好きをかたちにする、新しい住まいのつくり方 vol.5

  • 好きをかたちにする、新しい住まいのつくり方 vol.5
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2019年撮影(取材時)の情報です。ショウルーム展示品は入替え等により展示していない場合もございます。

キッチンへのこだわりを最優先。
集いとぬくもりを大切にした住まい

今回お話を伺ったのは、料理家のSHIORIさん。大ヒットしたレシピブック『作ってあげたい彼ごはん』シリーズを皮切りに、「若い女性にもっと料理を楽しんでもらいたい」とファッション誌やTV、企業コラボでも活躍中。今回は中古マンションをご自身のライフスタイルに合わせてリノベーションしたというご自宅にて、キッチンを中心とした住まいへのこだわりを伺いました。

新しい住まいになって、家に人が集うようになったというSHIORIさん。SHIORIさんのご自宅にも通じる、「人が集い、会話が生まれる場所」を目指して誕生したパナソニックのキッチン「いろりダイニング」が展示されている、パナソニック ショウルーム 東京を訪れていただき、家の中でのコミュニケーションが豊かになるキッチンの魅力についても語っていただきました。

歴史やぬくもりが感じられる
家具や素材が似合う空間に

2方向にある大きな窓からたっぷりと自然光がさし込むLDK

2方向にある大きな窓からたっぷりと自然光がさし込むLDK。このLDKをL字型に囲むテラスでは、ご主人がグリーンを育てている

以前の住まいは日当たりも悪く、主宰する料理教室のアトリエからも遠くて不便だったので、引っ越しを決意。なかなかいい部屋に出逢えず、前の住まいの売却が先に決まり焦っているところを、偶然フェイスブックで見かけた物件にぴんと来て、あとはとんとん拍子に決まりました。

決め手になったのは、大きな窓からの日当たりと広いテラス、ヘリンボーン貼りのフローリング。本当は床暖房を入れようと思っていましたが、このフローリングの味わいを生かすために断念しました。天井の高さを上げて、キッチンは造作で新しく作っています。特にこだわったキッチンは、水栓やシンクの素材、収納扉までひとつひとつ選びたかったので、アトリエのキッチンをお願いしたデザインチームに依頼しました。私が好きなアンティークやヴィンテージ家具に似合う空間に仕上げてもらっています。

ヘリンボーン貼りの床
購入の決め手のひとつだったというヘリンボーン貼りの床。少しくすんでいたため磨きをかけ、塗装を重ねたことで、ヴィンテージ家具にぴったりの質感に仕上がった
リビングには北欧製やヴィンテージを中心にさまざまなデザインの椅子が並ぶ
リビングには北欧製やヴィンテージを中心にさまざまなデザインの椅子が並ぶ。来客はそれぞれ好きな椅子を選び、ゆっくりとくつろいでいるとか

もてなす人も、招かれた人も
気軽に出入りできるキッチンに

料理家 SHIORIさん①

自宅に友人を招いて一緒に料理をしたり、食事をするのが好きなのですが、以前の住まいでは壁に向いたキッチンで料理をしていると、もてなしをしたくて頑張れば頑張るほど孤独を感じてしまって。ここへの引っ越しを決めた時、「キッチンが中心にある家」、「キッチンとリビングと自然につながって、夫や友人と会話しながら料理したり、食事ができるような空間」というコンセプトでリノベーションを依頼しました。

特にこだわったのは、作業効率を高める動線。調理中の移動が少なくてすむよう、シンクと作業スペース、ガスコンロはL字に配置しました。右奥の冷蔵庫から食材を出し、隣のシンクで洗い、カットして左端のガスコンロで調理し、盛り付けをするまで、流れるように作業することができるのでよりスムーズに料理ができます。

リビングとキッチン
リビングとキッチンは間仕切りがなくオープンで、来客も作業を手伝いやすい間取り。キッチンの吊り戸棚には、北欧の住宅を参考にしてオーダーしたというヴィンテージ風の収納扉を取り付けた
キッチン
カウンター前にある奥行きおよそ10cmの立ち上がり部分が、ツールや調味料を置くスペースになっている。コーナーの柱部分のみ、深い緑の小さなタイルを貼ってアクセントに

