選定」と「長尺施工での軒といの膨張・収縮の調整」が重要なポイントです。
(アイアン雨といの熱伸縮率はプラスチック雨といの約1/4ですので、20mまで長尺施工が可能です。)
※プラスチック雨とい(軒とい)を採用される場合は、集水器落しなどにより必ず軒といの縁を切って施工してください。
注1)当社の実施工確認から、長尺施工の長さの目安を20mとします。(図-1参照)
アイアン雨とい20mの伸縮量は、下記のように計算値は、25.2mm、実測値では計算25.2×0.7=17.6mmとなります。
しかし、寄棟で20mの長尺施工をしても、伸縮量が小さいため、曲りの割れ、曲りよりの軒といの外れ、軒といの変形などがないことを実施工テストで確認しています。
注2)けらば部と軒といが干渉する納まりの場合は、止まりとけらばの間は10mmの隙間をあけて施工してください。(図-2参照)
注3)軒先に見切り材を取り付ける場合は、軒といと見切り材の隙間を10mm以上あけてください。(図-3参照)
10mm以上あけることができない場合は、下記を参照に軒といの伸縮調整を行ってください。
△L=L・α・(60-t)
△L : 軒といの伸縮量(mm)
L : 軒といの長さ(mm)
α : 線膨張係数(/℃)
60 : 軒とい表面最高温度(℃)
t : 施工時の軒とい温度(℃)
※アイアンの線膨張係数α=1.8×10-5
〔計算例〕
施工時の軒とい温度t=-10℃(冬期)、軒とい長さL=1m=1000mmとして、アイアン雨とい
1m当たりの伸縮率を計算します。
注)ただし、実測値では計算値×0.7(=0.88mm)位になります。
熱伸縮に強いアイアンですが、温度差によって少なからず伸縮します。
20m以上の長尺施工の場合には、下記要領から、「アイアン雨とい」
の伸縮の調整をしてください。軒といの伸縮調整には、
■エキスパンション施工方法(20m以上の長尺施工の場合に適用)
・自在ドレンでの長尺施工の場合は、現場加工でエキスパンション対応
してください。(例)サーフェスケア FS-Ⅰ型