日々を楽しむ小さな工夫 
カラーデザイナー 秋山千恵美さんvol.2

日々を楽しむ小さな工夫031-vol2 壁に色を取り入れる際の色選びのポイントとは?

「面積の広い床の色に配慮して
壁の色をコーディネイトしましょう」

以前よりも家で過ごす時間が長くなった今、より気持ちよく過ごすためにインテリアを見直す人が増えているようです。建築カラーデザイナーの秋山千恵美さんによれば、壁のペイントに目を向ける人も増加傾向にあるそう。これから検討したいと考える方にアドバイスするとしたら、一番大切なのは床の色とのコーディネイトなのだとか。
「壁と同様に床は面積が広く、意外と目立つものです。壁の色を選ぶ際には床との調和が欠かせません」。
例えば人気の高い木目の場合でも、赤みの強い茶色なら壁色にも少し赤みを含む色を、グレイッシュな茶色ならグレー系の色をといったように、色相を揃えていくのがポイント。また、ドアの色にも配慮すると完成度がさらに高まるそう。
「壁の色と統一してもいいのですが、色相を揃えつつ、アクセントになるような色にするのもおすすめです」。

「LDKならキッチンとの相性も大切。
色相や明度の近い色を選びましょう」

キッチン画像/Panasonic

LDKであれば、「キッチンの色との相性もポイント」と言う秋山さん。
「近年ではオープンキッチンが増えてきました。LDKでもかなり存在感があるので、面材の色と壁の色の関係に配慮が必要です。真っ白のキッチンは人気が高く、取り入れている家庭も多いと思いますが、その周囲を色壁にしたい場合は、黄味がかった白やグレージュなどの明るいニュアンスカラーがなじみやすくておすすめ。逆に、キッチン本体がグレーやベージュといったニュアンスカラーの場合は、色相さえ揃えれば大胆な壁色も違和感なく楽しめますよ」。
また、「LDKの壁面に強めの色を使ってみたい」という場合は、リビングの一面のみをアクセントウォールにして、キッチンとアクセントウォールの間に中間色のニュアンスカラーを挟むと全体がまとまりやすいそう。
「ファッションで、服やバッグ、靴をトータルコーディネイトするのと同じ感覚。ポイント的に自分好みの色を取り入れても、全体が調和するように意識しますよね。住まいの空間づくりにおいても、同じように楽しんでみてください」。

床面の色の調整に
ラグやカーペットを使う手も

新築やリフォームのタイミングでない限り、床の色はなかなか変えづらいもの。壁に採用したい色と床の色相がマッチしない場合、ラグやカーペットで床面をカバーするという手も。ラグなら手軽に床面の印象を変えられるのでおすすめです。

小さな空間で、濃い色に挑戦

壁面に思い切った色を使ってみたいけれど、勇気が出ない。そんな風に思う方におすすめなのが比較的小さな空間。濃い色が合って失敗しにくいそうです。
「例えばクローゼットなどは、濃い色と相性抜群。壁が白いと収納物の色が目立ちますが、背景に濃い色を使うと、全体の色調がうまくまとまります。また、水まわりも人気が高い場所。洗面ボウルや便器、面材なども含めて3色程度におさえるとすっきりまとまります」。

一部画像提供/Fish Photo、
ホームデザイン キャスリー、カラーワークス

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vol.3 壁面をペイントする際の
ポイントにクローズアップします。

Profile

秋山千恵美 Chiemi Akiyama

秋山千恵美さん 写真

建築カラーデザイナー。体に害のない環境ペイントや壁紙を扱う「カラーワークス」副社長。一般社団法人日本カラーマイスター協会代表理事。一般住宅や店舗、オフィス、病院など、さまざまな空間の色のコンサルティングを行う傍ら、セミナーやワークショップなどでも色の楽しさを伝えている。

https://www.colorworks.co.jp/

colorworks_jp

一般社団法人日本カラーマイスター協会
https://color-meister.com/

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