タブチん×Z世代 座談会 「集う」がキーワード。Z世代が見つめる住まいの未来。

これからの住まいづくりを担うのが、Z世代と呼ばれる若者たちです。彼らが求める「理想の暮らし」とは?
タブチさんとの座談会を通して、住まいの未来像を一緒に考えてみましょう。

座談会参加者

タブチさん

(住宅デザイナー)

ヌリノさん

(22歳・学生・起業家)

サイトウさん

(22歳・学生)

イイダさん

(25歳・起業家)

自宅に人を招きたいから、
部屋の片付けが習慣になった。

タブチ:住まいづくりのトレンドとして、「集う」というキーワードが挙げられます。Z世代の皆さんは実際どう感じていますか?

ヌリノ:僕は常に誰かと一緒に過ごすのが好きなので、「集う」という発想にはとても共感します。祖父母の世代だと、家には縁側や応接間がありますよね。僕自身、小さい頃は放課後を祖父母の家で過ごしました。「集う」を前提にした空間がとても好きなんです。

サイトウ:同感です。私は今、4人家族で3LDKのマンションに住んでいます。客間がないので、人を呼ぶ機会がほとんどありません。その反動なのか、人が集まれる家に憧れがあります。

タブチ:僕らの世代からすると、家に人を招いたり招かれたりするのはもっとハードルが高い気がする。招くときは、事前に部屋を掃除しなくてはならないから。それを億劫に感じる人も少なくありません。その裏返しで、自分が他人の家に上がるのも気を遣ってしまうんだよね。

サイトウ:そもそも物をたくさん持たないから、掃除が大変という感覚もありません。部屋が物であふれるのがストレスなんです。

イイダ:確かに。物があっても、収納の工夫で簡単に隠せるようにしておきたいですね。

ヌリノ:定期的に人を呼ぶことによって、部屋の片付けが自ずと習慣になっているのかもしれません。僕の場合、月に一度はホームパーティーを開くので、部屋はいつ誰が訪ねてきてもいいように整頓しています。

デジタルが身近にありながら「集う」を大切にするZ世代。人が集える家づくりを自然と意識している。

リアルで会いたいけれど、
自分だけの時間もキープしたい。

イイダ:集うために部屋をきれいに保つことが、ライフスタイルの一部になっているよね。そのベースには、寂しさがあるように思います。

タブチ:それは興味深い。その寂しさはどこから来ているんだろう。

イイダ:いわゆる「SNS疲れ」じゃないでしょうか。オンラインで常につながっているのに、物理的には離れている。そこに空虚さを感じるんです。

サイトウ:オンラインが浸透したからこそ、オフラインの良さをあらためて実感しています。自然が豊かな田舎に惹かれるのも根底は同じ。私たちは、SNSから受け取る情報量の多さに辟易していて、だからこそ「リアル」な体験を求めているのかも。

タブチ:みんな「集う」を大事にしていることがわかってきたけど、一方でプライベート空間はやはり確保したい?

イイダ:僕は一人の時間がないとダメなタイプではあります。「ここから入ったらだめ」くらいにしっかり部屋を区切りたいですね。

「オンラインが浸透し、当たり前になってきたからこそリアルの場の良さを実感している」とサイトウさん。オンラインで人と繋がることが当たり前になってきた今、環境の変化を求めているのかもしれない。

ヌリノ:集うのが好きな僕も、実家で一人になりたいときは、たいてい自分の部屋に籠もっています。

サイトウ:私も、人付き合いに疲れたときは、一人で考えを整理したくなります。でも、きっちりと空間が区切られていなくても構いません。例えば、玄関入ってすぐにみんなが集まれるスペースがあって、プライベートな空間は家の奥や2階の小さなスペースに机とベッドがあるだけでも十分です。

僕たちは50年後も
地球で暮らさないといけない。

タブチ:そうしたみんなの思いを反映すると、具体的にどんな住まいが理想として浮かび上がってくるだろう?

ヌリノ:薪ストーブを取り入れたいです。火を囲むと自然に語らいが生まれますよね。木造建築にも憧れがあります。鉄骨やコンクリートにはないあたたかみや生命のエネルギーのようなものが、木材にはあるような気がするんです。

タブチ:やっぱり「集う」を叶える設計が軸になるんだね。

「Z世代は僕の先生」というタブチさん。新しい世代の考え方や、リアルなニーズにワクワクしています。

ヌリノ:そうですね。集う場所として和室も取り入れたいです。祖父母の家で過ごす時間が長かったせいか、僕にとって団らんといえば畳の部屋のイメージがあります。畳=古臭いとは思いません。

イイダ:畑のある庭も欲しいですね。今は庭がない家に住んでいるので、漠然とした憧れがあります。

タブチ:僕ら世代の感覚では、庭は「手入れが面倒」というイメージ。設計士は、庭のない家をリクエストされることがけっこうあったんだよね。庭に対するイメージにも、世代間のギャップがありそうだ。

ヌリノ:僕にとって庭の良さは、外気とじかに触れられる空間であること。管理の手間を省くために人工芝でも構いませんし、屋上や少し広いベランダがあるだけでも十分な気がします。

