日々を楽しむ小さな工夫
インテリアスタイリスト 窪田俊さん
フローリスト Harunaさんvol.3
「空間ごとに色や素材、
スタイルを変えて、
場面転換を意識しました」
「最近は出かけていませんね」と口を揃えて言う窪田さんとHarunaさん。だからといって巣籠り生活に飽きたわけではなく、快適なのだとか。
そう思えるのは、リノベーションの際に、住まいをさまざまな場面の集合体と考えて、各部屋のインテリアのスタイルを目的ごとに変えたから。
たとえば、リビングダイニング。「仕事で必要な空間と、住みたい空間は違うんですよね。リビングダイニングはくつろげることが重要だったので、長く好んできたアンティークをベースに、モダンスタイルのアイテムで新鮮味を加えました。照明の配置や明るさにもこだわりました」。
「時間があれば場所を変えて、
雰囲気の違う空間で
ゆっくり過ごします」
また、寝る前の一時間ほどを寝室の向かいにあるスタジオでくつろぐことも多いそう。
「新しいソファが届いてからは居心地が良くなったので、くつろぐといえばもっぱらここですね」。階下のLDKで食事した後、はしご酒をするような感覚で雰囲気を変えて、団らんのひと時を過ごすのが楽しみです。
「とはいえ、ほとんど仕事やインテリアの話をしていますね。盛り上がって、そのままスタジオでスタイリングを始めるなんてことも(笑)」。
「家づくりを通して、自分たちが求める
スタイルが見えてきました」
「どんなインテリアにしよう」「そこでどんな風に過ごそう……」。
好みや先々の暮らしぶりを想定して家づくりのプランを進めていくうち、思わぬ副産物となったのが、おふたり揃って自分らしい作品のスタイルが見えてきたことだとか。
家づくりの過程ではたくさんの判断が必要とされ、その多くは、自分たちの暮らしを見つめ直すことばかり。生活空間の提案に関わる仕事に携わるおふたりにとって、この経験が自分らしい表現を追求する点で大きなステップアップにつながりました。この先も快適な暮らしを更新しながら、住まいも成長させていく予定です。
床材でインテリアの印象が
がらりと変わる
家づくりの素材で特に重要視したのは床です。「面積が広いだけに、床の色はインテリア全体の印象を左右します。大切な場所は予算が張ってもこだわりを通しました」と窪田さん。フローリングやタイルなど、とりどりの床材が暮らしのシーンを彩り、場面転換にひと役かっています。
- モダン+アンティークをテーマにしたリビングダイニングは、重厚感のあるヘリンボーン。
キッチンはランタンタイルですが、茶色を取り入れることでフローリングとなじみよくしています。 - スタジオはモルタルとフローリングの2種をセレクト。フローリングはアメリカのローラースケート場で使われていたヴィンテージの素材を採用しました。
- 細かいタイルを組み合わせた、緻密な職人技が光る玄関の床。白×黒の色の取り合わせで、玄関を入ると即モダンな空間を印象づけます。
- Harunaさんの店舗兼アトリエの床は、グレーのパネルを採用しました。コテ跡を残して漆喰を塗り、ミツロウで防水対策をしているそう。
Fin
次回は、アウトドアクリエイターの
YURIEさんに
登場いただきます。
Profile
窪田俊・Haruna
Shun Kubota・Haruna
インテリアスタイリスト(窪田俊)とフローリスト(Haruna)によるデザインユニット「F.I.N.D UNIT」として、花や植物を積極的に取り入れた空間を提案。雑誌や広告、カタログなどの撮影用のインテリアスタイリング、ボタニカルスタイリングのほか、モデルルームや店舗のコーディネイト、コラム執筆、講師など、インテリアと花に関連する分野で広く活動する。
2020年末から東京都・中野区に拠点を構え、Harunaさんのショップもオープン。現在は予約制で営業中。
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