日々を楽しむ小さな工夫
薬膳料理家・食養研究家 山田奈美さんvol.3
「庭の恵みをフル活用して
いつも季節を楽しんでいます」
季節ごとに庭を彩る山菜や果物など、身近な場所で収穫を楽しんでいることも、山田さんの印象的な暮らし方です。
「春にはふきのとうや山椒、うど、初夏には梅やビワ、冬季には夏みかんなどが庭を彩ります。椎茸も育っているんですよ」と山田さん。ふきのとうは天ぷらにしたり、山椒を摘んで薬味にしたり。梅は梅干しにするほか、青梅を煮詰めて梅肉エキスも作っています。
「古民家に暮らすほどに
日本人の英知を感じます」
家族3人で暮らす築90年の古民家も、四季や自然を大切にする山田さんのライフスタイルにはぴったり。
4部屋の和室はふすまを開ければひと続きになり、湿度の高い夏も風が抜けて涼やかなのでクーラーいらず。また、広縁は冬でもぽかぽかあたたかいそう。
古民家と地産の和食。双方を大切に、日々自然と関わりながら豊かな暮らしを紡いでいます。
山田さんおすすめ。自然素材の生かし方
干し野菜、果物で
日常の食をもっと豊かに
四季折々の旬の食材は、その季節に食べるだけでなく、保存食でも楽しんでいます。乾物は保存性が高まるだけでなく、うま味が凝縮する、ビタミンDが摂れるといったメリットも。あたたかな陽光が注ぐ広縁を干し場として活用し、四季折々の野草や果物、畑で採れた野菜を一年中並べています。
食用はもちろん、乾燥させたりエキスを作ったり
アレンジして、家族の体のケアにも
- 右からビワの葉を焼酎に漬けたエキス、青梅をすりおろして絞り、じっくり煮詰めた梅肉 エキス。残りはキハダの粉末、シアバターやオイルなどを調合したもの、ラベンダーオイル。
- ヒノキチオール等の成分に抗菌作用があるとされるヒバ油を水で薄めたスプレー。
Fin
次回は、
アンティークと植物を扱う
「BROCANTE」の松田尚美さんに
登場いただきます
Profile
山田奈美 Nami Yamada
薬膳料理家。食養研究家。国際中医薬膳師。「食べごと研究所」主宰。北京中医薬大学日本校卒業。神奈川県葉山市の「古家1681(coya iroai)」にて「和食薬膳教室」「離乳食教室」「発酵教室」「季節の仕込みもの教室」などを開催。著書に『旬を楽しむ梅しごと』(家の光協会)、『ぬか漬けの基本。はじめる、続ける』(グラフィック社)、『疲れた日のスープ、頑張る日のスープ』(文化出版局)など。
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