日々を楽しむ小さな工夫 
住まいコーディネイター 
高橋記子さんvol.3

日々を楽しむ小さな工夫020-vol3 モノを整理してシンプルにすると暮らしがグンとラクになる

「心地のいい居場所と
充実した暮らしを手に入れたら、
たくさんのモノは必要なくなりました」

アンティーク好きで、ディスプレイしたり、植物を育てたり、空間をコーディネイトすることが好き___。 そんな趣向から、長い間高橋さんは公私ともに数えきれないほどの素敵な品に触れ、常にたくさんのお気に入りに囲まれた空間で過ごしてきました。

ただ、ここにきてモノとのつき合い方が大きく変わったと言います。
「趣味は全く変わらないんですが、先々、今までのように多くを抱え続ける労力に怖さを感じたんです。仕事柄、リフォームに伴って収納の相談を受けることも多いので、自然とそう感じるようになったのかもしれません」。

“年齢的にも今が暮らしをオーガナイズする(整える)タイミングなのでは?” マンションの購入をきっかけに、本当に暮らしやすい生活スタイルを模索して、持ち物をコンパクトにしようと決断しました。

「実際に体験してみると、モノの量が心の満足や暮らしの快適さにつながるわけではないと分かります。心を満たしてくれる生活空間を手に入れた今は、シンプルに暮らせることが心地いいと感じるんです」。

  • ディスプレイのように見えるのは日常で使っている雑貨類。厳選してセンスよく並べることで絵になるコーナーに。

  • 食器も大好きでしたが、今は「このサイドボードに入るだけ持とう」というマインドで整理しています。

  • 靴はエントランスのベンチの下に収納。「必ず履く靴だけに絞ったらコンパクトになりました」。衣類もしかり。

「生活雑貨はバスケットなどにイン。
家具やラグと色合いを揃えて、
空間になじませます」

今の住まいには、造りつけの収納がほとんどありません。子どもが泊まりに来たときや季節外の荷物置き場などに使う予備の1部屋に衣類用の収納があるのみ。
食器やベッドリネンなどはLDKに置いた家具にそれぞれ収納していますが、消耗品のストックや猫のおもちゃ、スリッパなど出し入れのしやすさを優先したいモノには、バスケットや木箱が活躍。バスケットは昔から好きなアイテムなのでたくさん持っていて、ディスプレイ感覚で実用できるので重宝します。

  • ストックをバスケットに。ひとり暮らしなので、ストックはひとつあればいいと決め、コンパクトにまとめています。

  • トイレットペーパーもバスケットにまとめて。お気に入りのヘキサゴンタイルとも相性よくなじんでいます。

  • 頻繁に出し入れする猫グッズもバスケットに。カラフルでも、ナチュラル素材の雑貨に収納すれば周囲になじみます。

「見せる収納はごく一部。
厳選したお気に入りだけを、
場所を絞って置いています」

今もモノが好きなことには変わりなく、「好みの雑貨は身のまわりに置きたい」という高橋さんですが、引っ越しを機に実用性に欠けるアイテムは持たない、飾らないと決めたそう。

「だから、一見飾っているだけのように見えても、すべて実用品。キッチンでは調理器具を見せる収納にしているので、空間になじむように色味を統一するように気をつけています」。

また、家具の上やニッチ(壁面などに設けた凹み)など、動線を遮らない場所を活用することで、広い空間をキープ。1LDKの大胆な間取りを生かす工夫は、ディスプレイ面でも配慮しています。

「家づくりにこだわったことで、無理なく、持ち物を減らすことができました。掃除や整理整頓に割く時間も減ったせいか、時間や気持ちの余裕も得られた気がします」。

これからも変わらず、猫たちとの心地良い時間を大切にしていきたいと語る高橋さん。最近では、窓の外に見えるガーデンスペースを少しずつ整えたいという気持ちも沸き上がり、住まいづくりの楽しみも継続中です。

  • 造作したキッチンには収納スペースを設け、植物や本などをさりげなく収納。ちょっとした演出コーナーに。

  • タオルや調理道具など、見せながら収納するアイテムは、できるだけ白に揃えて圧迫感をおさえています。

  • トイレの壁に小さなニッチを設けて、生活用品と雑貨を置けるスペースに。

  • 広々としたエントランスには、アンティークのチャーチチェアやトランクをアクセントに。実用できるのがポイント。

Fin

次回はインテリアスタイリストの
窪田俊さんと、
フローリストの
Harunaさんに登場いただきます。

Profile

高橋記子 Noriko Takahashi

高橋記子さん 写真

住まいコーディネイター。インテリアや雑貨、特にアンティークが好きで、約15年にわたり主にアメリカンアンティークを扱うショップを営む。自ら買いつけに出向き海外の住宅のインテリアに接する機会も多く、その経験がインテリアコーディネイトの土台の一部に。その後はリフォームのインテリアアドバイザーなどで、そのセンスを発揮している。

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