好きをかたちにする、新しい住まいのつくり方 vol.6

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2020年撮影(取材時)の情報です。ショウルーム展示品は入替え等により展示していない場合もございます。

ほどよい距離が心地いい。
キッチンが変えたふたりの暮らし

料理人で食のクリエイティブディレクターの豪希さんと、ライフスタイルデザイナーの桃子さんご夫妻は、料理を通じておもてなしの場を提供するユニット「てとてと」として活動中。完全予約制のパーティや料理教室といった「てとてと食堂」の活動を始めるきっかけとなったご自宅を訪ねて、ふたりの「好き」がたくさん詰まった空間についてお話を伺いました。
さらに、パナソニック ショウルーム 東京を訪れ、おふたりのライフスタイルと通じるパナソニックの新キッチンの魅力も語っていただきました。

理想の暮らしを叶えたのは
家の中心にあるキッチン

2016年に当時築39年のヴィンテージマンションを購入しリノベーション。玄関扉を開けると、LDKの先にあるはき出し窓とその向こうの庭まで見渡せる。造作のテーブルは、壁面にも採用したラワン材を用いることで統一感を持たせた

「この家のリノベーション計画をスタートした時はふたりとも会社員で、 『てとてと』の活動をするようになるなんて全然イメージしていませんでした」と語る豪希さんと桃子さん。10歳の頃から包丁を握っていたという料理が得意な豪希さんとおもてなし好きの桃子さんは、結婚を機に「自宅に友人たちを招いて、月1回ぐらいホームパーティを開けたら」と漠然としたイメージで、リノベーションを前提に家探しをしていたそうです。

豪希さんは和の空間、桃子さんは北欧テイストと、ふたりのインテリアの好みは異なりましたが、「この人にお願いしたい」とふたりの意見が一致した、建築家の松島潤平さんに設計を依頼。当初ふたりが考えていたのは、玄関から廊下を経てLDKにつながるスタンダードな間取り。それに対し松島さんは、ふたりのライフスタイルや好みを汲んで、玄関からダイレクトにLDKにつながる大胆なプランを提案。打ち合わせの帰り道には「このプランしかない」とふたりの気持ちが固まり、家づくりを本格的にスタートさせました。

寝室やバスルームなどのプライベートスペースを一列にまとめることで、住まいの3分の2をLDKが占めるキッチン中心の間取りを実現

新しい住まいから誕生した
「てとてと」というスタイル

ふたりが対面でも作業しやすいアイランド型の造作キッチン。器は料理やシーンに合わせて、ふたりで相談しながら選ぶ

「私たちの希望を建築家の松島さんに伝えると、予想以上のプランやおもしろいアイディアが返ってくるので、打ち合わせは本当に楽しかった」と口を揃えるふたり。ただ「キッチンだけは料理担当の僕の希望を細かく伝えました」と豪希さんが語る通り、キッチンまわりは使いやすさにこだわった、まさに豪希さんのオーダーメイド。

豪希さんが包丁をふるいやすい高さに設定したキッチンカウンターや、造作のワイドシンク、カウンターにサイズを合わせたダイニング兼ワークテーブルなど、キッチンまわりは料理がしやすく、また来客の際のもてなしもスムーズになる工夫がいっぱいです。「料理するところを見ているのが好き」という桃子さんの定位置は、カウンターの向かい側。ここで豪希さんの手元を見ながら味見をしたり、下ごしらえを手伝ったりしつつ、ふたりの会話もはずみます。

北欧の家具デザイナーのカウンタースツールは、心地よさを追求する豪希さんならではのこだわりで、テーブルの高さに合わせて8脚すべての脚を大胆にカット。購入先の家具店で「本当にいいんですか」と何度も聞かれたとか
壁一面の収納棚は建築家からのアイディア。できるだけ窯場を訪れ、作家本人に直接会ってから購入するという器が美しく並び、出番を待っている。棚板は可動式なので、収納するものや量に合わせて移動させることが可能

