日々を楽しむ小さな工夫 整理収納コンサルタント 本多さおりさんvol.3

日々を楽しむ小さな工夫025-vol3 まず、小さな場所から整理を始めてみると自信とやる気が出てきます

「手をつけやすいのは、
バッグや財布など、
自分だけが使う小物類」

vol.2でご紹介したように、持ち物を1~3軍の3種類に分けて、収納の配置を決めている本多さん。いざ取り組むときの手順について聞いてみました。
「大がかりだと取り組む決心がつかないという方は、バッグや財布の中、あるいはメイク用品だけ、インナーだけ……といった具合に、少量で、かつご自身の判断だけで取りかかれる部分からスタートするのがおすすめです」。
たとえ小さな範囲でも、一度やってみると要領がつかめて、“すっきりする”満足感も十分に味わえます。この経験が、次のカテゴリーに進むためのやる気と勢いを与えてくれるのだそう。

「保管するか悩ましいのが、
思い出の品。私は
写真や紙物をスクラップして
残しています」

持ち物の仕分けが比較的スムーズにできるようになっても、頭を悩ませがちなのが思い出の品類ではないでしょうか。実用アイテムではないゆえに判断基準が難しく、気持ちの上でも手放しにくいモノを多く含みます。
そこで本多さんご自身が実践しているのは、無理に処分せず、抜粋した旅のチケットや手紙、写真などの紙類をスクラップして冊子化するスタイル。ご自身の思い出のほか、妊娠中の写真やお子さんの資料、絵、写真といった子育ての思い出も、冊子を分けてまとめています。
「箱などにしまい込むよりも眺めやすいので、手に取って見直す頻度も上がります。保管もしやすいですよ」。

「持ち物の見直し作業を繰り返すことで、
“無駄”の傾向が見つかるんです」

より快適な住まいを維持するには、管理(所有)するアイテムは少ないほど楽。そこで、一度は1軍、2軍に分けたアイテムでも“適量”かどうかを判断し、可能ならさらにダイエットするのがおすすめだそう。
「整理収納サービスで訪ねたお宅でよく見かけたのは、用途や色形が被るモノを多く所有しているパターン。同じようなインナーやタイツ類が引き出しに10枚なんていう例もありました。必要だと思っても、洗濯の頻度を考えれば所持枚数を減らせます。収納スペースに収まっても、引き出しの奥底にあれば手に取らないのが現実なんです」。

また、持ち物の見直しの際には機械的に分類するだけでなく、手元に残したモノを正確に把握し、手放したモノの傾向に注目することも大切だといいます。
「分かりやすいのが衣類です。デザインが好きでも素材が嫌いだと袖を通さない……など、身につけることなく処分したアイテムには理由があるはず。原因を探れば、次の買い物の際に生かせます。また、手元のワードローブを把握しておけば、似たようなアイテムを増やす失敗も防げますね」。
見直し作業で蓄積したデータは、今後のより良い買い物につながるというわけ。
「好みや暮らし方、必要なものは変化し続けるもの。持ち物も“今”に照準を合わせることで、暮らしやすさを更新していくのがおすすめです」。

収納を“見える化”することで、
持ち物の把握&管理を簡単に

無駄買いの予防に大切なのは、持ち物のラインアップを把握すること。そのためには、収納を“見える化”すると管理がしやすく、結果的に家族にも収納場所を共有しやすくなるメリットがあります。

  1. 右はアウトドアで使うヘッドライトをメッシュのポーチに入れたもの。中身が見えるので存在を忘れない。左はシーズンオフの衣類。
  2. 食材のストックは引き出しの中に立てて収納し、引き出せば俯瞰できるようにしています。紙袋を仕切りに使ってざっくりジャンル別に分けて。
  3. 有孔ボードを愛用する本多さん。家の随所で壁面に掛けて使っています。子どもにも一目瞭然なので、家族の「あれ、どこにあるの?」を解消できます。

Fin

次回は、
北欧ジャーナリストの森百合子さんに
登場いただきます。

Profile

本多さおり Saori Honda

本多さおりさん 写真

整理収納コンサルタント。暮らしをラクにまわす工夫に日々想いをめぐらせて心地よい暮らしを探究し、メディアや個人邸の整理収納サービス(※)でさまざまなアイディアを発信している。夫、長男(5歳)、二男(3歳)の4人家族。著書に『暮らしをそのままの自分に寄せて』(主婦の友社刊)、『今の暮らしを快適に変える収納レッスン』(宝島社刊)、『暮らしをまわす ためず まよわず よどみなく』(エクスナレッジ刊)など。
※整理収納サービスは現在受付休止中です。

https://hondasaori.com/

saori_honda

https://chipucafe.exblog.jp/

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