日々を楽しむ小さな工夫 
空間デザイナー 坂田夏水さんvol.1

日々を楽しむ小さな工夫028-vol1 ファッションを楽しむ感覚で“インテリアの着せ替え”を楽しんで

「子どもの頃大切にした人形の家から、
インテリアの楽しみを広げてきました」

空間デザイナーとしてリノベーション物件やモデルハウスなどを手掛けると同時に、インテリアパーツを扱うショップも営む坂田夏水さん。建築学科を卒業後、建築事務所や工務店勤務などを経て、専門知識と現場経験を重ねてきました。
「住まいづくりに関わる仕事をしながら最終的にたどり着いたのは、内装とインテリアの間のお仕事。小さな頃からお人形よりもドールハウスのインテリアに関心のある子どもだったようで、原点に戻ったのかもしれません。住まいを豊かにする提案を練るのは楽しいですし、お客さまに喜んでもらえることにも魅力を感じています」。

「ファッションと同じ感覚で
部屋を装えば、
生活がもっと楽しくなります」

内装の施工と並行して坂田さんが力を入れているのが、インテリアのDIYを日本に広めること。グッズやノウハウを提案し、“自分らしい空間”をつくる楽しみについて発信しています。
「ヨーロッパでは、ホームパーティなど自宅に人を招く機会が多いので、その舞台となる住まいはステイタスでもあるのでしょう。日本のように建物を壊すことも少ないので、既存の空間に自ら手を加えて装うお宅が多いですよね。『ずっと同じ壁紙だと恥ずかしい』と、度々張り替える方もいるんですよ」。
日本では、新築時の状態を保つことに重点が置かれる傾向があったり、賃貸住宅には手が入れづらいなどの事情からか、内装を含む模様替えに積極的な人は稀でした。ところが、近年のSNSの普及などから、国内外問わずインテリア事情が見られるようになり、住環境に手を加える人が増えてきているそう。
「今は、気軽に貼ったり剥がしたりできる壁紙など、ビギナーや賃貸住まいの人に嬉しい素材も市販されています。『プロに頼まなくてはいけない』と思わず、服を選ぶ気軽さで、インテリアもアレンジできればいいと思っています」。

「まずは一カ所手を入れてみると、
次に何をしたいか見えてくるはず」

空間づくりやリフォームというと、どこから手をつけ、どうコーディネイトすればいいのか、迷う人も少なくないでしょう。坂田さんからのおすすめは、‟まず1カ所やってみる”こと。
「いきなり全体の完成を目指すと大変ですが、引き出しの取手やドアノブを変えるだけでもイメージチェンジは可能。洋服で言えば、アクセサリーを付け替える感覚ですね」。
どこか1カ所を変えることで、今まで気づかなかったことに目がとまるようになり、「もっとこうしたい」という気持ちが少しずつ膨らんでいくそう。周囲の壁色や家具、床、小物……といった具合に、気になった箇所に少しずつ手を加えれば失敗も少なく、負担にもなりません。また、失敗してもやり直しがきくのがDIYのいいところ。気軽に取り組んでみるのがおすすめだそうです。

内装を大きくイメージチェンジするなら、
壁面からスタートするのがおすすめ!

インテリアイメージを変える際、最も効果的なのは「面積が大きく目にとまりやすい壁面を変えること」と坂田さん。同じく面積が広いカーテンや寝具選びもポイントになります。クッションや小物などは最後にコーディネイトするとまとまりやすいそう。

  1. グレーのアクセントウォールとトーンを揃えてカーテンをセレクト。白とのツートーンでシンプルながら洗練された空間に。
  2. 大胆な柄の壁紙を一面に張った寝室。照明のシェードにも同じものを張って、統一感を出しています。寝具やクッションにも同柄の生地を取り入れて。

画像提供/夏水組

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リフォームにクローズアップ

Profile

坂田夏水 Natsumi Sakata

坂田夏水さん 写真

武蔵野美術大学建築学科卒業後、設計事務所、工務店、不動産会社勤務を経て、空間デザインやリノベーションなどを行う株式会社 夏水組を設立。平行してDIYショップ「Decor Interior Tokyo」(デコール・インテリア・トーキョー)を運営し、女性好みのパーツやオリジナルの塗料、壁紙などとともに、DIYの楽しさとアイディアを提案している。著書に『初めてでも失敗しない!リフォーム&インテリアアイデアBOOK』(KADOKAWA刊)『セルフリノベーションの教科書 Premium』(誠文堂新光社刊)など。

http://www.natsumikumi.com/

natsumi.sakata

decortokyo

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