完成した新居の居心地は抜群。当初は友人たちを招いていましたが、来客に合わせてぴったりの料理を提供する豪希さんと、来客と料理に合わせた場をしつらえ、新鮮な空間を仕掛ける桃子さんのホームパーティは知人から知人へと口伝で評判を呼び、多い時には1年に100回以上も開催していたそうです。「てとてと食堂」と名づけたこの活動が楽しくなったふたりは、それまで勤めていた会社を離れ、ユニット「てとてと」としての活動をスタート。

「『てとてと』の活動は仕事という感覚ではなく、遊びの延長。本気で遊んでいたらいつの間にか仕事になっていたという感じ」と豪希さん。ホームパーティからスタートした活動は、食材のブランディングや飲食店のコンサルティングといった仕事にも発展。リノベーションでキッチンを中心にした住まいを手に入れたことで、ふたりの進路が思いがけない方向に転がりました。

調理も、仕事も、遊び時間も
フレキシブルに楽しめる空間

奥の玄関からダイレクトにLDKにつながる自宅がおもてなしの場。有孔ボードやラワン材を多用した、インダストリアルな雰囲気が漂う

「てとてと」の活動だけでなく、日々の調理も担当している豪希さん。自然とキッチンで過ごす時間が長くなりますが、住まいの中心にキッチンがあるため、桃子さんがリビングでパソコンを開くなど別のスペースで作業をしていても、自然と会話が生まれます。カウンターにサイズを合わせた造作のダイニング兼ワークテーブルも、ふたりの仕事の場としてはもちろん、調理の際は作業台、パーティ時は食事の場としてなど、フレキシブルに活用しています。

「新生活様式の中、家で過ごす時間が増えましたが、息が詰まることはありませんでした」。現在の「てとてと」スタイルが生まれたのは、まさにこの自由な空間があってこそ。ほどよい距離でそれぞれ自分の時間を過ごしながら、ふたりで新たな活動のアイディアを生み出しています。

毎日の食事を作る場であり、仕事のアイディアが生まれる場でもあるキッチン。キッチンカウンターとテーブルが一列に並んでいるので、多様な使い方が可能
LDKの壁には、さりげなくパントリーの入り口が。発酵食品が好きな豪希さんが仕込んだ、梅酒やびわ酒、茶梅、らっきょう漬けや塩レモンなど、さまざまな瓶が並ぶ

キッチンを軸につながる、広がる
人と人とのコミュニケーション

農園から取り寄せたフレッシュハーブでハーブティを煎れる豪希さん。理科の実験のように丁寧な手つきで作業する豪希さんを楽し気に見守る桃子さんと、「器はこちらの方がいいんじゃない」と会話が途切れることなく続く。「ハーブティをおいしく煎れるには、弱火でじっくり煮出すのがコツ」と豪希さん。仕上げに自家製の青紫蘇シロップを加えて

豪希さんの料理と桃子さんのおもてなし演出による「てとてと食堂」は、集まる人たちの好みやスタイルに合わせてオーダーメイド感覚の料理を提案するホームパーティ。オープンなLDKなので、ふたりとお客さまの垣根がなく、豪希さんが調理しているところを間近で見られるのも魅力。

「てとてと食堂」のお客さまは、仕事のジャンルや年齢にかかわらず、多種多様。ふたりのおもてなしの空間に魅かれて、さまざまな人が集まってきます。キッチンを中心としたふたりの住まいは、人と人をつなぐ交流の場。「てとてと」という名前には、豪希さんと桃子さんとはもちろん、食材の作り手や料理人、それを食べる人たちとのつながりを感じながら、「ゆっくり歩くように暮らしを楽しもう」という思いが込められています。まさにたくさんの「手と手」をつなげていく日々を過ごしています。
(「てとてと食堂」は、完全紹介予約制。現在は活動お休み中。)

「てとてと食堂」の活動の様子

集まるお客さまや季節に合わせてコンセプトを決めて、メニューもテーブルコーディネイトも考えています。旬の食材をふんだんに取り入れ、見た目も味も満足いただけるような料理を目指しています
食事会、ホームパーティの最後によくお出しするのが、旬のフルーツを使ったタルトです
友人一家のお宮参り後の食事会。お子さまの名前の由来や友人夫婦の思いを事前にヒアリングして、スペシャルコースおもてなしをしました
基本的な包丁の持ち方から、マニアックな調味料の紹介まで、参加者のレベルに合わせた体験型の料理教室を開催しています

