日々を楽しむ小さな工夫 
エッセイスト・整理収納アドバイザー 
柳沢小実さんvol.3

日々を楽しむ小さな工夫018-vol3 クローゼットを快適に使うためにワードローブのルールをつくりましょう

「定番服とトレンド服のバランスを見て
シーズン始めにお買い物しています」

ファッションが大好きな柳沢さんですが、クローゼットの中を拝見すると、ワードローブがコンパクトなことに驚かされます。
「私は持ちすぎると管理が負担になるタイプ。衣類は確実に着るものだけを持っていたいんです」。
ワードローブは、厳選した定番服の枠が8割、“旬”を楽しむトレンド服の枠が2割という割合。今季用にと買った旬のアイテムは毎日でも着てしっかりヘビーユーズするそう。たいてい1~2シーズンほどで着倒すので、クローゼット内に“着ていないけれど手放すにはためらう”といった服が滞留することがありません。
一方で、定番服は“長く着られるデザイン、素材”を心掛けています。トップスなら白いシャツ。清潔感を出せるので、歳を重ねてからは、より重宝するようになったとか。

「ハンガーの量や収納の広さから
服の量の目安を考えると
わかりやすいですね」

それでも、買い物に出て好みのものがあればつい手を伸ばしたくなるもの。どれくらいの量を持つのかは厳密に決めていなければ、増えてしまいがち。
「私はハンガーの数を目安にしています。先に処分をしてハンガーをあけてから買い物をするんです。人によって持ちたい服の量や着方は違いますが、シンプルに考えるなら収納スペースの広さやハンガーの数など枠を設けるとわかりやすいです」。
ただし、これは柳沢さんの管理法。ファッションへの考え方や性格に合わせて、服の買い方や管理法にルールをつくるのがおすすめだそうです。

「過去の買い物の失敗から
避けるべき服の条件がわかってきます」

ある程度歳を重ねれば、おのずと服に関する経験値は上がり、避けたい衣類も見えてきます。
柳沢さんの場合は、身に着ける衣類の清潔感を大切にしているため、いい状態を長く保てることがポイント。経験上、劣化の早いカットソー類は買わなくなり、ウール製品も毛玉になりにくいものを選ぶようにしています。
ルールを決めれば、定番服を決める助けにもなります。年を重ねることで得た経験はぜひ活かしたいもの。柳沢さんは常に経験値を更新して、おしゃれ計画に役立てています。

“クローゼットダイアリー”をつけると
いろいろなことが見えてくる

ワードローブに対するルールが明確な柳沢さんですが、それは10年以上綴り続けている“クローゼットダイアリー”のおかげ。
その内容とは、「春夏」「秋冬」に分けて、所有している衣類をリスト化したもの。トップスやボトムなど、アイテム別に書き出してあり、衣替えのタイミングで処分したり、新しく購入した時には反映していきます。
さらに写真コーナーも設けて、雑誌などから好みのアイテムを切り抜いてスクラップ。買う買わないは別として、次のシーズンへの“気分”を把握するのにもぴったりです。
また、ダイアリーの存在は、クローゼットの“今”を把握する以外にもメリットがたくさん。数年続けることで「買ったけれど着なかった服」「自分の定番にすべきもの」などが自然に見えてきて、無駄買いが防げるようになるとか。一方で「次のシーズンはどんな服を足そう」といったワクワク感も高まるので、ファッションを今まで以上に楽しむための習慣としても役立ちます。

Fin

次回は、編集者・ライターの
一田憲子さんに登場いただきます。

Profile

柳沢小実 Konomi Yanagisawa

柳沢小実さん 写真

エッセイスト。整理収納アドバイザー。ファッションや料理、器、インテリア、旅など多くの趣味を持ち、それらにまつわる著書は30冊以上。もともと片づけが苦手だったのを克服して以来、収納に楽しみを見出し、整理収納アドバイザー1級を取得。ストレスなく身軽に暮らすためのアイディアを常に考え、提案している。
近著に『おうち時間の作り方』(だいわ文庫)、「これからの暮らし計画』(大和書房)など

https://www.furarifurari.com/

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