サイトウ:私にとって外せないのは、断熱性の高さです。旅行先でたびたび民泊を利用するのですが、断熱構造の有無によって快適さがまるで違います。断熱構造になっていればエアコンの使用も少なく済みますよね。光熱費の節約になりますし、地球環境にもやさしいところが魅力です。

タブチ:環境への意識の高さもZ世代の特徴かもしれないな。地球にやさしい設計が、自分たちの幸福感に直結しているよね。

イイダ:小学生の頃から授業で環境問題について教わってきたからかもしれません。SNSの影響も大きいです。有名人が意見を表明したり、森林火災の動画がアップされていたりすると、とてもインパクトがあります。

ヌリノ:僕たちは、50年後も地球で暮らさないといけないし、次世代が住める環境を残したい。環境問題を自分事と捉えているんです。

環境問題を未来の問題ではなく、自分事として考えるZ世代。「50年後もこの地球に暮らす僕らにとっては大切なこと。小さなころから学校でも教わってきた」とヌリノさん。

心が豊かになる、
プラスアルファを求めて。

タブチ:これまでの話を踏まえて、10年後、20年後はどんな暮らしをしていたいですか?

ヌリノ:僕にとって、自分の家は城のようなもの。大勢の人を招ける家にしたいと思います。結婚したら、パートナーが友だちを呼んでホームパーティーするのも大歓迎です。

イイダ:都会と田舎、2拠点で生活したいです。平日は通勤せざるを得ないので、都心に部屋を借りる。一方で、休日を過ごすのは田舎の一軒家。駅からも遠くて近所にコンビニもなく、電波すら届かないような場所で、近所の子どもたちからご年配までいろんな方々を招くんです。仕事や買い物など、生活に不可欠なことをするための家「ライスハウス(rice house)」と、人生をより充実させるための家「ライフハウス(life house)」。2拠点生活で暮らすのが理想です。

イイダさんは「平日は通勤を考えて都会に、週末は田舎でのんびり」と、自身の暮らしを現実的に考えながらメリハリの効いた2拠点生活を理想に持っている。

サイトウ:私も都会のせわしなさから離れて、自然豊かな場所に住みたいです。現代は、技術の進化もあり、どんなところに住んでも効率的で機能的な生活を送ることはある程度可能だと思います。その分、心を豊かにするプラスアルファの価値を求めるのかもしれません。

ヌリノ:その価値って、いわゆる「エモい」ってことだよね。マーケティングの分野でよく言われるけど、モノ消費ではなくコト消費。

イイダ:分かる。例えば、この商品を作った企業や人にはこんなバックグラウンドがある、といったストーリーのこと。

タブチ:なるほどね。魅力的なものと楽になれるもの、どっちを買いたいかというと……。

サイトウ:魅力的なものを買いたいです。

ヌリノ:ただ、かっこいいイメージだけ取り繕われても冷めてしまいます。等身大で、実際の機能とそのバックグラウンドに一貫性があるのが大事。そこに僕たちは共感します。

タブチ:コト→機能→バックグラウンドの一貫性だね。大人たちはできた商品をこじつけて、コトを持っていくということをしたんだけど、それが崩壊した。それがここ最近のような気がするね。やっぱり新しい世代の考えは、おもしろいね。

(座談会の内容は2022年11月取材当時のものです)

Z世代が選ぶリアルな“これがいい!”パナソニック商品

今回Z世代のみなさんはパナソニック ショウルーム 箕面で最新の住宅設備を体験。“これいい!”と感じた商品を選んでいただきました。

−ヌリノさんの“これいい!”−
マルチワイドIH付きの
アイランドキッチン

「キッチンをそのまま食卓にして、みんなでここを囲んで焼肉ができたら楽しそうだなと。カウンターチェアを使えばバーみたいにもなります。キッチンだけど『集う』のにも最適。そこが気に入りました」

−イイダさんの“これいい!”−
昇降式ウォールユニット
付きのキッチン

「これならボタンひとつで食器や調理器具を隠せます。人に見られても恥ずかしくないというのが個人的にはツボでした。やはり「人を招く」ことが前提になるので。水切り棚があり、洗ってそのまま置いておけるのもいいですね」

−サイトウさんの“これいい!”−
BEVAS 照明付きカウンター
搭載のバスルーム

「以前は、身体の汚れを落とすだけのところとしか考えていなかったお風呂。今では毎日1時間入るようになりました。あたたかみのあるホテルライクな間接照明が付いたバスルームなら、心身ともにもっとリラックスできそうです」

撮影場所:
パナソニック ショウルーム 箕面

パナソニックの住宅設備を体感いただけるのはもちろん、ショウルームの一角に住宅デザイナーのタブチさん、壁紙デザイナーのTOMOMIさんとコラボした「LIFE STYLE WALL」を展開。自身のライフスタイルイメージを探しながら商品を楽しく選ぶことができます。

〒562-0013 箕面市坊島4丁目9番15号
0800-170-3861
https://sumai.panasonic.jp/sr/minoh/

Panasonicの住まい・くらし SNSアカウント

  • すむすむ公式 Facebook
  • すむすむ公式 X
  • すむすむ公式 Instagram
  • すむすむ公式 LINE
  • すむすむ公式 Youtube