成長に寄り添い、居心地を可変させる
子どもの人数や年齢に合わせて、変化に対応できるのが理想の子供室。
プライバシーと見守りのバランスをとりながら、就寝・学習・遊びといった多様な過ごし方に応える工夫が必要です。
成長しても快適に過ごせるよう、将来の間取り変更や家具の配置も見すえて考えましょう。
1)将来を見すえた、フレキシブルなレイアウト
子供室は、子どもの年齢や人数、ライフステージによって必要な機能や広さが大きく変わっていく空間です。「今だけ」でなく、将来の独立や学習スタイルの変化も視野に入れた計画が求められます。
一人に一部屋の個室タイプ
プライバシーを大切にした個室型。勉強や就寝、趣味などそれぞれのスタイルに合わせて自由に使えます。
二人一部屋ワンルームタイプ
子どもが小さいうちは1つの広めの部屋を共有し、成長に応じて家具や収納でゆるやかにゾーニングする方法も。将来的に間仕切り壁を設けて個室に分けることも可能です。
就寝・学習スペース分離タイプ
二人で使う部屋の場合、寝る場所と勉強する場所を別々にすることで、お互いに集中しやすくなります。
システム家具などによる可変タイプ
収納や間仕切り家具を活用して、成長や暮らしに合わせて空間を変化させるプランです。
2)子ども2人で使うなら、可変性のある空間づくりを
必要な広さは、ベッド・学習机・収納といった家具のサイズと動線によって決まります。
- 一人部屋の場合:4.5〜6畳が目安。収納を工夫すれば4畳程度でも対応可能。
- 二人で使う場合:2段ベッドなら5畳〜、シングルベッドを2台配置するなら6畳以上が理想。
将来的に間仕切りを予定するなら、ドアや窓、照明・空調の配置も慎重に。左右対称の設計にすると分けやすくなります。
ベッドなどの家具を配置して最低限必要な広さ
一人部屋の場合
二人用/二段ベッド使用の場合
二人用/シングルベッド使用の場合
生活の形態やパターンによって変化させる
将来的に壁で間仕切りする場合
就寝を分ける場合
将来的に収納で間仕切りする場合
家具配置と窓の注意点
2階に配置する場合は、ベッドの近くに窓を設ける際に転落防止の安全対策(手すりや開閉制限など)も重要です。
3)家族のつながりも意識した動線に配慮
子供室は「プライベート空間」でありながら、家族とのコミュニケーションもしっかり保てる位置にあると理想的です。
また、オンライン授業やデジタル機器の使用が一般的になっている今、コンセント位置・通信環境・照明計画も重要なチェックポイントです。思春期になっても快適に過ごせる“居場所”として、安心感と使いやすさのある空間に仕上げましょう。
- リビングから子供室への動線を確保することで、日常の見守りもスムーズに。
- 子供室2室の中央に共有クローゼットを配置し、行き来できる2WAY設計にすれば、収納の効率と家族のつながりを両立できます。
- 主寝室とバルコニーを共有することで、適度な距離感のある関係性も築けます。
事例-1
家族が集まる場所から子供室へつながる動線
事例-2
出入口とは別にクローゼットを共有し、お互いの部屋に行き来できる2WAY
事例-3
共有のバルコニーを持つことでほどよい関係が保たれる