お酒を飲むのが好きな夫がリクエストしたカウンターを作ったことで、必然的にこのL字型キッチン+カウンターの形になりました。無垢材のぬくもりが好きで扉をオーダーしましたが、ナチュラルすぎる印象や甘すぎる印象にならないよう、キッチンの天板にステンレス、床材には黒のスレート(石板)をプラスして空間を引き締めています。

パリのアパルトマンにあるキッチンのような、程よい生活感が感じられるキッチンにしたかったので、日常的な調味料やツール類はすぐ手に取ることができるところに配置。調理中の無駄な動きが減りました。

ナイフ類はマグネット式のナイフラックで壁面に収納
イタリアで料理留学中に見たキッチンを参考に、ナイフ類はマグネット式のナイフラックで壁面に収納。「さっと取り出せて、すごく便利ですよ」。収納棚の裏に設置した間接照明が、凹凸のあるタイルの素材感を際立たせてぬくもりをプラスする

カウンターつきのキッチンにしたら
夫婦ともに自然と友人を家に招くように

カウンターつきのキッチン
ご主人の希望で設置したというカウンターは、軽食をとる時や、ゆっくりお酒を飲む時に活躍。このカウンターがあるおかげで家飲みの機会が増え、友人をよく自宅に招くようになるなど家での過ごし方も変わったのだとか

リビングとキッチンがつながったことで、友人も気軽にキッチンに出入りするようになりました。多い時は20人ぐらい友人を招いたこともあります。入れ替わり、立ち替わりしながらそれぞれ好きな場所でくつろいでいました。

また、建築士からの助言で、このキッチンの照明は4段階に変えられるようにしています。料理中の手元を明るくするのはもちろん重要ですが、コーナーをスポット的に明るくしたり、ペンダントライトでカウンターを照らしたりと、シチュエーションに合わせて使い分けられるのが楽しいですね。夫はよく部屋全体のあかりを絞ってカウンターのペンダントライトだけを灯し、カウンターに座ってゆったりバー気分でお酒を飲んでいます。

みんなで料理するのも楽しいけれど、友人たちにこのカウンターに座ってもらい、キッチンからシェフ気分で1皿ずつお出しするコース料理にも挑戦してみたいですね。調理中の手元を見ることができるのも、お客さまにとっては楽しいのではと思います。

パナソニックのLクラス キッチン「いろりダイニング」

写真は、パナソニックのLクラス キッチン「いろりダイニング」。「会話を楽しみながら、準備や調理、後片づけまでできるので、私が自宅のキッチンで叶えたかったことのひとつ、料理を作る人と食べる人の境界線がないのが魅力ですね」とSHIORIさん

キッチンを変えることで家の中での
コミュニケーションのとり方が変わる

パナソニックのLクラス キッチン「いろりダイニング」

IHを囲んで向かい合い、会話を楽しみながら対面で料理や食事ができるLクラス キッチン いろりダイニング(撮影協力:パナソニック ショウルーム 東京)

自宅のリノベーションを経て、家族や来客とコミュニケーションをとりながら調理できるキッチンを実現できました。ショウルームで拝見したキッチン「いろりダイニング」も、準備から片づけまでみんなでキッチンを一緒に囲んで楽しめるという、キッチンでの新しいコミュニケーションのとり方を提案していますよね。

特に、カウンターを囲み、中央のIHクッキングヒーターで一緒に料理できるスタイルが新鮮でした。友人を家に招くと「料理家のキッチンだから」とキッチンに入るのを遠慮されてしまうことがあるのですが、こんなキッチンなら料理をしながら会話も弾みそうです。通常のキッチン空間ではどうしても「料理をする人」と「食べる人」、「もてなす人」と「お客さま」に分かれてしまうところを、これならそういった垣根がなく調理中も全員で参加できるから、いろんなシチュエーションで楽しめそう。

- Recommended Dishes -
いろりダイニングでのおすすめの料理は
作る工程からみんなで参加できる串揚げや餃子

パナソニックのLクラス キッチン「いろりダイニング」

自宅に友人を招いて、皮から水餃子作りを楽しんだ際の様子。みんなでわいわいと作れて、盛り上がったそう

「いろりダイニング」をひと目見て、すぐに思いついたのは串揚げです。具材をカットして、衣をつけて、油で揚げて……と準備段階からみんなで参加できるのでぴったりだと思いました。また、以前自宅に友人を招いた時に、みんなでカウンターで皮をこねるところから手作りした餃子もおすすめです。「いろりダイニング」のようにカウンターにIHが並んだスタイルなら、ここで皮を包み、焼き餃子と水餃子を同時に作ってみんなで食べるのも楽しそうですね。

