注文住宅を建てるときのポイントを解説
注文住宅の購入は、暮らしのスタイルや人生設計にも大きく関わる一大プロジェクトです。そのパートナーとなる依頼先をどう選ぶかは、家づくり全体の満足度を左右する重要な要素。本記事では、信頼できる建築業者の選び方や事前に準備すべきポイント、さらに実際にあった失敗事例も交えて、安心して依頼先を見極めるためのヒントをご紹介します。
ここを見て選ぶ!建築業者を見極める6つのポイント
理想の住まいを実現するためには、建築業者選びが重要です。どのような基準で見極めればよいか、6つのポイントに分けてご紹介します。
❶設計や施工のクオリティが高いか
注文住宅は自由に設計できるのが魅力です。設計力、施工品質はもっとも重要です。まず自分たちの理想の住まいを、具現化できる設計力があるか。家族構成やどんな暮らし方がしたいか、間取りの要望などに合わせて、ご家族に合ったプランを提案してくれるかどうかは重要な判断基準です。もちろんデザイン性という視点がある一方で、限られた敷地内でいかに希望を実現できるかという視点もあります。また図面上の理想の住まいを、高い品質で実際の形にできる施工の品質も必須です。いくら設計力があっても、工事の不具合があれば意味がありません。優れた設計力と、それを実現できる施工品質が高いか。過去の施工実績などをチェックするなどして確認しましょう。
❷対応している工法は何か
注文住宅を建てる際に、工法についてもしっかり理解しておきましょう。住宅の構造は、主に木造、鉄骨、鉄筋コンクリートの3つに分かれます。木造住宅は、柱と梁で組み立てる木造軸組工法と壁パネルで建てる2×4工法の2種類があります。木造軸組工法は間取りの自由度が高く、2×4工法は耐震性や気密性が高いという特長があります。また鉄骨の場合は、鉄骨の厚みの違いで軽量鉄骨か重量鉄骨かの違いがあります。どちらも間取りの自由度が高いという特長があります。鉄筋コンクリートは主にマンションなどの大規模の集合住宅に多いですが、耐震性・防音性・耐火性に優れています。何を優先するのかによっても、自分たちの理想の住まいに適した工法は変わるでしょう。例えば、オリジナルの間取りを優先したいとか。地震の多い地域なので、耐震性や耐火性などを優先したいのかなど、明確にしておくとよいでしょう。
❸担当者が親身になって相談に乗ってくれるか
信頼できる担当者との出会いも、家づくりでは重要な要素です。こちらの要望やこだわりを丁寧にヒアリングしてくれるか。どんな些細な質問でも納得のいく答えをもらえるかどうか。注文住宅は大きな買い物ですから、ちょっとした不安や疑問も出てくるでしょう。そんな時、誠実に対応してくれる担当者なら安心です。完成するまで何度もやりとりする相手になるので、質問しやすさなど人柄も意識しましょう。また税金や住宅ローン、法制度などについての専門知識も必須。ちなみに、もし本人自身が経験不足の場合も、専門スタッフとのチーム体制で担当するケースもあります。自分たちの疑問に必ず答えてもらえる体制が整っているかという視点でもチェックが必要です。
❹予算に合った提案をしてもらえるか
理想を叶えるための要望やこだわりを全部実現できるなら、家づくりは簡単です。自分たちの理想の注文住宅を、いかに予算内で建てるかが課題なのです。そういう面で、予算と要望などの条件を伝えて、きちんと予算内の提案をしてくれるかどうかも、判断基準の1つになります。夢ばかり膨らませるような予算オーバーの内容で、無謀な資金計画を提案するような会社や担当者は要注意です。予算内におさめるために、どのような工夫が必要か。もしくは家づくりのプロの視点で、こちらの優先順位を聞いた上で、いま予算内で優先すべきことは何かなどの、アドバイスや別案を提案してくれる方が信頼できるでしょう。
❺WEB上での口コミやレビューに問題はないか
