日々を楽しむ小さな工夫
空間デザイナー 坂田夏水さんvol.3
「自分の好みや理想を具体的にイメージ
しておくことが大切です」
「壁紙を貼り替えたい」「家具や壁をペイントしたい」など、インテリアに手を加えてみようと思ったとき、最初に必要なのは“具体的なイメージづくり”だと、坂田さんは言います。
「例えば、壁を青く塗ろうと思っても、幅広い選択肢があるので、自分好みの色調を絞り込むために事前リサーチをした方がいいですね」。
坂田さんのおすすめは、SNSなどで見られるインテリア事例の画像検索。色づかいや家具とのコーディネイトなどが参考になり、内装のイメージを具体化にするのに役に立つそう。
「とにかく沢山の事例を見て、ピンと来たものをストックするのが大切。そうすることで、自分が好きな色や柄、メーカーが分かるなど、好みのスタイルが詳細に見えてきます。感性もレベルアップすると思いますよ」。
「プロに依頼する場合は、
パートナー選びや
イメージの共有も大切です」
イメージ画像を集めておくと、プロにリフォームを依頼する際にも役立つと、坂田さん。
「依頼内容を正確に伝え、共有するのは難しいことですが、“こうではなかった”という結果は避けたいもの。その点、画像を共有することは、具体的にイメージが伝わりやすくておすすめです」。
あわせて、パートナー選びも大切。好みのデザインやスタイルが得意な業者を見つけることも、イメージ通りの仕上がりに近づくポイントです。
「電気と排水工事が絡む部分以外は、
DIYが可能です」
リフォームを考えるときに、自らの手で行うか、プロに任せるかの判断に悩むところですが、基準は、「プロに絶対任せるのは、電気と排水が絡む部分」と坂田さん。それ以外は、難易度に幅はあるものの、おおむねDIYが可能だそう。あとはやる気と求めるクオリティ、予算など、個人の事情によって選択します。
「セルフリフォームするか、プロに任せるかは、服の裾上げを自分でするかお直しに出すかの意識の違いと考えればいいと思います」と坂田さん。
いずれを選んでも、自分好みの部屋をつくるという目的は同じ。仕上がりのイメージをしっかり描いてプランニングすることが、大切だそうです。
ビギナーでも取り組みやすい、
DIYの模様替えアイテム
DIYショップやインテリアショップには、DIYに必要なツールや材料、パーツがたくさん。ビギナーは何をどんな基準で選んだらいいか迷いそうです。坂田さんに、まずチェックしたいアイテムを伺いました。
- 1 簡単に部屋の印象を変えたい場合は、扉や引き出しの取手を変えたり、部屋のドアにサインプレートを取り付けてみては?左下は、石膏ボードに打てるピン。釘が打てない場所に便利で、フレームや鏡、棚の取り付けに役立ちます。
- 2 ペンキは壁紙よりも安価で、作業も簡単。もし失敗しても塗り直せば大丈夫。持ち家のリフォームに。
- 3 賃貸住宅で壁のイメージを変えたい人におすすめなのは、壁紙。壁紙専用の剥がせる糊を選べば退去時には元に戻せ、汚れ防止の役割も果たしてくれます。ペットを飼っている人にも人気だとか。
- 4 DIYを始めるなら、過不足なく道具類を揃えることも重要。坂田さんのお店では必要なアイテムをセットで販売しています。左はペイント用ツールセット(バケツ、ローラー、刷毛、マスキングテープなど)、右は壁紙用ツールセット(竹べら、ローラー、カッターナイフなど)。
壁紙のアレンジアイディア
壁紙を貼るのは難しいけれど、インテリアに取り入れたいという方、あるいは余った壁紙を活用したいという方は、小さなモノに貼るアイディアも。
- 1 壁紙をパネルに仕立てたもの。坂田さんは、土台に画材の木製パネルを使用しているそう。
- 2 スツール座面に壁紙を貼ってデコレーション。ほかにも、テーブルの天板やチェストの1面に貼れば、お部屋のアクセントとして活用できそう。
Fin
次回は、文筆家の
甲斐みのりさんに登場いただきます。
Profile
坂田夏水 Natsumi Sakata
武蔵野美術大学建築学科卒業後、設計事務所、工務店、不動産会社勤務を経て、空間デザインやリノベーションなどを行う株式会社 夏水組を設立。平行してDIYショップ「Decor Interior Tokyo」(デコール・インテリア・トーキョー)を運営し、女性好みのパーツやオリジナルの塗料、壁紙などとともに、DIYの楽しさとアイディアを提案している。著書に『初めてでも失敗しない!リフォーム&インテリアアイデアBOOK』(KADOKAWA刊)『セルフリノベーションの教科書 Premium』(誠文堂新光社刊)など。
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