夫婦や親子がほどよい距離感で
一緒に調理作業を楽しめるキッチン

ショウルームを訪れた、豪希さんと桃子さん。写真のキッチンはパナソニックが新しく提案するLクラスキッチン Idobataスタイル(いどばたスタイル。以下、撮影協力:パナソニック ショウルーム 東京)

ショウルームに展示されているLクラスキッチンIdobataスタイルは、ふたりのライフスタイルに通じる、適度な距離感で作業ができ、家族のコミュニケーションもはかれるプランです。その秘密は、センターにあるシンクを挟んで2か所に作業スペースがあること。さらに、端の作業スペースの下はオープンユニットなので、対面側にスツールを置いて座れば軽食スペースとしても活用できます。

「僕が自宅で料理をしている時、彼女はカウンターの向かい側から見ている事が多いので、この距離感はちょうどいいかも」と豪希さん。「ここに料理を並べてビュッフェスタイルのホームパーティもいいね」「シンクにウォーターバスを用意して、氷水と野菜をたくさん入れて好きに食べてもらうのも楽しいかも」など、Idobataスタイルを活用したアイディアが次々と浮かんできます。

LクラスキッチンIdobataスタイルは、シンクの両サイドに作業スペースがあるのが大きな特長。ふたりが並んでも、対面でも調理がしやすい。「豪希さんが料理している間に私が洗い物をしても、お互いに邪魔にならなそう」と桃子さん。「お客さまと一緒に料理をしても楽しそう」と豪希さん

キッチンの両側から使うことができるラウンドアクセスシンクは、洗い物に家族が参加しやすいので片づけがスムーズ。「キッチンカウンターの真ん中にシンクがあるのが新鮮!」と桃子さん。「ダイニング側から同じ距離感でシンクを使えるのは本当に便利ですね」と豪希さん
料理家 SHIORIさん①
背面カウンターの一部がデスクコーナーに。「ダイニングテーブルでパソコン作業をする人が多いですが、このスペースがあれば、テーブルを食事の場としてきれいに保てますね」

ふたりでキッチンに並んで立っても
ストレスなく過ごせる距離感が魅力

パナソニックのLクラス キッチン「いろりダイニング」

※キッチン側には座るスペースはございません
「扉を2回ノックするとフルオープンになる食洗機」「この収納の充実ぶりもすごいよね。これなら食料品のストック庫としても十分使えそう」とふたり

「自宅では僕が料理をしている時、彼女はテーブルでパソコン作業をするなど、近くにいても別々の作業をしている事が多いのですが、このキッチンならいつものスタイルで過ごせそうですね」と豪希さん。ふたりで過ごす時も、来客を迎える時も、ストレスなく過ごせる距離感を体感していました。

「遊びが仕事につながった」ふたりのように、家での過ごし方は多様になり、家事と仕事とプライベートタイムの境目がなくなりつつあるという方も増えています。「どこからでもアクセスできるし、いろんな使い方ができる。こんなキッチンなら、それぞれの家族に合ったスタイルで過ごせそうですね」。

Profile てとてと
井上豪希(いのうえ・ごうき)さん 井上桃子(いのうえ・ももこ)さん
夫婦ユニット

「株式会社TETOTETO」代表。おもてなし夫婦ユニットとして、自宅でのホームパーティや料理教室などを開催するほか、食材のブランディングやコンサルティングなど食にまつわるさまざまな活動を展開。現在はリアル店舗での食の提供を計画中。

http://tetoteto.info/

 @momucofu

 @atom5050

井上豪希さん 井上桃子さん
パナソニック ショウルーム 東京

撮影協力/パナソニック ショウルーム 東京

最新のキッチン、バスルーム、トイレなどの設備をチェックできるショウルーム。実際に見て、触れることで、使い勝手の良さを体感できます。また、生活シーンを想像できる展示スペースが充実しているため、理想の空間づくりのヒントが見つかるはず。

パナソニック ショウルーム 東京
http://sumai.panasonic.jp/sr/tokyo/

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