実際にその建築業者で注文住宅を建てた方の声や話を聞くのもよいでしょう。例えば、インターネットや住宅情報雑誌などに掲載されている、施主をインタビューした建築事例なども1つです。最近は、自宅の家づくりのプロセスを紹介している個人ブログやSNSもあります。また自社でSNSを運営していれば、そこに寄せられるコメントや、コメントに対する返信なども、その会社の姿勢や社風を知るのに役立ちます。さらに、完成した住宅で見学会を開催して、施主に話を聞く機会を設けている会社もあるので、参加するのもよいでしょう。ちなみにインターネット上の意見は玉石混交の場合もあるので、できるだけ幅広く、いろんなレビューを参考にしましょう。
❻アフターフォロー体制は整っているか
どんな住まいも長年住んでいるうちに、経年劣化で大なり小なり補修やメンテナンスが必要になる時期はあります。そのためアフターフォローの体制が整っていることは必須条件といえるでしょう。国土交通省の定めた「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」では、新築住宅の場合、構造耐力上主要な部分と雨水の侵入を防止する部分に対して、引渡しから10年間は瑕疵や欠陥に対する責任を負うことが義務づけられています。国が定めて保証期間以降も、長期に渡る保証制度があるかどうか。また定期的な点検制度があるかどうかなども確認のポイントです。住宅は一度買って終わりではなく、劣化が軽微なうちにメンテナンスすることで、より長持ちします。アフターサービス専用の窓口や担当者が揃っているかも確認しておきましょう。
建築業者を選ぶ際の下準備
建築業者を実際に選ぶ前に、準備しておくべきことを解説します。事前にポイントを整理しておけば、住宅展示場の見学や各社の比較検討も、よりスムーズかつ効率的に進められます。
自分の希望や条件をまとめる
どんな家に住みたいか。具体的に書き出しましょう。どんな間取りにしたいか。欲しい設備はあるか。耐震性や断熱性など絶対はずせない住宅性能は何か。どんなインテリアが好きか。全部、書き出した上で優先順位をつけておきます。またインテリアの好みなど、「スッキリした」「広々した」など抽象的で言葉では説明しづらいものは、インターネットや住宅情報雑誌などで自分の好みに近い写真などを用意しておけば、後日、実際に検討が始まった際にも担当者に伝えやすくなります。
理想の住まい像を明確にしておくことで、「その希望を実現できそうな会社かどうか」という視点で、建築業者の絞り込みがしやすくなります。例えば「地震への強さ」の優先順位が高ければ、まずは耐震性を基準に、ある程度選べるでしょう。建築業者は、全国展開するハウスメーカーや地元密着型の工務店、設計事務所など、数え切れないほどあります。全部を丁寧にチェックするのは大変ですから、まずは希望に合うものを得意とする会社はどこかという視点が役に立ちます。
かけられる予算がどのくらいかを試算する
住みたい理想の注文住宅の形が見えてきたら、次に現実的にかけられるお金を試算しましょう。自己資金はいくら準備できるか。住宅ローンの借り入れ額はどれくらい借りられるかの2つがポイント。一般的には、自己資金を住宅ローンの頭金や仲介手数料などの諸経費を支払う際にあてるケースが多いです。借入可能な上限額ではなく、「毎月無理なく返済できる金額」を基準に借りる視点が大切です。間取りの提案をやりとりしている間は、ついつい「あれも、これも。せっかく建てるのだから」と、どんどん予算が跳ね上がっていくのはよくあることです。そうなった際にも、いったん決めた予算を基準に、あらためて設備や部材などの優先順位を決めて、本当に必要なものを取捨選択することが大切。無理なローンを組んでしまい、せっかく完成した住まいを手放すことにならないように、非常に重要なポイントです。
建築業者の種類を把握しておく