共働きのご夫婦のように忙しい家庭こそ、このキッチンは便利ですね。テーブルを兼ねるIHクッキングヒーターのタイマー機能を生かして、煮込み料理を仕込んでおけば一緒にゆっくり食事がとれます。家族の食事のタイミングがずれた時も、テーブルで会話を楽しみながら、自由に温めて食べることができるので、家族との時間をより自然に共有できるのではと思いました。孤食がクローズアップされる今の時代にフィットした、コミュニケーションのとりやすいデザインになっていますね。

マルチワイドIHクッキングヒーター
マルチワイドIHクッキングヒーターにはカウンターの両サイドに操作パネルが設置されているので、どちらからも操作可能

会話や食事を楽しむためには
作業がラクになる機能選びも重要

料理家 SHIORIさん② 料理家 SHIORIさん②

カウンター端に配置されたシンクは、3方向からアクセスできるのが特長。水栓も自由に向きを変えることができる。食事後は、座ったまま大型食洗機に食器をセット。「腰への負担が軽減され、とてもラクですね」

「いろりダイニング」でいちばん気に入ったのは、3方向から使えるシンク。洗って、すすいで、拭くという作業にみんなで同じボリュームで参加できるのがいいですね。お客さまもラフな気持ちで片づけに参加してくれそう。シンクの前に横並びになって作業するよりも効率がいいし、片づけもスピーディに終わりそうです。

また、ダイニングテーブルを兼ねたIHクッキングヒーターから手が届く場所に食洗機があるので、食事中から食べ終わったお皿を片づけていけるのも便利。片づける人が孤立せずに会話に参加しながら作業できるのがいいですね。

料理家 SHIORIさん①
扉の面材、天板を組み合わせることによって100パターン以上のデザインが広がる
ショウルームのサンプル
ショウルームのサンプルを見ながら。「私ならこの“カプリードグレー”にステンレスの天板を合わせるかな」とSHIORIさん

キッチンのプランニングに正解はなし
まずは自分のスタイルを見極めて

パナソニックのLクラス キッチン「いろりダイニング」

「みんなでわいわい調理や食事を楽しみたい方にぴったり。料理を作る工程から一緒に楽しむことが、このキッチンなら叶いそうです」

使いやすいキッチンというのは、使う人、調理スタイルによって違ってくるもの。これからキッチンを考えるなら、まずはご自身の調理スタイルやライフスタイルを知ることが大切だと思います。

わが家にはパントリーもないし、収納スペースもそれ程多くありません。引っ越しする時に器を厳選して、食材のストックもあまり置かないようにしています。でもしっかりストックを置いておきたい方なら、収納スペースが必要ですよね。片づけが好きなのか苦手なのか、見せるディスプレイが得意かどうか、ご自身のタイプを理解したうえで目指す方向をしっかり決めてからデザインに入ると、納得のいくキッチンになると思います。

ライフスタイルや好みは、年を経ると変化していくもの。ここに越してまだ3年目ですが、自分や家族の暮らし方や求めるものに合うよう、住まいに手を加えて心地良さを求めていきたいですね。いずれは戸建を手に入れたいなとも考えているので、夢はどんどん膨らみます。

Profile SHIORI
料理家

代表作『作ってあげたい彼ごはん』をはじめ、著書累計400万部を超える。和食や世界各国で学んだ家庭料理を得意とし、料理教室『L'atelier de SHIORI』を主宰。中目黒で100%VEGANでサステナブルなファラフェルスタンド『Ballon』を経営する。

 @shiorikaregohan

SHIORIさん
パナソニック ショウルーム 東京

撮影協力/パナソニック ショウルーム 東京

最新のキッチン、バスルーム、トイレなどの設備をチェックできるショウルーム。実際に見て、触れることで、使い勝手の良さを体感できます。また、生活シーンを想像できる展示スペースが充実しているため、理想の空間づくりのヒントが見つかるはず。

パナソニック ショウルーム 東京
http://sumai.panasonic.jp/sr/tokyo/

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