日々を楽しむ小さな工夫 
インテリアスタイリスト 大谷優依さんvol.3

日々を楽しむ小さな工夫027-vol3 “常に自分に心地よく”を心がけてフレキシブルに模様替えを

「家時間が長くなったことで、
“快適”の基準が変わりました」

仕事で忙しく外出し、家で過ごす時間が短かった生活から、妊娠や出産を経てほとんどの時間を家で過ごすようになった大谷さん。がらりと変わった日々を機嫌よく過ごせるようにと行動したのは、自宅の模様替えでした。
「長い時間家で過ごすうちに、今まで気づかなかったことに気づくようになったんです。好みが変わったのに持ち続けているモノ、必要で買ったものの今は役立たないモノが次々と目につき、窮屈に感じるようになりました」。
そこで、出産までの時間を利用して、今の自分に心地よく、必要なモノを絞り込む作業に没頭しました。
「モノを減らしたことで気持ちが切り替わり、“自分好み100%”に囲まれている今の住まいに幸せを感じています」。

「夫婦ふたり分の仕事スペースの確保と、
オンとオフの切り替えができる
工夫をしました」

持ち物の見直しの次に手を加えたのは、家具のレイアウト。特に変化があったのはワークスペースの捻出でした。ご主人のリモートワークが増えたことから、隣接していた2人のデスクを分け、集中しやすい環境に変更。大谷さんのデスクは収納スペースにしていた部分に移動したそう。入口をカーテンで仕切ることで、使わないときは視界に入らないようにしています。

「ライフスタイルが変化したら、
住まいもフレキシブルに
対応させたいんです」

大谷さんの住まいは50㎡ほどのワンルーム。オープンな空間だからこそ、家具のレイアウトが暮らし方に大きく影響します。 「広くはないので、入居当初はホテルのような感覚で住もうと考えていました。睡眠を大切に考える主人に合わせてベッドのスペースを大きくとったり、大きな仕切りを設けずに開放感を大切にしてきました」。
今は、開放感への配慮を残しつつ、ベビーベッドを加えて子育てや家事がスムーズにできるようにレイアウトを変更。
「この2年弱で、暮らしに求めることが日一日と変化していることに気づきました。空間を更新することは、健やかに過ごすのに大切なポイントです」。
常に自分の気持ちや家族の変化に耳を傾け、新たなビジョンを描きながら、“今”を気分よく過ごす努力を続けています。

家具や植物を使ってコーナーを仕切り
ワンルームを開放的にレイアウト

ベッドコーナーとリビングコーナーをベンチで仕切ったり、ラグでリビングコーナーをゾーニングしたり。視界を遮らずにさりげなく空間を仕切っています。植物の配置によって、効果的に場面転換することも。

画像提供/大谷優依、市原慶子(プロフィール写真)

Fin

次回は、空間デザイナーの
坂田夏水さんに登場いただきます。

Profile

大谷優依 Yui Otani

大谷優依さん 写真

多摩美術大学環境デザイン学科インテリア科卒業。雑誌や書籍のエディトリアルデザイナーを経て、2012年インテリアスタイリストとして独立。ライフスタイル誌や広告などで空間演出やインテリアの提案などを手がける。

https://otaniyui.com/

otaniyui

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