建築業者は、大きく分けて3つあります。ハウスメーカー、工務店、建築事務所です。ハウスメーカーの場合は、全国展開するなど規模が大きく信頼性が高いという特長があります。完全に自由設計の会社もありますが、自社の工法や構造の規格外の場合は、間取りの自由度が落ちるケースもあります。ただし規格を設けて部材等を量産することでコストを抑えて提供するというメリットもあります。一方、地元密着型の工務店は、その地域の気候や敷地条件に詳しく、柔軟で細やかな対応が期待できます。費用面で相談に応じてくれる可能性もありますが、施工品質や提案力などは会社によって差があるため、事前の見極めが重要です。建築事務所は、設計の自由度やデザイン性に優れており、建築士の個性が色濃く出る傾向もあるため、相性や好みとの一致が重要です。ただし、建築士と相性や好みが合えば、非常に満足度は高くなるでしょう。なお、施工は別会社に依頼するため、トータルコストは高くなる傾向もあります。なお、ハウスメーカーや工務店であっても設計費はかかるのが一般的です(多くは施工費の中に含まれる形)。必ずしも建築事務所だけが設計費を別途請求するわけではないことも、理解しておきましょう。
複数の建築業者から相見積りをとる
1社に決める前に、複数の建築業者から見積りをとって比較するのも一つの方法です。その際、家に対する要望やこだわり、予算などの条件を同じ内容で伝えるようにしましょう。複数の見積りをとることで、おおよその相場感がつかめたり、各社の提案内容の違いが見えてきたりします。この段階では詳細な設計までは決まっていないため、見積りはあくまで概算です。条件が同じにもかかわらず金額に大きな差がある場合は、設備仕様の違いなどをチェックしましょう。会社によって、同じ設備でも標準仕様かオプションかで費用が変わり、総額に影響することがあるからです。一見安く見える見積りでも、希望していた仕様が含まれておらず、結果的に割高になってしまうケースもあります。見積りの内容で気になる点や不明点があれば、遠慮せず質問して確認しましょう。回答の仕方や対応の丁寧さからも、その会社の姿勢や信頼度を見極めるヒントになります。
建築業者を選ぶときによくある失敗事例
どんなに慎重に進めていても、注文住宅づくりには多くの判断と決断が求められるため、途中で気が緩み、重要な場面で後悔してしまうことがあります。ここでは、実際によくある失敗例をもとに、事前に避けたいポイントをご紹介します。
営業トークに流されて大幅に予算を超えてしまった
よく見られる失敗のひとつが、担当者の営業トークに乗せられて、気づけば大幅に予算を超えてしまったというケースです。
「あと少し予算を追加すれば、こんな設備も取り入れられる」「暮らしの質が格段に上がりますよ」と提案されると、最初は必要なかったものにも心が揺らいでしまいがちです。住宅は一生に何度も買うものではないため、夢や憧れをつめこみたくなるのは当然です。しかし、その積み重ねが気づかぬうちに予算オーバーを招き、後々の生活に影響することも。特に高額な住宅設備や仕様は、少しの選択で何十万円単位の差が出ます。
予算は“借りられる金額”ではなく、“返せる金額”を基準に設定し、どんなに魅力的な提案があっても予算内での取捨選択を徹底しましょう。迷ったときは、将来的にリフォームで対応できるかを考えるのもひとつ。最初から全部を叶えようとせず、将来の楽しみに取っておく気持ちも大切です。
複数の建築業者を比較せずに決定してしまった
複数の建築業者を比較せず、早々に1社に絞ってしまったことで、後から「他にも良い業者があったのでは」と後悔する声は少なくありません。
例えば、友人の家を訪ねてその出来栄えに感動し、紹介された建築業者にそのまま依頼するケースもあります。もちろん信頼できる紹介先なら安心ですが、他社を知らないまま契約したことに、後から「もっと調べればよかった」と感じる方も多いのです。
