2025.09.01

人気のインテリアスタイル

家時間を充実させるという考え方も増え、住まいに求められる価値は、単なる“機能性”だけでは語れなくなりました。色・素材・空気感といった空間の“雰囲気”そのものが、私たちの感性や価値観を映し出し、暮らしの質に静かに、でも確かに影響を与えています。その空気感をかたちづくるのが「インテリアスタイル」。空間にどんな素材を選ぶか、どんな色に囲まれたいか、その選択のひとつひとつが、住まいを“自分たちらしい場所”へと育てていきます。
本記事では、今注目されているインテリアスタイルを4つのカテゴリーに整理しながら、それぞれの特徴や魅力、人気の背景を紹介します。さらに最近話題のミックススタイルや、暮らしとリンクしたスタイル選びの傾向、自分に合うスタイルを見つけるヒントまで、今の住まい選びに欠かせない情報を幅広くお届けします。インテリアスタイルを知ることは、自分自身の「心地よさ」や「暮らし方の理想」と出会うこと。これからの住まいを、自分たちらしく整えるヒントとして、ぜひ楽しみながら読み進めてみてください。

自然素材と調和する“ナチュラル系スタイル”

素朴であたたかみのある空間が好まれる今、木や土などの自然素材を活かした“ナチュラル系スタイル”が改めて注目されています。
どこかホッとできる空気感と、生活に寄り添うやさしい佇まいが、このスタイルの魅力。無垢材のフローリングや素朴な風合いのファブリック、グリーンとの相性も良く、どんな世代にも受け入れられるスタンダードな人気があります。
ナチュラルスタイルの定番は、オークやパインといった明るめの木を床や家具に使い、生成りやベージュのニュートラルなカラーでまとめること。光や風を感じるレイアウトにすることで、自然体で気取らない暮らしが実現します。

そこに“デザイン性”と“機能性”を加えたのが、「北欧(スカンジナビアン)スタイル」
白を基調に、木の質感や色柄のテキスタイルでアクセントを効かせた空間は、シンプルで洗練された印象を与えます。直線的で低めの家具を選ぶことで、視界が抜け、空間を広く見せる工夫がなされているのも特徴のひとつです。
このスタイルの原点は、寒く長い冬を快適に過ごす北欧の暮らし。
自然光をたっぷり取り入れるための大きな窓や、家の中でゆったりとくつろぐためのしつらえが、日本の住まいとも相性が良く、機能性と心地よさを両立させたい人にぴったりです。
ナチュラル系は、どこか懐かしく、でも古さを感じさせない。
手触りの良い素材に囲まれて、自分たちらしく過ごす暮らし。その基盤となるスタイルとして、これからも定番であり続けるでしょう。

都会的で洗練された“モダン・クール系スタイル”

凛とした佇まいと、無駄のない美しさ。そんな空間に憧れる人に選ばれているのが、“モダン・クール系スタイル”。余計な装飾を省き、直線的なフォルムや無機質な素材を活かしたデザインは、住まいに品のある緊張感と、都会的な空気をもたらしてくれます。無彩色の配色や冷たさを感じさせる質感が、空間に“クール”な表情と洗練された緊張感を生み出します。
定番の「モダンスタイル」は、ホワイト・グレー・ブラックといったモノトーンをベースに、ガラスや金属、鏡面仕上げなどの素材で構成されるのが基本。家具や建具のラインを揃えることで、空間に自然な統一感と広がりが生まれます。色数を抑えることで、視覚的にも“スッキリと整った印象”に。スマートな暮らしを好むDINKS層や、在宅と仕事を明確に切り替えたい人にも人気です。

そこに上質感と非日常性を加えたのが、「ホテルライク・ラグジュアリースタイル」
ラグジュアリーという言葉から“華美な装飾”を想像するかもしれませんが、実際には“素材選び”と“光の演出”で空間に深みをもたせるのがポイントです。大理石調の床、間接照明、スモーキーなグレージュの壁や重厚感のあるファブリックなど、丁寧に選ばれたディテールが、日常の中に特別感を添えてくれます。
ホテルのように“整えられた空間”に身を置くことで、自然と所作も丁寧になり、心もすっと整っていきます。モダン・クール系のスタイルは、暮らしそのものの質を高めてくれるインテリアです。

素材の質感を楽しむ“ラフ&ヴィンテージ系スタイル”

新品よりも“味のあるもの”、整いすぎた空間よりも“ちょっとラフなくらいがちょうどいい”。
そんな価値観の広がりとともに、人気が高まっているのが“ラフ&ヴィンテージ系スタイル”です。
代表的なのが、鉄・コンクリート・レンガ・古材など、無骨でインダストリアルな素材感を取り入れた「インダストリアルスタイル」。配管をあえて見せたり、ラフな塗装の壁を活かしたり、仕上がりすぎない“抜け感”が魅力です。家具はレザーソファやアイアン脚のテーブル、重厚な古木の棚など、あえて存在感のあるものを選ぶことで空間に深みが生まれます。
一方で、ラフさの中に明るさや開放感を取り入れたのが「カリフォルニアスタイル(西海岸)」。白い壁とビーチウッド調のフローリング、ターコイズブルーやデニムなどの爽やかな色使いが特長で、観葉植物やサーフボード、ラグなどをラフに配置することで、“ヌケ感”のある心地よい空間を演出します。
どちらのスタイルも、「新品のキレイさ」ではなく、「素材のもつ力強さ」や「使い込んだような味わい」に魅力を感じる人に支持されています。共通しているのは、ルールにとらわれない自由な発想。重厚なレザーやラフな布地、金属や無垢材など、異素材を組み合わせながら、自分らしい空間をつくり出す楽しさがあります。
ラフに、自由に、心地よく。ルールにとらわれないこのスタイルは、空間づくりそのものを楽しみたい人にこそおすすめです。

