日々を楽しむ小さな工夫 
カラーデザイナー 秋山千恵美さんvol.3

日々を楽しむ小さな工夫031-vol3 セルフペイントで愛着のある住まいをつくる

「壁に色を取り入れるなら
セルフペイントが断然おすすめです」

壁に色を取り入れたいときの秋山さんのおすすめは、何と言っても“セルフペイント”です。
「自分で塗るのは大変では? と躊躇する人が多いかもしれませんが、やってみると意外と簡単です。失敗しても塗り直しがききますし、自分で手をかけることで愛着もわきます。自信がない場合はまず塗料専門店などが主催するワークショップに参加してみると取り組みやすいですよ」。
一度体験すれば、インテリアを自由に演出する楽しさを実感できたり、その先のアイディアがわいてくるのもメリットなのだとか。

「ペンキを選ぶ前に自分の好みを探って
イメージをしっかり固めて」

ペイントすると決めたら、まず取り組みたいのがイメージづくりです。自分がどんな色や色合わせに心地よさを感じるのかを知り、プランを練ることが大切。インテリア系のSNSや雑誌を沢山見てイメージを固めたり、写真のように色の組み合わせパターンを考えながら、自分の好みを探ることからスタートします。
イメージが決まったら、次は塗料選びです。色はもちろん、自分で塗ること、そこで生活をすることを考えて安全性にも配慮したいもの。
「ツンとした臭いがなく、体への負担がない塗料を選ぶといいですね。海外の製品の方が安全基準が高いので、チェックしてみてください」。

「イメージ通りの仕上がりにするために
試し塗りするのも大切です」

「壁を塗ってみたらイメージと違った! 」なんてことにならないように、色選びは慎重に。おすすめは、多少面倒でも試し塗りをしてみることだそう。メーカーによっては100ml程度の塗料が入ったサンプルポットも販売されているので、気になる色の中から彩度や明度に微妙な違いがある3色程度を塗ってみて、比較検討するのがよいそうです。
また、同じ色でも小さなカラーチップで見ているときより、広い壁面の方が色が浅く感じる傾向にあることも注意。チップの方が濃く見えることを意識して選びたいところですが、万が一想定より濃く出ても、意外と失敗はないそうです。
とは言え、広い壁を塗るのは多少なりとも勇気がいるもの。
「もし躊躇するようなら、家具やドアから始めてもいいと思います」と秋山さん。まずは小さなところから“自分好み”の空間づくりにトライして、感覚を掴んでみてもいいですね。

光の種類によって色の見え方が変わってくる

2枚の写真はいずれも同じ場所で撮影したもの。ピンクの色壁空間ですが、左は青みのある照明、右は黄色みを帯びた照明に切り替えた時の様子です。光の条件によって色の見え方が異なることがよくわかります。(※塗料に含む顔料の量によっても変化具合は違ってきます)。
ほかにも、西日がよく当たる部屋と朝日が当たる部屋でも、色の見え方は違ってきます。色壁にしたい位置を決めたら、照明や時間帯による色の変化をあらかじめ確認しておくと、イメージ通りに仕上がりそうです。

2枚の写真はいずれも同じ場所で撮影したもの。ピンクの色壁空間ですが、青みのある照明、黄色みを帯びた照明に切り替えた時の様子です。光の条件によって色の見え方が異なることがよくわかります。(※塗料に含む顔料の量によっても変化具合は違ってきます)。
ほかにも、西日がよく当たる部屋と朝日が当たる部屋でも、色の見え方は違ってきます。色壁にしたい位置を決めたら、照明や時間帯による色の変化をあらかじめ確認しておくと、イメージ通りに仕上がりそうです。

古家具にペイントして
アップサイクルするのも楽しい

古いものに装飾アイディアを加え、新たな価値を生み出すのが“アップサイクル”。ペイントはまさにアップサイクルにぴったりのテクニックです。「広い壁を塗る勇気が出ないものの、ペイントに興味がある人には、家具のペイントから始めてみて!」と秋山さん。「色壁に合わせてインテリア小物をペイントし、全体の統一感をアップグレードしてもいいですね」。

一部画像提供/カラーワークス

Fin

Profile

秋山千恵美 Chiemi Akiyama

秋山千恵美さん 写真

建築カラーデザイナー。体に害のない環境ペイントや壁紙を扱う「カラーワークス」副社長。一般社団法人日本カラーマイスター協会代表理事。一般住宅や店舗、オフィス、病院など、さまざまな空間の色のコンサルティングを行う傍ら、セミナーやワークショップなどでも色の楽しさを伝えている。

https://www.colorworks.co.jp/

colorworks_jp

一般社団法人日本カラーマイスター協会
https://color-meister.com/

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