比較検討することで、自分たちの希望がより明確になり、業者ごとの強みや弱みも見えてくることもあります。また「自分で選んだ」というプロセスを経ることで、納得感が高まり、完成後の満足度にもつながります。たとえ最初に惹かれた業者を最終的に選んだとしても、選択の裏付けがあるかどうかは大きな違い。時間をかけて複数社を比較することは、結果として後悔を防ぐ手段になるのです。
価格だけで選んで大幅に工期が遅れてしまった
「いちばん安かったから」と価格だけで建築業者を選んだ結果、工期が大幅に遅れてしまうという事例もよくあります。
確かに予算内におさめることは重要ですが、価格の安さの裏には人件費や資材費の抑制など、何らかの理由があるものです。人手が足りなければ、予定どおりに工事が進まず、追加工事が発生してもすぐに対応してもらえないことも。実際、引渡し予定が1か月以上延びてしまい、仮住まいの家賃や引越しのタイミングに支障をきたしたという例もあります。お子様の入園・入学など生活の節目に合わせた引越しを計画していた場合、大きな影響が出ることも。見積りでは金額だけでなく、含まれている内容やスケジュール、工事体制もきちんと確認しましょう。施工中の体制や工期の管理がどのように行われるのか、事前に担当者に確認しておくことで、安心感が違います。
アフターサービスがなく不誠実な対応をされた
「新築だからしばらくは不具合も出ないだろう」と思い、アフターサービスを重視せずに建築業者を決めてしまう方もいます。ところが、実際には住みはじめて数年後に設備の不調が出たり、建具の不具合が気になったりすることがあります。そんな時、いざ問い合わせても窓口が機能していなかったり、「担当者が辞めたのでわかりません」と言われたりすると、不信感が募ります。住宅は完成して終わりではなく、暮らしが始まってからが本番。10年、20年と住み続ける中で、メンテナンスやサポートをどこに頼めるのかが、暮らしの安心感に直結します。
アフターサービスの有無だけでなく、どんな体制で対応してくれるのか、問い合わせ方法やサポート期間なども事前に確認しておきましょう。トラブル時の対応スピードや担当部署の明確さなども、信頼できる会社かどうかの判断材料になります。
安心して家づくりを進めたい方へ。パナソニックと提携する建築業者にご相談を
パナソニックでは、全国の住宅会社・工務店と提携し「パナソニック ビルダーズ グループ」を展開しています。グループに加盟する住宅会社・工務店は、パナソニック独自の耐震工法「テクノストラクチャー」を採用し、一定の基準をクリアした信頼あるパートナーばかりです。すべての住宅で構造計算を実施し、強さや品質についてもパナソニックがチェックを行っています。地域に根差した地元密着の住宅会社や工務店も多く、全国で約350社が加盟。家づくりのパートナーとして、安心してご相談いただけます。まずは、理想の住まいづくりの第一歩として、お近くの加盟店にお気軽にご相談ください。
建築業者選びのコツを押さえて、納得のいく家づくりを
ご紹介した6つの選び方のポイントを参考にすれば、自分たちに合った建築業者を見極めるヒントが見えてくるはずです。気になる会社がいくつかあれば、それぞれの特長を比較し、チェックリストや採点表のような形で整理してみるのもおすすめです。
選ぶプロセスを通じて、自分たちの理想や優先順位もより明確になります。家づくりは時間も手間もかかる長いプロジェクトですが、だからこそ納得感を大切にしたいもの。じっくり向き合いながら、自分たちにとって最良のパートナーと出会い、後悔のない住まいづくりを進めていきましょう。
「住まいづくり」どう進めたらいいの?
パナソニックの
住まいづくりサービス
パナソニックと一緒に
はじめてでも安心の住まいづくり
具体的な進め方や、
ご要望を実現できる建築会社探しを
サポートいたします
新築をご検討の方へ
住宅会社
紹介サービス
coming
soon