伝統とモダンの融合“和×現代のスタイル”

日本の住まいに受け継がれてきた“和の美意識”を、現代のデザインに落とし込んだのが「和モダンスタイル」。畳や障子、格子、深い軒といった日本的な要素を活かしながら、色数や装飾を抑えたミニマルな空間構成で、洗練された雰囲気を演出します。
このスタイルの魅力は、「落ち着き」と「静けさ」が共存すること。例えば、木のぬくもりが伝わる天井材や建具、和紙調の照明、黒やチャコールグレーといった深みのある色使い。これらを丁寧に重ねることで、穏やかで凛とした空気感が生まれます。
最近は、従来の“和室”としてではなく、リビングの一角に畳スペースを設けるなど、現代的な暮らしに寄り添った取り入れ方が主流に。障子や襖をガラスやファブリックに置き換えたり、建具を引き戸で揃えたりと、軽やかさと機能性を両立させる工夫も増えています。
また、北欧やナチュラルテイストと掛け合わせた“和×北欧”スタイルも人気。明るい木目と白を基調に、和の落ち着きがほどよく調和する空間は、どの世代にも心地よくフィットします。
和のスタイルは、単なる“和風”ではなく、静けさと佇まいの美しさを住まいに宿すデザイン。どこか懐かしく、でも古くない。そんな“今の暮らしに合う和”を、もう一度見つめ直してみてはいかがでしょうか。

これと決めない、自分らしさを楽しむ“ミックススタイル”

インテリアスタイルの幅が広がる今、明確なジャンルにとらわれない“ミックススタイル”が注目を集めています。暮らす人の感性やライフスタイルに合わせて、テイストを自由に組み合わせることで、「自分たちらしさ」を住まいの中に表現する動きが加速しています。
例えば、ナチュラル × ヴィンテージの組み合わせ。明るい木目をベースに、アイアン素材やレザーの家具で空間にラフなスパイスを加えれば、ほどよい緊張感とあたたかみが同居するスタイルに。
また、和モダン × 北欧も人気のミックス例。自然素材を共通言語としながら、和の静けさと北欧のぬくもりが心地よく融合した空間は、長く愛される上質さを持っています。
さらに、Z世代を中心に広がっているのが、韓国インテリアやフレンチシャビーなどの“抜け感”を大切にしたスタイル。淡いトーンでまとめた柔らかい色づかいや、丸みのあるフォルム、余白を活かしたレイアウトが、SNSを通じて人気を集めています。
素材感や色のトーンをうまく揃えることで、異なるスタイルも違和感なくミックス可能。
「好きなものを、好きなように組み合わせていい」——そんな自由な発想が、インテリアの楽しさをさらに広げています。

スタイルは“暮らし方”から生まれる時代へ

「誰かに見せるための空間」から、「自分が心地よく過ごせる空間」へ——
インテリアに対する価値観が、ここ数年で大きくシフトしています。SNSでの“映え”やおしゃれさはもちろん意識されつつも、日々の動線や家事のしやすさ、手触りや素材感といった“本質的な心地よさ”が見直されるようになりました。
例えばZ世代では、韓国風インテリアやDIY、韓国×北欧のミックススタイルが人気。一方、共働き世帯はナチュラルモダンなどシンプルで整った空間を好み、家事効率を重視する傾向に。
さらに、50代以降の世代には和モダンやホテルライクといった、落ち着きと品のあるスタイルが選ばれています。住まいは、暮らしの変化とともに育っていくもの。ライフステージに応じて心地よさの基準も変わるからこそ、今の自分たちにとって無理のない、続けやすいスタイルを選ぶことが大切です。

暮らしをデザインする、“わたしたちのスタイル”を探そう

「好きだと思える空間」と「自分たちの暮らしに合う空間」を重ねていくこと。それこそが、インテリアスタイル選びの醍醐味です。どんな空間に心がときめくか、どんな素材や色に落ち着きを感じるか――そうした感覚をひとつずつ見つけていく作業が、住まいづくりをより楽しいものにしてくれます。
そして、インテリアを考えるということは、単に“部屋を飾る”ことではなく、“どう暮らしたいか”を考えることでもあります。例えば、柔らかな光を取り込む窓辺、心地よく手に触れる木の質感、気分を整えてくれる静かな色の組み合わせ。それら一つひとつが、日々の気持ちに作用し、私たちの「暮らし方そのもの」を形づくっていきます。
「好き」や「心地よさ」は人それぞれ。だからこそ、雑誌やSNSで見かけたおしゃれな空間をそのままマネするよりも、自分たちらしさを軸にしたスタイルを見つけることが、長く愛せる空間への近道です。

パナソニックでは、自分らしさにフィットする暮らしを見つけるための考え方「Life Style Fit」を提案しています。「どんな暮らしがしたい?(Life)」「どんな色や素材が好き?(Style)」という2つの視点から、あなたにぴったりの住まいを見つけるご提案をしています。
流行に左右されすぎず、でも少しのトレンドも楽しみながら、自分たちの「暮らしのかたち」を自由にデザインしてみてください。きっとそこには、想像していた以上の心地よさが待っているはずです。

この内容は2025年8月現在のものです。

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