日々を楽しむ小さな工夫
美濃羽まゆみさんvol.3
「問題を数字や文字にしてみると、
作業すべきことや気持ちが整理できます」
食材は何がどれくらいあったっけ? 今日やるべきことはやりきれる? 子どものなくしものを探さなきゃ……。生活のなかで生まれるモヤモヤは焦りを生み、家事効率も下がります。子どもの頃から何でもノートに書き出して、やるべきことや気持ちを整える習慣があったという美濃羽さんは、仕事を持つ母として過ごす日々の中でも、物事を“見える化”することでモヤモヤをクリアにしているそう。「あれもこれもやらなきゃと思うとプレッシャーですよね。だから、食事の準備や洗濯、そうじなど、家事にかかる時間をひと通り計ってみたんです。その結果を元に、毎日実現できそうなスケジュールを組んでみたら、先が見えづらいまま焦って家事をしていた頃よりもずい分楽になりました」。その結果、仕事や趣味の時間もしっかり確保できるようになったと言います。
「わかりやすい収納は
家族全員が楽になるんです」
探しものや家族が散らかしたものを片付ける手間もモヤモヤの原因になりがち。そこで収納も“見える化”することにしました。気を付けたのは、家族の年齢や性格に合わせること。見やすく出し入れしやすい場所と収納スタイルを模索しながら、手助けしなくても自然に片付けられるように工夫。また、台所でも頻繁に使う調理道具はパッと一覧できるように壁にハンギングするほか、透明容器を使って食材ストックを管理したりして、確認する手間と時間を減らしています。大切なのは、自分だけでなく、家族にも使いやすい収納を心がけること。その効果のおかげか、「子どもたちも、食器の出し入れなどのお手伝いを楽にできるようになりました」と美濃羽さん。家族の“らくちん”と自分の“らくちん”は隣りあわせ。見える化による整理術で暮らしやすさを生み出しています。
美濃羽さんが実践する暮らしの工夫
書き出して予定や気持ちを整理する
美濃羽さんは日々印象的なできごとや悩み、仕事のスケジュールなど多様な事柄をノートに書き出しているそう。文字にしてみるとやることが整理でき、モヤモヤの解決につながるヒントも見えてきます。子育て中に起きた出来事や感情をイラストつきで書き出したノートは、子どもが小さい頃、帰宅の遅いご主人とのコミュニケーションにも役立てました。
食材の種類と量は一目瞭然に
冷蔵庫内のストックをひと目で把握できるように、透明の保存容器を活用。マスキングテープでラベリングして、種類や下ごしらえした日を書き込んでいるので、使い残しも防げます。以前は冷蔵庫の中身を書き出していたけれど、この方が簡単と変更したそう。こうした見直しも家事効率を上げるポイントです。
視覚で共有できる家族の壁面収納
階段脇の壁面に有孔ボードを設置して、フックで家族のバッグをハンギング収納。下の方は背の低い子どもたち、上の方は親のバッグの位置と決めて、各々が自分で出し入れしています。スペースが空いていれば、しまい忘れの合図。家族全員がパッと見て状態を把握できます。
子どもを誘導する仕掛けをつくる
子どもの持ちものは、しまう場所へうまく誘導して、簡単に収納できるようにしています。2人分のおもちゃなどは、カゴに姉弟の顔を模したシールを貼ってパッと場所がわかるように工夫(写真左)。脱ぎ散らかしがちなくつ下は、玄関先に「くつ下脱いで入れてね」とメッセージを添えたカゴへ。カゴ収納はワンアクションで出し入れできるので片付け下手でも安心です(写真右)。
Fin
第2回はインテリアスタイリストの
窪田俊さんとフローリストのHarunaさんにご登場いただきます。
Profile
FU-KO/美濃羽まゆみ Mayumi Minowa
ハンドメイドの子ども服・おとな服ブランド「FU-KO Basics.」主宰。
手づくり暮らし研究家。
築100年の京町家で12歳の長女と6歳の長男を育てながら洋服を作り、メディアや講演会を通じて「ものを作る、幸せのかたちを作る」をテーマにしたアイディアやヒントを提案している。
洋裁やライフスタイルに関する著書も多数。2019年11月27日に、手を加えて長く着ることができる子ども服ソーイング本「長く楽しむ、子ども服(仮)」(日本ヴォーグ社)を出版予定。
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