日々を楽しむ小さな工夫 
空間デザイナー 坂田夏水さんvol.2

日々を楽しむ小さな工夫028-vol2 長い家時間を快適にする住まいづくりのポイントとは?

「暮らし方の変化に合わせて、
改めて住空間を見直す方が
増えてきました」

外出が減り、家で過ごす時間が長くなったことで、生活環境を見直す方が増えたようです。リモートワーク対応のためにワークスペースを捻出するような“取り急ぎ”のやりくりや、外出自粛時間を利用して持ち物を整理した方も多かったことでしょう。空間デザイナーの坂田さんによれば、最近では、さらに家時間を充実させるべく、インテリアを見直す‟第2フェーズ“に向かっている傾向があるそう。
「外食が多かったお父さんが家で食事をするようになって、家族で食卓を囲む時間が増えたことから、キッチン家電や設備、テーブルなどの家具を買い替えをしたご家庭が多かったと聞きます。その生活もなじみ、さらに住まいを居心地よくするために、壁紙の張り替えやレイアウト変更といった模様替えを考えるケースも。家で過ごす楽しみが広がるので、インテリアの改造はおすすめです」。

「リモートワークの
環境づくりも模様替えの
いいきっかけになると思います」

暮らしの変化に合わせて環境を整えた人の中で、とりわけ多かったのが、リモートワークへの対応ではないでしょうか。初期こそ、ダイニングテーブルで仕事をしていた人も、ワーキングスタイルとして定着し始めたことで、よりよい環境を求めるようになったのでは。
「家庭によって事情は異なりますが、可能なら、明るくて広いスペースでリモートワークするのがおすすめ。オンライン会議などで住まいが映り込むこともありますが、背景画像を使ったりぼかしたりするよりも、自分らしく装って見せられるようにと考える方も増えてきているようです。個性的な壁紙を張ったり、好きな色でペイントしたりと、好みの空間づくりに挑戦する機会にしていただければと思います」。
とはいえ、家族が使うパブリックスペースで仕事をし続けるのは困難な日や時間帯も。そのためには、いくつかの部屋にワークスペースをサブ的に設けておき、状況に応じて移動する方法も便利だそう。住まいに求める“快適さ”は時とともに変化しています。「気になる部分が変えどころ」と坂田さん。暮らしの変化をきっかけに、模様替えや空間の見直しを合わせて楽しんでみては?

仕事に集中できて快適な
リモートワーク環境を整える

家族で共有できるワーク&スタディスペースがいくつかあると、さまざまなシチュエーションに対応可能。リフォームや新築でワークスペースをつくる場合、リビングに面した壁に室内窓を設けたプランが人気です。

  1. 1・2 LDKと隣接するように、ワークスペースを設えたリノベーション物件。静寂さをキープしながらも、室内窓を通して双方の様子が見られるのがメリットです。
  2. 3 ユーティリティ内につくったデスクコーナー。家事のほか、趣味の作業や仕事など多目的に使えます。
  3. 4 プライベート性が高く日中は使用しない寝室なら、集中力が上がりそう。ドレッサーと兼用するデスクにしても。

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vol.3 リフォーム、空間づくりを始める際の
注意点についてクローズアップ

Profile

坂田夏水 Natsumi Sakata

坂田夏水さん 写真

武蔵野美術大学建築学科卒業後、設計事務所、工務店、不動産会社勤務を経て、空間デザインやリノベーションなどを行う株式会社 夏水組を設立。平行してDIYショップ「Decor Interior Tokyo」(デコール・インテリア・トーキョー)を運営し、女性好みのパーツやオリジナルの塗料、壁紙などとともに、DIYの楽しさとアイディアを提案している。著書に『初めてでも失敗しない!リフォーム&インテリアアイデアBOOK』(KADOKAWA刊)『セルフリノベーションの教科書 Premium』(誠文堂新光社刊)など。

http://www.natsumikumi.com/

natsumi.sakata

decortokyo

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