日々を楽しむ小さな工夫
フードユニット「ごはん同盟」vol.1
「3食+おやつと、1日4度食べるほど
ごはんが好きです」
自宅で食事をする機会が増えた昨今、改めて手料理の魅力にはまった人もいれば、メニューや作る手間に悩んでいる人もいるでしょう。
そこで改めて注目したいのが、 私たち日本人の食卓には欠かせない存在である“ごはん”。凝ったおかずがなくても、おいしく炊けたごはんがあれば、食事の格が上がった心地になるのだから不思議です。まさに心のよりどころ。
今回、その魅力について語ってくれた「ごはん同盟」は、料理研究家のしらいのりこさんと、企画担当のシライジュンイチさん夫妻による"炊飯系"フードユニット。ともに米どころ新潟県の出身で、ジュンイチさんの実家は米農家、のりこさんの実家は仕出し料理も行う鮮魚店と、ごはんをおいしく食べるノウハウをしっかり受け継いでいるおふたり。炊き方のレクチャーやレシピ提案など、ごはんまわりの活動を幅広く展開しています。
「おいしいごはんを食べるには
好みのお米を見つけることから」
まずお米選びについては、「食べる人の好みが最優先。お米ってとても包容力があるんですよ。だから、何と合わせてもはずれはありません」とのりこさん。あえて料理との相性を提案するなら、「たとえばマーボー豆腐など汁気のあるものなら、あっさり系のササニシキなど、ごはんを主役にするなら、もっちり系のコシヒカリやゆめぴりかなどが食べごたえあっていいですね」とジュンイチさん。いろいろと食べ比べながら、好みの味わいを探してみるのがおすすめだそうです。
「利便性や仕上がりの好みで
道具と炊き方を選んで」
ユニットを結成したのは2011年のこと。その頃は、お米は羽釜で炊くことが多かったそうですが、最近は進化し続ける炊飯器のクオリティや利便性を見直して、頻繁に活用するようになりました。
「特に、3食とも家で食事をすることが多い今、いつでもほかほかのごはんが食べられる炊飯器は重宝しますね。おなかが空くと、おやつにあたたかいおにぎりを作ります」とジュンイチさん。
炊飯道具の使い分けについては、「お米の種類によっても変わりますが、お米がしっかり立って歯ごたえがよいのは羽釜、米の甘みを引き出すには土鍋がベストですね。油を使う洋風の米料理には鋳物鍋が活躍します。最近の炊飯器は、お米の種類によって炊き分けたり、“しゃっきり”“もっちり”と料理に合わせて炊き上がりを調節できたりと優秀。便利に使えますよね」とのりこさん。
「今夜のおかずは何にしよう?」と思いを巡らせるように、日々炊き方を考えてみるのも楽しいかもしれません。
おいしいごはんを炊くための下準備、
3つのポイント
「ごはん同盟」さんの大切な使命のひとつは、炊き方のレクチャー。炊飯はシンプルなだけに奥深く、実はポイントを挙げるとキリがないそう。結成当初はベストな方法を細かく伝えていましたが、現在は、“少しの手間で、よりおいしく炊くコツ”を追求して、多くの人に共有すべく活動中。ここでは、そんなおふたりが「ぜひ取り入れて欲しい」と語る、炊飯のポイントを3つあげていただきました。
※炊飯器、鍋炊き、羽釜炊きどれも同じです。
point.1 お米の鮮度を大切に
手頃な価格のお米でも、鮮度がよければおいしいもの。購入時には必ず精米日の表示のチェックを。購入後は、2週間~1カ月で食べ切るのが理想的。消費ペースに合わせて量を選んで。開封後は、ジッパーつきポリ袋などに移し替えて密閉し、スペースの余裕があれば冷蔵庫に保管するのがおすすめ。
point.2 さっくり研ぐ
ゴシゴシ力を入れないのが正解。水を張ったボールにお米を入れたらさっと泳がせるように混ぜて水を捨て、その後はソフトボールを握るくらいの大きさで指を開き、カシャカシャと音が鳴るくらいの強さで手を回しながら研ぎます。水を注いで汚れを捨て、これを2回ほど繰り返します。最後にざるにお米を上げてしっかり水気を切ります。
point.3 米研ぎ、浸水は冷水で
水の温度が高いとお米の成分が溶け出しやすいので、米研ぎの段階から水温は冷たく、浸水も冷蔵庫で2時間きっちり行うのが理想的。浸水に使った水はそのまま炊飯に使い、水に溶け出したお米のうま味をお米に戻してあげるようにします。
一部画像提供/ごはん同盟
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vol.2 定番の道具や食材選びに
クローズアップ
Profile
ごはん同盟 Gohan Doumei
しらいのりこ、シライジュンイチ夫妻が展開するごはん好きの、ごはん好きによる、ごはん好きのための“炊飯系”フードユニット。おいしいごはんをいただくことを目的に、料理教室や炊飯ワークショップ、テレビや雑誌などのメニュー開発、イベントでの炊飯協力などを行う。著書に『忙しい朝でもすぐできる ごはん同盟のほぼごはん弁当』(家の光協会刊)、『パラパラじゃなくていい!最高のチャーハン50』(家の光協会刊)、『これがほんとの料理のきほん』(成美堂出版刊)。
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